ポケモンGOの行方は？ナイアンティック社の売却とサウジアラビアの狙い

2025-02-22

「ポケモンＧＯ」ナイアンティック、ゲーム部門売却合意近い－関係者 - Bloomberg

2016年に大ヒットした「ポケモンＧＯ」を開発した米ナイアンティックが、サウジアラビア系スコープリーにビデオゲーム事業を売却する方向で交渉している。協議に詳しい複数の関係者が明らかにした。

スマートフォンゲーム「ポケモンGO」はみなさん知っているのではないでしょうか？2016年に登場以来、世界中で大人気となり、今でもプレイしている人が多いこのゲームに、大きな変化が起きようとしています。
ポケモンGOを開発したナイアンティック社が、ゲーム事業を別の会社に売却しようとしているのです。その背景には、新しいゲームをヒットさせるのが難しくなり、会社の経営を見直す必要が出てきました。さらに、ゲーム業界全体が競争の激化に直面していることも影響しています。

この出来事は、ゲーム業界だけでなく、世界経済にも影響を与える可能性があります。なぜこの売却が進められているのか、そして今後の影響について考えてみましょう。

ポケモンGOとナイアンティックの歴史

ポケモンGOは2016年に登場し、スマートフォンの位置情報を活用して現実世界を歩きながらポケモンを捕まえるという新しい遊び方で大ヒットしました。累計ダウンロード数は10億件を超え、社会現象にもなりました。

このゲームを開発したのはアメリカのナイアンティック社です。同社はポケモンGOの成功後、他のゲームも開発しましたが、同じような人気を得ることができませんでした。そのため、経営の立て直しが必要になったのです。

売却の背景と買い手の正体

売却の理由

新しいゲームをヒットさせるのが難しくなった
経営の効率化が求められていた
ゲーム業界全体の競争が激しくなった

買い手について

サウジアラビア政府と関係のある企業「スコープリー」が買収を検討
売却額は約5300億円（過去の大手ゲーム会社の買収額と同規模）
サウジアラビアはゲーム産業への投資を拡大中

ナイアンティックは、ゲーム事業を売却しようとしています。買収を検討しているのは、サウジアラビア政府と関係のある企業「スコープリー」です。売却額は約5300億円とされ、これは過去に行われた有名なゲーム会社の買収額と同規模です。
例えば、2020年にマイクロソフトがゼニマックス・メディアを約7500億円で買収したケースと比較すると、今回の取引もゲーム業界における大規模なものだといえます。

ナイアンティックはポケモンGO以降の新作ゲームで成功を収めることができず、経営の効率化を進める必要がありました。そのため、ポケモンGOの事業売却を決断したのです。一方、スコープリーは、サウジアラビアの資金を活用してゲーム業界に本格的に進出しようとしています。

サウジアラビアの投資戦略

ビジョン2030とは？
サウジアラビアは「ビジョン2030」という計画を進めていて、石油に頼らず成長することを目指しています。これは、石油に頼らない経済を作るための長期的な戦略です。その一環として、エンターテインメントやゲーム産業にも投資を行っています。

石油に頼らず経済を成長させるための長期計画
エンターテインメントやゲーム産業にも投資を拡大

投資の具体例
サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコは、化学企業SABICの株を買収しました。これは、石油以外の産業への投資を強化し、持続可能な経済成長を目指す戦略の一環です。また、同国の公共投資基金（PIF）は、大手ゲーム会社にも投資を行い、世界のゲーム市場で影響力を強めることで、国内のデジタル産業の発展を後押ししようとしています。