含み益40兆円超とされる日銀保有ETF、ついに売却開始決定!

日銀、金融緩和からの脱却加速へ ETF売却「100年以上必要」 | NEWSjp

日銀は19日の金融政策決定会合で、大規模金融緩和のために買い入れた上場投資信託(ETF)を市場で売却...

2025年9月、日本銀行(日銀)は、長年保有してきたETF(上場投資信託)の市場売却を始めると発表しました。2024年の「マイナス金利政策解除」に続き、日銀の金融政策は大きな転換点を迎えています。
なぜ日銀は巨額のETFを買い入れたのか、その目的と背景を確認しつつ、売却が市場や生活に与える影響を整理してみましょう。

日銀がETFを買い入れてきた理由

日銀は2010年12月からETFの買い入れを開始しました。当時の日本経済はデフレや景気後退で苦しんでいました。ETFを買うことで株式市場に安定した資金を流し、株価の急落を防ぐねらいがありました。
さらに投資家の心理を安定させ、企業や家庭にお金が回りやすくする効果も期待されていました。

nextfunds.jpより
ETF保有の状況と含み益

2025年時点で日銀は約37兆円分のETFを保有しています。時価は70兆円から86兆円と推計され、含み益は40兆円以上に達しています。
これは日銀が利益を目的に投資して得たものではなく、政策による株価上昇の結果です。金融政策の一環としての資産形成だといえます。

経済安定への効果

日銀がETFを買い入れることで、市場には「最後の買い手」が存在しました。そのため震災や不況時にも株価の急落が抑えられました。市場に資金が供給されたことで、企業の資金繰りや個人の消費活動も活発になりやすい環境が整いました。これが景気安定に寄与したとされています。

ETF売却のインパクト

2025年9月、日銀は年間3,300億円規模のETFを市場で売却することを決めました。発表直後には株式市場が反応し、日経平均株価が一時800円以上下落しました。投資家の心理に影響を与えたためです。
しかし売却規模は市場全体の0.05%程度であり、ペースも慎重です。長期的には市場への悪影響は限定的と考えられています。今後は市場が自律的に動く時代へと移行していくことになります。

金融政策の最新動向

2024年には「マイナス金利政策」が解除され、世界でもアメリカやヨーロッパが政策金利を調整しています。円安や世界的な市場変動のなか、日本の政策転換も国際的な視点から注目されています。
こうした背景を踏まえると、日銀のETF売却は単なる国内問題ではなく、国際金融市場とも関係していることがわかります。

まとめ
  • 日銀はデフレ対策の一環として2010年からETFを買い入れ
  • 2025年時点で約37兆円を保有し、含み益は40兆円以上
  • ETF購入は株価安定と経済活動の下支えに役立った
  • 2025年9月から年間3300億円規模の売却を開始
  • 短期的な市場への影響はあるが、長期では限定的
  • 世界の金融政策とも密接に関連している

株価や金利といった経済の話題は、みなさんの生活や将来に直結しています。例えばアルバイトの賃金、商品の価格、企業の元気さなどはすべて金融政策の影響を受けています。
ニュースで聞く「ETF」や「金利」という言葉を理解することは、自分の将来を考える手がかりになります。日銀の政策転換がこれから社会にどんな変化をもたらすのか、自分なりに調べて考えてみませんか。