神戸市「公立中学校の部活動は地域クラブへ移行します」

神戸市内の公立中「部活動」終了へ 地域のスポーツ団体等のクラブ活動に移行 全面移行は政令市で全国初 | 関西のニュース | ニュース | 関西テレビ放送 カンテレ

神戸市は、再来年度から公立中学校の部活動を終了し、地域のスポーツ団体などによるクラブ活動に移行することを決めました。 平日も含めた全面移行の試みは、政令市では全国で初めてです。 神戸市教育委員会によると、市内全ての公立中学校で、2026年8月までに学校単位での部活動をすべて終了するということです。 終了後は、地域のスポーツ団体などが運営主体となり、学校施設などを利用するク…

神戸市は、2026年8月までにすべての公立中学校で部活動を終了し、地域のスポーツクラブに移行する計画を発表しました。この取り組みは、少子化や教師の働きすぎ問題を解決するためのもので、全国で初めての試みです。

なぜ部活動が変わるの?

少子化で部活動が続けられない
少子化の影響で、部員の数が減り、学校単位で活動するのが難しくなっています。例えば、野球部やサッカー部など人数が必要な部活では特に問題が大きいです。

教師の働き方を見直すため
部活動の指導は、教師にとって大きな負担です。授業だけでなく、練習や大会の引率、休日の活動もあります。このため、教師の働き方を改善するために、部活動を地域のクラブに任せる動きが広がっています。

日本の教師の仕事量はどのくらい?

日本の教師は、授業以外にも非常に多くの仕事を抱えています。文部科学省の調査では、教師の約60%が「業務量が多すぎる」と感じており、特に中学校では平均勤務時間が週62時間に達しています。以下は主な仕事内容です。これ以外にも細かい作業を含め、いろいろとあります。

  • 授業準備:教材作成や指導計画の作成
  • 生徒指導:生活指導や進路相談
  • 部活動指導:休日を含む練習指導や大会の引率
  • 事務作業:成績管理や報告書の作成、保護者対応

中学校教師の1週間あたりの勤務時間が他国と比べても多いことが問題視されています。特に部活動や事務作業が時間を圧迫し、教師の負担が大きくなっています。

クラブ活動の枠組み「KOBE☆KATSU」

神戸市では、「KOBE☆KATSU(コベカツ)」という新しいクラブ活動の枠組みを作ります。この仕組みでは、学校施設を活用し、地域のスポーツ団体が運営を担当します。クラブの種類やスケジュールはオンラインで確認でき、生徒や保護者が簡単に申し込める仕組みです。サッカーやダンスなど、興味に応じて多様な活動に参加でき、専門コーチの指導により質の高い体験が期待されています。

他の地域での取り組み

全国的に、少子化や教員の働き方改革を背景に、部活動の在り方を見直す動きが進んでいます。

福岡県宗像市
市のスポーツ部局が中心となり、地域スポーツクラブの設立と運営をサポートしています。これにより、休日の運動部活動を地域クラブに完全移行することを目指しています。

長崎県長与町
地域のスポーツクラブが主体となり、「長与町運動部活動地域移行推進計画」を策定し、2023年4月から休日の運動部活動をすべて地域スポーツクラブ活動に移行しました。

全国的な動き
スポーツ庁が公開している事例集では、全国各地で部活動の地域連携や地域クラブ活動への移行に向けた取り組みが紹介されています。これらの動きは、少子化や教員の働き方改革を背景に、部活動の在り方を見直し、地域と連携した新しいスポーツ環境の構築を目指すものです。

地域クラブのメリット
  • 多くの選択肢 学校では限られていた部活の種類が、地域クラブでは増える可能性があります。
  • 自分のペースで活動 自分のスケジュールに合わせて、活動を選べるようになります。
  • 専門のコーチから学べる 専門的な指導が受けられるので、技術向上が期待できます。
どんな課題があるの?

費用の問題
地域クラブに参加するには月謝が必要になる場合があります。例えば、月謝は1人あたり平均で5,000円から10,000円程度が一般的とされています。このため、家庭の負担が増えることが考えられます。特に複数の子どもが参加する場合や高額なクラブ活動を選択する場合、負担がさらに大きくなる可能性があります。

通いやすさ
クラブの場所が遠いと、通うのが難しい場合があります。移動手段をどうするかが課題です。

学校生活の一体感
これまでのようにクラスメートと一緒に活動する機会が減るため、学校生活でのつながりが弱まる可能性があります。

まとめ
  • 神戸市は全国で初めて、部活動を地域クラブに全面移行
  • 新しい仕組み「KOBE☆KATSU」によって、選択肢が広がる
  • 教師の働き方改革や少子化対策が目的だが、費用やアクセスの課題もある
  • 他の地域でも同様の取り組みが進行中
  • 地域クラブは、海外でも一般的な仕組みとして成功例が多い

新しいクラブ活動の仕組みについて、みなさんはどう思いますか?好きなスポーツや新しい趣味を始めるチャンスになるかもしれません。
また、学校の先生がどんな仕事をしているのか、注目したり、実際に聞いてみたりしてみてください。
この機会に、学校生活や趣味の時間の使い方について考えるのも良いですね。

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