教師になりたい人へ!社会人採用や大学院で免許を取る新しい道

大学院の学び直しで教員免許 社会人の転職後押し―文科省:時事ドットコム

文部科学省は、大学院で学び直した社会人が教員に転職しやすい環境を整備するため、現行の免許制度の見直しを検討する方針だ。大学の学部段階で教職課程を履修していなくても教員免許が取得できる仕組みを設け、社会人の教育現場への参入を後押しする。

日本の学校では、先生の数が足りないという問題が深刻化しています。

2024年度の公立学校教員採用試験の倍率は3.2倍と過去最低を記録し、2000年代の平均約5倍と比較して大幅に低下しました。全国の51%の学校で少なくとも1人の教員が不足していると報告されており、特に地方や特別支援学校ではその影響が大きくなっています。
2024年10月時点では全国に4,739人の未配置教職員がいるとされ、多くの学校が臨時講師や非常勤講師で対応しています。

教員不足の原因

労働環境の厳しさ
教師の仕事は非常に忙しく、授業の準備や部活動の指導、書類作成など多くの業務をこなさなければなりません。そのため、毎日遅くまで働く先生も多く、負担が大きくなっています。

給与と待遇の問題
教師の給料が他の仕事と比べて低いと感じる人も多く、一般の会社に就職する人が増えています。特に若い先生の中には、働き始めてすぐに辞めてしまう人も増えており、これがさらに教員不足を深刻化させています。

社会の変化
少子化が進む一方で、特別支援教育のニーズが高まり、特定の分野で教員不足が目立っています。また、都市部と地方の間で採用状況に大きな差があり、地方の学校では採用が難しくなっています。

社会人を教師にする制度

教員不足を解消するために、社会人を教師として採用する制度が拡大しています。

特別免許状とは?
特別免許状は、教員免許がなくても専門知識や技能を持つ人が教師になれる制度です。各都道府県の教育委員会が授与し、福岡県や滋賀県などで導入されています。

社会人特例選考とは?
東京都や大阪府では、企業での経験を持つ人を対象にした「社会人特例選考」を実施しています。さらに、福岡県ではITや医療分野の専門知識を持つ人を対象とした特別枠を設けるなど、自治体ごとに異なる取り組みが進められています。
これにより、教育業界未経験の人でも採用試験を受けやすくなっています。

大学院で学び直して教師になる道

文部科学省は、新たに大学院で教職課程を履修し、教員免許を取得できる制度を検討しています。2026年度までに具体化される予定で、学部で教職課程を履修していなくても、大学院で必要な単位を取得すれば教師になれる仕組みです。

大学院制度のメリット

  • 社会人がキャリアチェンジしやすい
  • より専門的な知識を持つ教師が増える
  • 教育の質の向上が期待できる
未来の先生になるために

中高生の皆さんが教師を目指す場合、一般的な流れは次のとおりです。

  1. 大学や短大で教職課程を履修(教育学部などで学ぶ)
  2. 教員採用試験に合格(各都道府県の試験を受ける)
  3. 教師として勤務開始(学校で実際に働く)

最近では、一般企業で働いた後に教師になる人も増えています。例えば、2023年度には東京都の公立学校で採用された新任教員の約15%が社会人経験者でした。また、福岡県では、企業での実務経験を生かせる特別採用枠を設け、年間約50人の社会人教員を受け入れています。
自分の得意分野を活かせる仕事として、教師の道を考えてみるのもよいかもしれません。

まとめ
  • 2024年の教員不足は深刻で、全国の学校に影響を与えている
  • 特別免許状や社会人特例選考など、社会人を教師に採用する制度が増えている
  • 大学院で教職課程を学ぶことで、社会人が教師になる道も開かれる予定
  • 中高生が教師を目指すには、大学の教職課程を履修し、教員採用試験に合格するのが一般的

教師は未来をつくる大切な仕事です。子どもたちができることを増やしたり、自信を持てるようになったりするのを間近で見られるのは、とてもやりがいがあります。しかし、働く環境の厳しさや給与の問題で、なり手が減っている現状があります。もし、あなたが教師になったら、どんな授業をしてみたいですか?

それでは、教師不足の問題を解決するためには、どんなことができるでしょうか?以下のような方法が考えられます。

  • 労働環境の改善:教師の業務負担を減らし、働きやすい環境を整える。
  • 給与や待遇の向上:他の職業と比較して魅力的な給与体系を整える。
  • 社会人経験者の積極採用:特別免許状や特例選考の枠を拡大し、多様な経歴を持つ人材を確保する。
  • 教育のデジタル化推進:オンライン授業やAIを活用し、教師の負担を軽減する。

みなさんは、どの方法が一番よいと思いますか?家族や友達と話し合ってみましょう。

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