警察や市役所からの電話がニセモノ!? 急増する電話スプーフィング詐欺に注意
ASCII.jp:オレオレ詐欺の新たな手口「電話スプーフィング」って?
電話スプーフィングの増加によって、「たとえ警察からの電話だと認識しても、話を聞いたらいったん電話を切って(自力で検索した部署電話に)折り返す」も追加する必要があるようだ。
「警察署」や「市役所」から突然電話がかかってきたら、あなたはどう感じますか?一見すると本物のように見える番号でも、実は詐欺の一部かもしれません。
近年、電話番号を偽装して本物そっくりに見せる「電話スプーフィング」という詐欺が急増しています。家族や役所の番号が表示されても、それだけで信じてしまうのはとても危険です。
私たちをだまそうとする、最新の詐欺手口やその仕組み、自分や家族を守る方法を紹介します。
電話スプーフィングとは?
発信者番号を偽装する仕組み
電話スプーフィングとは、電話をかける際に本来の番号とは異なる番号を着信画面に表示させる技術です。たとえば、詐欺師が自分の番号を「警察署」や「役所」に偽装して電話をかけてきます。相手の画面には本物のような番号が表示されるため、つい信じてしまいます。
技術の悪用と簡単な実行方法
この手口は、VoIP(インターネット電話)や専用ソフト、なりすましサービスを使って行われます。発信者番号を自由に設定できるため、誰でも簡単に番号を偽装できるのが大きな問題です。
進化するオレオレ詐欺の手口
公的機関や弁護士へのなりすまし
最近のオレオレ詐欺では、息子や孫だけでなく、警察官や市役所職員、弁護士などを名乗るケースも増加しています。「○○警察の△△です」と名乗り、個人情報を巧みに引き出そうとします。話し方や情報の正確さで、あたかも本物のように感じさせるのが特徴です。
劇場型の巧妙な演出
犯人グループが複数人で役割を分担し、あたかもドラマのような流れを作る「劇場型詐欺」もあります。「事故を起こした」「急いでお金が必要」などと緊急性を強調し、冷静な判断をさせないのが特徴です。「声が違うのは風邪のせい」と言い訳することもあります。
電子マネーやカードも標的に
現金だけでなく、電子マネーの番号やキャッシュカード、暗証番号をだまし取るケースも見られます。警察や銀行が電話で暗証番号を聞いたり、カードを預かることは絶対にありません。

被害を防ぐためにできること
スマホの機能やアプリを活用
大手携帯キャリアが提供する「迷惑電話ブロック」などの機能や、「Whoscall」などのアプリを使って、着信時に発信者の情報や危険性を確認しましょう。これらはスマートフォンの設定やアプリストアから簡単に導入できます。
着信拒否と非通知のブロック
スマートフォンには、特定の番号や非通知からの着信を拒否する設定があります。iPhoneやAndroidの設定から簡単に管理できるので、ぜひ活用してください。
不審な電話には出ない、かけ直す習慣を
知らない番号からの電話には出ないか、一度切ってから自分で公式番号にかけ直すようにしましょう。電話番号だけで判断せず、お金や個人情報に関する内容は家族や信頼できる人に相談することが大切です。
二段階認証とパスワード管理の徹底
SNSやネットサービスの認証には、二段階認証を設定しておきましょう。パスワードは長く複雑なものを使い、パスワードマネージャーなどで安全に管理することが重要です。
社会の動きと今後の対策
最近では、警察や金融機関も電話スプーフィングに対して注意喚起を強化しています。海外では、STIR/SHAKENという発信者番号の認証技術が導入され、不正なスプーフィング通話を自動でブロックする仕組みが広がっています。日本でも通信事業者による技術的な対策が今後進められる見込みです。
まとめ
- 電話スプーフィングは、番号を偽って信じ込ませる新たな詐欺の手口
- 警察や役所の番号が表示されても、安易に信じないことが大切
- スマホのブロック機能やアプリを積極的に活用する
- 不審な電話は一度切って、公式番号にかけ直す習慣を身につける
- 二段階認証やパスワード管理を徹底
あなたのスマホに知らない番号から電話がかかってきたら、どう対応しますか?これからの時代は、表示された番号を信じるだけでなく、自分で確かめる力が必要です。家族や友達と、もしもの時にどうするか話し合ってみてください。だまされないために、今日からできることを考えていきましょう。