NOTTVの失敗からの再挑戦:ドコモ×WOWOW提携で進む?“体験価値”競争
NTTドコモとWOWOWがタッグ、共同でコンテンツを調達・制作 過去の「NOTTV撤退経験」生かせるか注目 - ITmedia Mobile
NTTドコモとWOWOWは11月4日、音楽ライブやオリジナルドラマ、スポーツなどの映像コンテンツ分野で業務提携契約を締結した。映像事業の拡大と顧客価値の最大化を目的に、両社が共同でコンテンツを調達・制作し、相互に提供していく。映像配信サービス「Lemino」とWOWOWの両方で多様なコンテンツを視聴できるようにする。
スマートフォンで動画を楽しむ人が増え、動画配信の競争が今日ますます激しくなっています。2025年11月4日、通信大手のNTTドコモと放送事業者のWOWOWは映像コンテンツ分野で業務提携を正式発表しました。音楽ライブやドラマ、スポーツなどを共同制作し、それぞれのサービスで視聴できる仕組みです。
かつてドコモは「NOTTV(ノッティーヴィー)」というスマートフォン向け放送サービスを運営していましたが、実現できたのは2012年4月から2016年6月まで。専用端末や市場の変化に対応できず、契約者数も伸び悩み、サービスは終了しました。今回の提携はその経験と教訓を踏まえた形となっています。
通信と放送の力を結集
本提携の中心は、ドコモの動画配信サービス「Lemino(レミノ)」とWOWOWの番組を強化し、両社で相互に取り扱うことです。音楽分野では2026年1月以降、DREAMS COME TRUEやMISIA、BE:FIRSTなどのライブ映像を共同制作。WOWOWの高いライブ収録力とドコモの通信技術、顧客基盤が統合されることで、どちらのプラットフォームからも視聴できます。
ドラマ制作では、WOWOWが制作した『連続ドラマW ゴールデンカムイ』に続き、俳優の織田裕二が主演する『北方謙三 水滸伝』を両社共同で制作。2026年2月15日から放送・配信予定です。さらに、NBAやUEFAチャンピオンズリーグなどのスポーツ中継も相互提供体制により幅広い番組が強化されます。
ドコモ社長の前田義晃氏は「WOWOWとの提携で、これまでとは違う感動と喜びを届ける」と表明。WOWOW社長の山本均氏は「通信と放送の融合によって新しいエンターテインメント体験を実現したい」とコメントしています。
NOTTVの教訓と今後の動画配信競争
NOTTVは地上アナログ放送終了で空いた電波を利用した日本初のスマホ放送でした。しかし、専用チューナー端末のみ視聴可能であったこと、オンデマンドサービスへの対応が遅かったこと、また、YouTubeなど既存無料サービスに押されたことで契約者数が思うように伸びませんでした。結局、4年間の運営で終了しました。
その反省から、ドコモは「自前主義」から脱却し、WOWOWという信頼ある放送プロと協業する方針へと変わりました。質の高い限定コンテンツや会員特典など、「ここでしか見られない体験」で差別化を狙っています。

動画配信市場の現状と提携の勝機
日本の動画配信市場は2024年で約5,710億円、利用者3,800万人以上と急拡大中です。NetflixやAmazonプライムなど大手の影響力が強いものの、近年はU-NEXTの急成長や、KDDI・楽天など通信×動画の「バンドルサービス」が主流になりつつあります。
ドコモとWOWOWの強みは、「高品質な独占番組」「通信契約者向けの特別体験」「スポーツやライブの独自放映権」などです。単なる価格競争ではなく、付加価値や限定感を前面に押し出す戦略で、サービス継続率と顧客満足を高めています。
まとめ
- ドコモとWOWOWが2025年11月4日に映像分野で業務提携を発表
- 音楽ライブ、ドラマ、スポーツなど共同制作・相互配信を開始
- 提携後は高品質・独占的なコンテンツや通信契約特典で勝負
- 動画配信市場は拡大中、通信事業者もバンドル戦略を強化
- WOWOWとの協業で「限定感」「体験価値」を明確に差別化
動画配信サービスは身近な存在ですが、選択肢が多いほど「本当に価値があるサービスは何か」を正しく判断する力が求められます。家庭でも、「どのサービスにいくら払っている?」「なぜそのサービスにした?」を話し合ってみてください。企業は過去の失敗から学び、戦略を変えて成長します。それを知ることは、経済の仕組みや消費者の選択の大切さを理解するきっかけです。このニュースを参考にして、家族でサービスの比較や使い方について考えてみましょう。

