金・銀・銅の価格上昇中!貴金属の値上がりの理由は?
シティ、金価格の予想引き上げ 関税懸念や中銀需要が要因 | ロイター
シティ・リサーチは6日、3カ月および2025年の金の平均価格の見通しを引き上げた。トランプ米政権下での関税措置や国際情勢を巡る懸念のほか、中央銀行による買い入れを要因に挙げた。
最近、金や銀、銅の価格上がっています。そして、これらの金属は、経済の動きや私たちの生活に大きな影響を与えています。
金・銀・銅の価格がなぜ変動するのか、その理由と影響を考えてみましょう。また、それぞれの金属の役割や投資対象としての魅力についても考えてみましょう。
金価格の上昇理由と影響
金価格の上昇理由
金価格が上昇する主な理由は、不安定な世界情勢(戦争や経済危機など)です。
貿易摩擦や政治的な緊張が高まると、人々は「安全資産」として金を購入します。最近では、アメリカの関税政策や国際的な不安定さが原因で、多くの投資家や国が金を買い求めています。
さらに、中国やインドなどの新興国の中央銀行も、外貨準備として金を大量に購入しています。
例えば、中国人民銀行は2023年に100トン以上の金を追加購入し、インド準備銀行も2024年に50トン以上の金を取得しました。これは、「脱ドル化」の動きの一環として、外貨以外の資産を確保する目的があります。
このような需要増加が、金価格を押し上げています。
金価格上昇の影響
金価格の上昇は、次のような影響をもたらします:
- 投資家への影響: 投資家は資産保全のために金を購入し、他の金融市場にも影響を与えます。
- 一般消費者への影響: ジュエリーや電子機器など、金を使った製品の価格が上昇します。
- 国家経済への影響: 金を保有する国の財政基盤が強化される一方、新興国では購入コストが増大する可能性があります。
銀と銅も注目される理由
銀の特徴と価格の動向
銀は金と同じく「貴金属」に分類されますが、価格は比較的安く、1グラムあたり約1,000円程度で取引されています。また、ジュエリーだけでなく、太陽光パネルや電子機器などの工業用途にも広く活用されています。
最近では、安全資産としての需要増加や工業用途での利用拡大により、銀価格も急騰しています。
2020年には1オンスあたり約18ドルだった銀価格が、2024年には30ドルを超える水準に達しました。2024年後半から2025年初頭にかけても約3割上昇すると予測されており、多くの投資家から注目されています。
銅の特徴と価格の動向
銅は主に工業用金属として利用され、電気自動車(EV)や再生可能エネルギー施設の普及に伴い、その需要が拡大しています。
銅価格も近年高騰しており、2024年にはロンドン金属取引所(LME)で1トンあたり約11,000ドル(約165万円)の過去最高値を記録しました。特に、EVの生産増加により銅の使用量が大幅に伸びているため、今後も価格の上昇が続く可能性があります。
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金・銀・銅への投資と日常生活への影響
投資対象としての魅力
これらの金属は、それぞれ異なる特徴を持ちながらも投資対象として注目されています。
- 金: 安全資産として価値が安定し、不況時にも強い。
- 銀: 比較的安価で、小口投資家でも始めやすい。
- 銅: 工業用途での需要拡大により、中長期的な成長性が期待される。
(ここは大人向けです)
ETF(上場投資信託:株式や金属などに分散投資できる金融商品)やCFD(差金決済取引:少額の資金で取引できる投資方法)を通じて、間接的に投資する方法もあります。
ETFは複数の銘柄をまとめた投資商品で、少額から分散投資が可能です。例えば、金ETFを購入すると、金の価格に連動したリターンを得ることができます。
一方、CFDは証拠金を使い、少ない資金で大きな取引ができる仕組みです。ただし、レバレッジを活用するため、利益だけでなく損失のリスクも高くなります。
日常生活とのつながり
これらの金属は、私たちの生活にも深く関わっています。例えば:
- スマートフォンやパソコンには少量ながら金や銀が使用されています。
- 電線やモーターには銅が不可欠です。
- 太陽光パネルには銀が使われ、再生可能エネルギーの普及に貢献しています。
まとめ
- 金は安全資産として、世界情勢の不安定な時期に需要が高まる
- 銀は工業用途と投資対象の両面で重要な役割を持つ
- 銅は脱炭素社会への移行に伴い、長期的な需要増加が見込まれる
- これらの金属は、私たちの日常生活にも深く関わっている
お小遣いやアルバイト代で金・銀・銅のような貴金属への投資を始めるときは、「どんな場面でこれらの金属が使われているか」を調べてみてください。
例えば、金はジュエリー(指輪やネックレス)や金融資産(銀行の金保管)、銀は太陽光パネルや電子機器(スマートフォンやパソコン)、銅は電線(家の配線)や自動車に使われています。
価格変動の要因を調べるには、金融ニュースサイト(Yahoo!ファイナンスやブルームバーグなど)や中央銀行のレポート(日本銀行の公式サイト)を参考にすると良いでしょう。それぞれの価格変動要因を理解することで、経済全体の動向を読む力が身につくでしょう。
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