ユニフォームの「切って返却」は撤回!閉幕する大阪・関西万博が教えるリサイクル
「切ってから回収」取りやめ 万博パビリオンユニホーム スタッフの心情配慮【知っておきたい!】【グッド!モーニング】(2025年10月12日) - YouTube
鮮やかな青と白のグラデーションが特徴的な、大阪・関西万博「大阪ヘルスケアパビリオン」のスタッフが着用するユニホーム。 そのユニホームの返却方法を巡り、「はさみで切ってから返却するように」という指示について「悲しすぎる」といった声が広がっていました。 吉村洋文大阪府知事が11日、この件についてXで言及。「もともと...
10月13日、大阪・関西万博は閉幕を迎えます。閉幕で話題となったのは、スタッフユニフォームの返却方法です。「はさみで切って返却してください」という運営側の指示に、多くの人が驚きと疑問の声をあげました。思い出が詰まった服を自ら壊すという行為に、SNS上でも議論が広がったのです。
その後、ルールは変更され、切らずに返却できるようになりました。万博のSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みと、リサイクル現場の実情を考えてみましょう。
ユニフォームを「切る」ように指示された理由
大阪・関西万博の大阪ヘルスケアパビリオンでは、スタッフに「ユニフォームをはさみで切って返却するように」と指示が出されました。理由は、リサイクル品であることを明確にして転売を防ぐため、また全員分を同時に回収できないためでした。
しかし、同じ万博内でもパビリオンごとに対応が異なり、ガスパビリオンでは企業を通して回収・再利用され、関西パビリオンの一部では「返却」か「記念として持ち帰り」を選べるケースもありました。
方針変更に動いた世論の声
「思い出が詰まった服を自分で壊すのはつらい」「もっと別の方法があるのでは」――そんな声が多く寄せられました。大阪府の吉村洋文知事もSNSで「おかしいのでは」と発言し、ニュース番組でも取り上げられました。
結果として、運営は2025年10月11日に「はさみで切らず、通常の状態で返却できるように変更する」と発表しました。この決定は、現場の声や世論の力が反映された形と言えます。
万博のユニフォームとリサイクルの仕組み
大阪・関西万博では、SDGsの理念を体験できるよう、環境に配慮した素材がユニフォームに使われています。たとえば「堆肥分解性ポリエステル」や「再生漁網素材」など、使い終わったあとも自然に戻る、または再利用できる素材です。
さらに、会場全体でリサイクルやリユース(再利用)を進め、食器や展示物まで循環型の取り組みを広げています。こうした仕組みを通して、参加者がSDGsを身近に感じられる設計になっています。
表面的?それとも本質的?問われるSDGsの姿勢
一方で、「リサイクルは本当に環境のためになっているのか」「ただのパフォーマンスに見える」という意見もあります。
たしかに、リサイクル素材を使うだけではSDGsの本質には届きません。しかし、今回のような議論が生まれたこと自体が、社会全体の意識を高める第一歩です。実際、素材開発や回収体制の改善など、技術面では確実に前進が見られます。
今後は、こうした実例が次のイベントや企業活動へどう活かされるかが注目されます。

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パリ五輪などでも、再生素材のユニフォームやリサイクル資源の活用が進んでいます。大阪・関西万博で採用された新素材や仕組みは、今後、他の国際イベントにも応用される可能性があります。リサイクルの輪は、日本だけでなく世界へと広がろうとしています。
まとめ
- 万博では環境に優しい新素材のユニフォームを採用し、リサイクルを推進
- 「切って返却」というルールは反対意見を受けて撤回
- SDGs活動には賛否があり、表面的ではない本質的な行動が求められる
- 万博の経験は、次のイベントや企業の環境戦略にもつながる
リサイクルやSDGsの取り組みは、見せかけではなく「続けること」に意味があります。みなさんが学校や地域で環境活動に参加するとき、「なぜこの方法なのか?」と考える姿勢が大切です。自分たちの行動がどんな影響をもたらすのかを考えながら、未来の地球を守る一員として行動していきましょう。