バークシャーが三菱商事を9.67%保有!投資の神様の狙いとは

米バークシャーによる株買い増し、「戦略に信任得ていると理解」=三菱商事社長 | ロイター

三菱商事の中西勝也社長は2日の決算会見で、大株主の米投資会社バークシャー・ハサウェイについて、「買い増しもしてもらっており、戦略面、経営のやり方について信任を得ていると理解している」と語った。「協業も模索している」とした。

みなさんは「投資の神様」と呼ばれるウォーレン・バフェット氏を知っていますか?彼が率いるアメリカの大手投資会社バークシャー・ハサウェイが、数年前から日本の大手商社の株を買い始め、最近もその動きを加速させていることをご存じでしょうか?

たとえば、三菱商事や三井物産といった有名企業の株を段階的に買い増しており、直近でも持ち株比率をさらに高めたことが明らかになっています。

なぜアメリカの投資家が日本企業にこれほど注目しているのか?また、バフェット氏の行動が株価や社会にどんな影響を与えるのか?この記事では、バークシャーと日本の商社のつながりや、投資が社会に与える効果について考えてみます。

バークシャー・ハサウェイってどんな会社?

バークシャー・ハサウェイはアメリカの大手投資会社で、会長を務めるのが「投資の神様」として知られるウォーレン・バフェット氏です。バフェット氏は、短期的な利益ではなく、将来性のある会社を見つけて長期的に株を保有する「長期投資」のスタイルで知られています。

このため、バークシャーが株を購入した会社は「将来有望だ」と見なされ、多くの投資家が注目するきっかけになります。

なぜ日本の商社に注目?

バークシャーは2025年3月の時点で、三菱商事の株式の9.67%を保有しています。また、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅という「五大商社」の株式も同様に買い増しています。

これらの商社は「総合商社」と呼ばれ、エネルギー、資源、食品、機械など幅広い分野でビジネスを展開しています。事業の多様性や世界的なネットワークにより、景気の影響を受けにくく、安定した利益が期待できます。また、最近は株主への配当を増やしており、投資家にとって魅力的な企業となっています。

バークシャー・ハサウェイが日本の五大商社の株を買い始めたのは、2019年7月ごろからです。その後、2020年8月に大きな投資を行ったことが公表され、以降も段階的に買い増しを続けてきました。

直近の買い増しでは、2025年3月17日付の報告書で、三菱商事や三井物産などの持ち株比率がさらに引き上げられたことが明らかになっています。具体的には、三菱商事の保有比率は8.31%から9.67%、三井物産は8.09%から9.82%など、各社で1ポイント前後増加しています。

つまり、最初の大きな買いは数年前ですが、2024年から2025年にかけても追加で買い増しが続いているのが現状です。最近も動きがあるため、今後も保有比率がさらに増える可能性があります。

株を買うとどんな影響があるの?

バークシャーのような大手投資家が株を買うと、株価が上昇することが多いです。なぜなら、「バフェット氏が投資したなら、この会社は良い会社だ」と考える人が多くなり、同じ株を買おうとするからです。

実際に、バークシャーの買い増しの発表後、五大商社の株価は大きく上がりました。株価が上がると企業は資金を集めやすくなり、新しい事業や技術開発に使うことができます。

また、大量の株を保有する「大株主」は経営にも影響を与える力を持ちます。三菱商事の中西社長は、「経営を信頼してもらえた証」と述べ、バークシャーとの協業の可能性にも言及しています。

バフェット効果とは?市場全体への影響

ウォーレン・バフェット氏の動きは、投資家に大きな影響を与えます。バフェット氏が日本の商社株を買ったというニュースは、「日本企業に将来性がある」と受け取られ、多くの投資家が同様の動きを見せました。
このような現象を「バフェット効果」や「ハロー効果」と呼ぶこともあります。信頼される人の行動が、他の人の判断に影響を与えることを意味します。
今回の買い増しをきっかけに、海外の投資家も日本の商社株に注目し、買い注文が増えたことが株価のさらなる上昇につながりました。

過去にもあった!有名投資家による株価の変動

バフェット氏のように、有名投資家の行動が株価に大きな影響を与えた例は過去にもあります。たとえば、「村上ファンド」の村上世彰氏がある企業の株を買ったと発表しただけで、その企業の株価が急上昇したことがありました。
最近では、個人投資家の井村俊哉さんがある企業について発言したり、イベントに登壇しただけで株価が大きく変動することもあります。
このように、有名な投資家の動きは、情報が瞬時に広がる現代では特に大きな影響力を持っています。

まとめ
  • バークシャー・ハサウェイは日本の五大商社の株を買い増した
  • 総合商社は事業の幅が広く、安定した収益が期待される企業
  • 有名投資家が株を買うと株価が上がる「バフェット効果」が起こることがある
  • 株価上昇は企業の成長チャンスを広げる
  • 有名投資家の発言や行動は株式市場全体にも大きな影響を与える

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今回のニュースをきっかけに、「この会社はどんな事業をしているの?」「どんな人が応援しているの?」「最近のニュースは?」と調べてみると、経済がぐっと身近に感じられるはずです。ニュースサイトやSNSで情報を集めながら、自分なりの興味や疑問を探してみましょう。それが将来の選択や社会理解にもきっと役立ちます。