夏休みの自由研究で、「お金」や「働くこと」の本当の意味に迫ってみませんか。身近なスーパーの値引き、お金をつかわない1日の工夫、自分で決める時給体験など、ちょっと大人っぽいテーマにチャレンジすることで、社会や経済の仕組みがぐっと身近に感じられます。
なぜ値引きは起きるのか、なぜお金が必要なのか、働くことにはどんな価値があるのかを自分の目と頭で確かめ、考え、発見することで、世界を見る目が一歩深くなります。知的好奇心を刺激する自由研究で、新しい自分に出会いましょう。

地元スーパーの「値引きシール」観察記録

研究の目的

スーパーで見かける「値引きシール」には、お店の戦略や商売の工夫が詰まっています。なぜそのタイミングで値引きされるのか、どんな商品が選ばれるのかを観察すると、経済の動きや社会の課題(食品ロスなど)も見えてきます。

なにがわかる?
  • 値引きのタイミングや理由、商品ごとの違いがデータで分かります。
  • お店がどのように在庫や売上をコントロールしているか、商売の工夫を体感できます。
調べ方のステップ
  1. 観察するスーパーを決める
    家の近くや通学路のスーパーを選び、できれば2~3店舗で比べてみましょう。
  2. 観察する日と時間を決める
    平日夕方、土曜午前、閉店1時間前など、複数の時間帯を設定します。
  3. 値引きシールが貼られる商品と時間を記録
    お惣菜、パン、肉、魚など、どの商品に何時ごろシールが貼られるかをノートに記録します。
    例:お惣菜は夕方4~5時に1~2割引、夜7~8時に半額など。
  4. 値引きの理由や工夫を考察
    なぜその時間に値引きするのか、天気や曜日で違いがあるかを考えます。店員さんに理由を聞く場合は、必ずお店の許可をとりましょう。
  5. まとめ方のコツ
    時間ごとに表やグラフを作り、値引きの傾向を分析します。「夕方にお惣菜が安くなる理由」「雨の日は値引きが早い」など、発見を自分の言葉でまとめましょう。
研究で参考になるサイト
保護者のサポート
  • 観察や記録の際は必ず同行し、安全を確保してください。
  • 店員さんに質問する場合は、お店の方に事前に許可を取りましょう。
  • 表やグラフの作成を一緒に考えてあげると、まとめやすくなります。

「お金のない1日」チャレンジ

研究の目的

お金がなかったら、私たちの暮らしはどう変わるのでしょうか?
1日だけお金をつかわない生活に挑戦することで、普段当たり前に使っている「お金」の本当の価値や、工夫する力の大切さに気づくことができます。

なにがわかる?
  • お金がなくても楽しめる方法や、知恵をしぼる大切さが体験できます。
  • 本当に必要なものや、家族や友達との協力の大切さを実感できます。
調べ方のステップ
  1. 家族でルールを決める
    「今日はお金を使わない日」と決め、どんなことならOKか話し合います。
    例:家にある食材だけでご飯を作る、外遊びはOK、交通費は使わないなど。
  2. 1日の計画を立てる
    朝から夜までの過ごし方を考えます。おやつや遊びも工夫してみましょう。
  3. 実際にチャレンジしてみる
    困ったことや工夫したことをノートに記録します。
    例:「冷蔵庫の残り物でカレーを作った」「友達と公園で遊んだ」など。
  4. 振り返り・まとめ
    1日終わったら、どんな工夫ができたか、何が大変だったか、どんな発見があったかをまとめます。
研究で参考になるサイト
保護者のサポート
  • チャレンジのルール決めや計画作りを一緒に考えてあげましょう。
  • 食材や遊びのアイデア出し、困ったときの声かけで子どもを励ましてください。
  • 振り返りのまとめでは「どんな工夫ができた?」「何が一番大変だった?」と問いかけてあげましょう。

「時給」を自分で決めてみる

研究の目的

自分でお手伝いの「時給」を決めて働いてみることで、働くことの大変さやお金の価値、計画性の大切さを実感できます。大人の世界をちょっと体験できるワクワク感もあります。

なにがわかる?
  • 仕事によって大変さや時間が違うこと、お金をもらうには努力が必要なことが分かります。
  • お手伝いを通じて、家族の役割や感謝の気持ちも育ちます。
調べ方のステップ
  1. 家でできるお手伝いをリストアップ
    例:食器洗い、洗濯物たたみ、掃除、ペットの世話など。自分ができそうなことを10個考えてみましょう。
  2. それぞれの「時給」を自分で決める
    例:食器洗いは10分で50円、掃除は15分で100円、洗濯物たたみは20分で80円など。家族と相談して決めましょう。
  3. 実際にお手伝いをしてみる
    どのくらいの時間がかかったか、どんな工夫や大変さがあったかを記録します。
  4. 合計金額を計算し、振り返る
    1週間や数日間続けてみて、どれくらいお金がたまったか計算します。「もっとがんばればたくさんもらえる」「大変な仕事ほど時給が高い」など、気づきをまとめましょう。
研究で参考になるサイト
保護者のサポート
  • 合計金額の計算や、どんな工夫ができたかの振り返りをサポートしましょう。
  • お手伝いリストや時給の決め方を一緒に考えましょう。
  • 実際のお手伝いの様子を見守り、頑張りをほめてあげてください。

さいごに

  • 観察や体験、データの記録や分析は、小学校高学年のみなさんにも挑戦しやすい自由研究の方法です。
  • 実際に自分の足で調べ、時系列で比べたり、内容をグラフや表にまとめたりすることで、新しい発見や疑問が見えてきます。
  • 便利なウェブサイトや動画教材も活用すれば、情報収集やまとめ方がさらに上手にできるようになります。
  • 「地元スーパーの値引きシール」や「お金のない1日」「自分で決める時給」の研究を通じて、身の回りにある経済や社会の工夫、売る人・買う人の気持ちや工夫も感じ取ることができます。
  • なぜその時間に値引きがされるのか、なぜ「お金」が必要なのか、どんなときに働くことがうれしいのか――そんな「なぜ?」を持つことが、自由研究を面白くし、もっと深い学びにつながります。
  • ぜひ家族や友達とも話し合いながら、感じたことや考えたこと、発見したことを自分の言葉でまとめてみましょう。

社会や経済のしくみは、決してむずかしいものではありません。自分が体験し、考え、伝えることで、新たな視点や興味がどんどん広がっていきます。みなさんの自由研究が、生活や学びの新しい一歩になることを願っています。