いつか国産牛乳が飲めなくなる?酪農家は15年間で半分以下に!
酪農家、15年間で半減以下に 飼料高騰で経営難、1万戸割れ|47NEWS(よんななニュース)
酪農団体でつくる中央酪農会議は2日、生乳の販売を受託する酪農家数が今年10月時点で前年同月比5.7%減の9960戸になったと発表した。09年10月時点の2万242戸から15年間で半数以下に減少した。 ...
牛乳は好きですか。毎日飲んでいるよ!という人もいるでしょう。
しかし、現在の日本の酪農家の数は約9960戸しかなく、これは15年前の約2万戸から半分以下に減っています。どんどん減ってしまっているのです。
その理由には、牛のエサ代が高くなったことや、酪農の経営が難しくなったことが挙げられます。このままでは、私たちが毎日飲む牛乳が不足する可能性があります。一体なぜこんなことが起きているのでしょうか?
酪農家が減る理由
1. 飼料代が高くなった
- 輸入に頼る飼料:
日本の牛のエサは、海外からの輸入に頼っています。でも円安(えんやす)の影響で、エサを買うためのお金が増え、20年前に比べて値段が約4割も高くなっています。 - 世界的な影響:
世界中で食べ物の取り合いが起きたり、エサを運ぶためのコストが増えたりして、さらにエサの値段が上がっています。
2. 光熱費(電気や燃料)が上がった
- 光熱費の上昇:
牛舎(牛が住む場所)や牛乳を冷やす機械には、たくさんの電気や燃料が必要です。でも原油の値段が上がったせいで、電気代や燃料代が3割以上も高くなりました。
3. 牛乳の値段があまり変わらない
- 牛乳の値段が安いまま:
スーパーで売られる牛乳の値段は、消費者が高い牛乳を買いたくないため、あまり上がりません。そのせいで酪農家に届くお金も増えにくいのです。
- 牛乳を飲む人が減った:
少子化で子どもが減り、牛乳を飲む人も少なくなりました。また、健康志向(けんこうしこう)で豆乳や他の飲み物を選ぶ人が増えているのも理由の一つです。
酪農家が大変な理由
1. コストが増えるけど収入は変わらない
牛を育てるための費用(エサ代や光熱費など)はどんどん増えているのに、牛乳を売って得られるお金はあまり増えません。そのせいで、多くの酪農家が赤字(使うお金が稼ぐお金より多い状態)になっています。
エサ代や光熱費が高くなる一方で、牛乳の販売価格はそのままなので、酪農家が手にできるお金が減っています。
2. 小さな牧場が効率よくできない
大きな牧場では、機械を使ったり牛の数を増やしたりして効率よく牛乳を作ることができます。でも、小さな牧場では新しい機械を買うお金が足りなかったり、地形や気候の影響でたくさん牛を育てるのが難しいことがあります。
3. 酪農の仕事がきつい
酪農の仕事は朝早くから夜遅くまで牛の世話をする必要があり、体力的にもとても大変です。さらに、休みがほとんど取れないこともあり、若い人がやりたがらないことが多いです。その結果、後を継ぐ人も減っています。
日本の牛乳市場における国産の割合
日本で売られている牛乳は、すべて日本の牧場で作られています。これは、牛乳が鮮度を保つために遠くから輸入するのが難しいからです。つまり、私たちが飲む牛乳は全部国産です。
でも、チーズやバターのような乳製品には、外国からの材料が使われていることもあります。これらを合わせた乳製品全体の自給率は59%にとどまっています。牛乳そのものは国産ですが、乳製品全体を見ると外国からの輸入に頼っている部分が多いことがわかります。
酪農家減少による影響
1. 牛乳不足の可能性
酪農家が減少すると、国産牛乳の供給が追いつかなくなる恐れがあります。
2. 国産の価値が危うくなる
国産の牛乳や乳製品の安定供給が難しくなれば、私たちが日常的に手にする食品の多くが海外頼みになってしまうかもしれません。
3. 地域社会への影響
酪農は地域での仕事や生活にとっても大事です。酪農家が減ることで、地域の仕事やお店にも影響があります。
まとめ
- 日本の酪農家は15年間で約2万戸から半分以下の約9960戸に
- 飼料代や光熱費の高騰、収入の低迷が原因で、多くの酪農家が経営に苦しんでいる
- 牛乳不足や地域経済への悪影響が心配されている
- 日本の牛乳は100%国産だが、乳製品全体では自給率が59%
酪農家が減少すると、私たちの生活にどんな影響があるか、考えてみましょう。牛乳がもっと高くなったらどう思いますか?また、酪農家が減ったら地域の仕事やお店にどんな影響があるでしょうか?
「安さ」を求めることは、消費者としてはおかしくありません。でも「安い」ということは作っている人にもあまりお金が入らないということです。「安い」ことは世の中にお金が回らないのです。それは本当に社会にとって良いことなのでしょうか。
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