赤字フェスを黒字に!茨城「ラッキーフェス」の戦略
「夏フェスは儲かるのか」その答えはここに…初年度4億円の赤字を1年で半減させた"茨城の夏フェス"の正体 ビジネスとしての資産は「毎年の来場者数」 | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
今年も各地で夏の音楽フェスティバルが行われている。そもそも夏フェスは儲かるのか。経営コンサルタントの鈴木貴博さんは「ちょうどいいケーススタディとなるイベントがある。毎年7月に茨城で行われているものだ。この事例から夏フェスの経済学を語ってみたい」という――。
夏には日本各地で音楽フェスが開催されます。みなさんも行ったことはありますか?
夏に開催される音楽フェスティバルは、たくさんの人が楽しみにしているイベントです。
私はSUMMER SONICやLOUD PARK(これは秋ですが)、オーストラリアのSOUNDWAVEなどによく行っていました。音楽フェスは好きなバンドを1日中(フェスによっては2日間、3日間)ずっと観て楽しめるお祭りです。
でも、こうしたフェスティバルは本当に儲かるのでしょうか?茨城県で行われた「ラッキーフェス」は、初年度に大きな赤字を出しましたが、その後の戦略で赤字を半分にしました。今回は、このフェスがどうやって成功へと進んでいったのかを見ていきます。
夏フェス市場の成長
夏になると、日本各地で音楽フェスが開催されます。コロナ禍を乗り越え、再び活気を取り戻している夏フェスは、多くの人々が参加して楽しんでいます。サマー・ソニックやフジロックなど、人気フェスは数十万人もの来場者を集めており、その数は増えています。
フェスの経済学
音楽アーティストにとって、フェスは大事な収入源となっています。2000年代に音楽CDの売上が激減したことで、アーティストはライブやグッズ販売で収入を得るようになりました。特に、ファンが「推し活」としてライブやフェスに参加し、グッズを購入することが、アーティストの収入を支えています。
ラッキーフェスの赤字の現実
茨城県で2022年に初めて開催された「ラッキーフェス」は、2日間で67組のアーティストが出演し、2万人が来場しました。しかし、フェスにかかった費用は7億4000万円で、4億円もの赤字が出ました。この赤字は、プロデューサーの堀義人さんが個人で負担しました。
赤字を半減させるための戦略
ふつうは、赤字が出たイベントは次の年に費用(かかるお金)を減らすことを考えますが、ラッキーフェスを主催するLuckyFM茨城放送は逆にフェスの規模を大きくしました。2023年にはステージの数を増やし、アーティストを106組に増やしました。その結果、売上が倍になり、来場者数も4万2000人に増加しました。この「来てくれる人を増やす」戦略により、赤字は2億円に半減しました。
フェスの成功は来場者数がカギ
2024年には、さらにステージを増やし、参加アーティストは114組に。推定来場者数は6万人に達し、売上も10億円を超える見込みです。これにより、最終的な赤字は約5000万円にまで縮小したと考えられます。
毎年の来場者数がフェスの資産となり、この成長がフェスの成功を支える鍵となっています。このように毎年の来場者数を増やすことで、フェスティバルが黒字化に向かう道が開けてきます。
まとめ
- 成功のカギ:来場者数の増加
- 初年度の赤字:4億円
- 次年度の戦略:規模を拡大
- 結果:来場者数が増加し、赤字が半減
夏フェスのようなイベントで成功するためには、来場者を増やすことがとても大切です。これは学校のバザーや文化祭でも同じです。「どうやって多くの人に来てもらうか?」を考えることが重要なのですね。
音楽フェスでどうやってもうけるのか、アーティストがどうやってお金をかせいでいるのかについても考えてみましょう。フェスやライブに行くことで、アーティストを応援することができるというのも興味深いですよね。
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