Uber Eatsが届かない:報酬が減って配達員がいないから?

Uber Eatsで年末年始に配送遅延などのトラブル 配達員の報酬は「下げていない」とUber Japan - ITmedia NEWS

 Uber Japanは、フードデリバリーサービス「Uber Eats」で、2024〜25年の年末年始に発生していた商品の配達遅延やキャンセルについて、注文の需要が配達の供給を大きく上回ったことが原因と明かした。配達員の報酬水準は下げていないとしている

Uber Eatsは、便利さと効率性を提供するサービスとして知られています。2024年には国内のフードデリバリー市場が前年比20%増加し、1,200億円規模に達したというデータがあります。
しかし、その裏には、配達員の報酬や働く環境の問題、利用者の不満、さらには年間で数十トンに上るとされるフードロスといった課題が隠れています。
年末年始、Uber Eatsが「待たされた挙げ句にキャンセルされた」「届くのがすごく遅い」というSNS投稿が増えました。配達員からも「報酬が減った」との意見も聞かれます。

配達報酬の仕組み

基本報酬
Uber Eatsの配達報酬は、以下の要素で決まります。

  • 配達にかかる時間
  • 配達先までの移動距離
  • 配達員の需要と供給のバランス

これらの要素に基づいて、公平でわかりやすい報酬体系が作られていると言います。

配送調整金額
特定の状況では、追加で調整金額が支払われます。配達員が不足しているときは報酬が20〜30%増えることがあり、通信が混雑している時間帯には固定の加算金が適用されることがあります。

年末年始の報酬調整と配達状況

年末年始には、報酬アルゴリズムの変更についての公式発表はありませんが、SNSでは報酬が引き下げられたとの声が多く聞かれました。
その結果、配達員不足や配達の遅延、キャンセルが増えたと指摘されています。一方で、2024年12月16日から2025年1月5日の間、特別インセンティブが設定され、通常の週間クエストが一本化されたという情報もあります。

Uber Eats Japanは、報酬が「下がっていない」としていますが、詳細は不明です。

現在の問題

コロナ禍からの変化
コロナ禍では配達需要が急増し、一部の配達員は月収100万円を超えるケースもありました。しかし、現在は需要が落ち着き、競争の激化や報酬アルゴリズムの変更により、多くの配達員が収入減少を訴えています。

報酬の低下とその理由
配達員の報酬低下には、以下の要因があります。

  • 需要の減少:外出自粛が解除され、デリバリー需要が減少
  • 配達員の増加:競争が激化し、1人あたりの注文数が減少
  • 報酬アルゴリズムの変更:移動距離が長い注文の報酬が低下
  • 競合他社の台頭:市場競争が激しくなっている

利用者の不満
2024年の調査によれば、注文の約15%が配達遅延やキャンセルに直面しており、SNS上でも多くの議論がされています。特に以下の理由が問題とされています。

  1. 配達員が見つからない:一定時間が経過すると自動キャンセル
  2. 商品の売り切れ:店舗側で在庫がなくなる
  3. 閉店時間直前の注文:店舗が対応できずキャンセル
フードロスの問題

配達遅延やキャンセルが増える中、食品廃棄が深刻な課題となっています。2024年には、年間で30トンを超える食品廃棄が報告され、特に都市部でのデリバリー注文が原因とされています。

フードロス発生の流れ

  1. 注文受領と調理開始:店舗が注文を受けると、すぐに調理を開始
  2. 配達員不足:配達員が確保できない
  3. 注文キャンセル:一定時間後に自動キャンセル
  4. 食品廃棄:調理された食品が廃棄される

これにより、飲食店の経済的損失と環境への負担が増大しています。

まとめ
  • 配達報酬は基本報酬と調整金額で成り立っている
  • コロナ禍では高収入だった配達員も、現在は低賃金で苦しんでいる人もいる
  • 利用者の不満やフードロスの問題が拡大

配達で食べ物が届く便利さの背景には、配達員の存在が欠かせません。ネットショッピングも同じで、荷物を運ぶ配送ドライバーや倉庫のスタッフがいなければ成り立ちません。
この問題、解決するにはどうすればよいでしょうか。
Uber Eatsもお金をかせぐ必要があります。しかし、配達してくれる配達員への報酬が適切でなければ、配達員が減ってしまい、その結果Uber Eatsもかせげなくなります。なにを大事にすべきか、という経営の問題でもありますね。

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