ナイアンティックがポケモンGOなどゲーム事業を売却!
人気ゲーム『ポケモンGO』に大きな変化が訪れています。これらのゲームを開発・運営していたナイアンティック社が、ゲーム部門を35億ドル(約5250億円)で売却することを決定しました。この決定の背景には、企業戦略や国際経済の影響が関係しています。
ナイアンテックのゲーム事業売却の理由や今後の展開について、経済・金融の視点からも考えてみましょう。
ナイアンティックがゲーム事業を売却する理由
ナイアンティック社はGoogle出身のジョン・ハンケ氏が設立した企業で、位置情報技術に強みを持っています。『ポケモンGO』はその技術を活かして大ヒットしましたが、その後のゲームでは同じ成功を収めることができませんでした。今回の売却の背景には、「選択と集中」という経営戦略があります。
企業が持つリソースを得意分野に集中させることで、さらなる成長を目指す考え方です。ナイアンティックは、ゲーム開発よりも地理空間技術(ジオスペーシャルAI)の研究に注力するため、ゲーム事業を売却しました。
売却先と今後のゲーム運営
売却先はScopelyという会社で、サウジアラビア政府系ファンドの支援を受けています。『ポケモンGO』の開発・運営チームはそのまま移籍し、ゲームの継続が確約されています。Scopelyはゲーム運営の専門企業であり、今後のサービス向上も期待できます。
今回の売却は『ポケモンGO』『モンスターハンターNow』『ピクミンブルーム』の3つのゲームと関連アプリが対象です。
ナイアンティックは新会社「Niantic Spatial Inc.」を設立し、AIが現実世界を理解する技術の開発を進めます。この技術は、自動運転車やARメガネなど、さまざまな分野で応用される可能性があります。
35億ドルの価値とは?
35億ドル(約5250億円)は、日本の中小企業数百社分に相当する巨額です。この高額な取引の背景には、『ポケモンGO』の安定した収益があります。現在も年間約10億ドル(約1500億円)を生み出しており、3.5年で投資回収が可能な計算になります。
この取引は「M&A(企業の合併・買収)」の一例であり、企業がそれぞれの強みを活かすために行われました。ナイアンティックは技術開発に、Scopelyはゲーム運営に特化することで、双方にメリットがあります。

サウジアラビアのゲーム投資戦略
Scopelyを支援するサウジアラビア政府系ファンドの動きも注目されています。サウジアラビアは「Vision 2030」という計画の一環として、石油に依存しない経済への転換を進めています。そのため、エンターテイメントやデジタル産業への投資を拡大しています。
同国はすでにNintendoや他のゲーム企業にも出資しており、ゲーム市場での影響力を強めています。こうした国際的な資金の流れは、グローバル経済の重要なポイントです。
まとめ
- ナイアンティックはゲーム部門を35億ドルで売却し、地理空間技術の研究に集中。
- ゲームの開発・運営チームは移籍し、サービスの継続が確約。
- 「選択と集中」という経営戦略が今回の決断の背景。
- サウジアラビアは石油依存からの脱却を目指し、ゲーム産業に投資。
- AR技術の発展は自動運転やスマートシティなど多くの分野で応用可能。
私たちが日常的に楽しむゲームの背景には、こうした大きな経済の動きがあります。好きなアプリやサービスがどのような会社によって、どんな目的で運営されているのかを考えると、新たな視点が得られるかもしれません。未来のビジネスや技術開発に興味を持つきっかけとして、こうしたニュースをチェックしてみてください。

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