東京23区の家族向けマンション家賃が手取りの半分に?企業も地方移転363社で過去最多

東京23区の家賃、世帯所得の4割超え マンション高騰波及で家計圧迫 - 日本経済新聞

不動産価格の高騰がマンション家賃に波及し、働く世代の家計を圧迫する懸念が強まってきた。東京23区ではファミリー層向けマンションの募集家賃が可処分所得の4割を超え、都心で手ごろな賃貸物件を探すのは難しくなりつつある。変動が少ないとされてきた家賃の本格的な上昇は新たなインフレ圧力になる。「出産などのライフステージの変化を考えると、家賃の高い東京に住み続けるのは難しい」。都内の1DKのマンションに暮

2025年前後の不動産関連ニュースでは、東京23区の賃貸住宅をめぐる話題が目立っています。特に、ファミリー向け物件の募集家賃が高い水準で推移していることが、家計や企業活動との関係で取り上げられています。一方で、地方では家賃が比較的抑えられている地域が多く、都市ごとの差もはっきりしてきました。こうした動きは、単なる「住まいの値段」の話にとどまりません。どこに住み、どこで働くかという選択や、企業が拠点をどこに置くかにも関わっています。なぜ、同じ国内でここまで違いが生まれるのでしょうか。数字を手がかりに、仕組みを整理していきます。

まずはクイズで考えてみよう

Q. 東京23区のファミリー向け賃貸マンション(専有面積50〜70平方メートル程度)の平均募集家賃は、2025年時点でどの水準に達したと報じられているでしょうか。

A. 約15万円
B. 約20万円
C. 約25万円

→ 正解はC. 約25万円 です。

報道や不動産情報会社の集計では、東京23区のファミリー向け物件の平均募集家賃が25万円台に達しています。この水準は、世帯の手取り収入との関係で注目されています。

東京23区の家賃と「手取りに占める割合」

日本経済新聞などの報道によると、東京23区のファミリー向け賃貸マンション(専有面積50〜70平方メートル程度)の平均募集家賃は、2025年時点で25万円台に達しました。東京都内の2人以上勤労者世帯の可処分所得(自由に使える手取り)は、総務省の家計調査で月平均60万円前後とされています。

この2つの数字を組み合わせると、家賃が可処分所得に占める割合はおおむね4割強となります。一部の分析では、条件によっては45%前後に達するとされ、「家賃は手取りの3割までが目安」とされてきた従来の感覚との差が広がっていることが示されています。

区ごとの差も大きく、次のような傾向が確認されています。

  • 港区や渋谷区など都心部ではファミリー向け家賃が30万円台に達する例がある
  • 練馬区や足立区など周辺区でも、相場の底値が切り上がっている
視点東京23区(ファミリー向け)全国平均(単身向け)
平均家賃水準25万円台約50,000円前後
家計への影響可処分所得の4割前後3割未満が一般的
地方都市の家賃はどう変わっているか

全国平均で見ると、賃貸住宅の家賃水準は東京23区より低い地域が大半です。ただし、福岡市や札幌市などの地方中枢都市では、2025年前後に家賃が前年より大きく上昇したとする調査結果も公表されています。

不動産関連レポートでは、地方の賃貸市場は次のように整理されています。

  • 人口や需要が集まる都市では家賃が上昇
  • 人口減少が進む地域では横ばいまたは下落

地方でも一様な動きではなく、都市ごとの差が広がる「二極化」が進んでいる状況です。ただし、水準そのものは東京23区より低く、同じ広さで比較すると2倍以上の差が生じるケースもあります。

企業に広がるオフィスコストの変化

住居費と並んで、企業に影響を与えているのがオフィス賃料です。調査会社の資料では、東京のAグレードオフィス賃料が2025年時点で前年比7〜8%程度上昇したとされています。空室率が低下する中、契約更新時に賃料が引き上げられるケースも報告されています。

こうした状況のもと、企業側では次のような判断が迫られています。

  • 賃料上昇を前提とした固定費管理
  • オフィス面積の見直しや働き方の再設計
  • 本社機能や一部部門の分散・移転

その結果として、2024年には首都圏から地方へ本社を移転した企業が363社となり、過去最多を更新しました。

なぜ高いコストでも東京が選ばれるのか

東京23区のファミリー向け平均家賃が25万円台に達し、可処分所得に占める割合が4割前後、局所的にはそれ以上になるというデータが示されています。
企業にとってもオフィス賃料は前年比7〜8%上昇し、固定費の負担が増しています。
それにもかかわらず、都心部を中心に高い賃料の物件に入居希望者が集まり、企業の多くが東京に本社を置き続けているのはなぜでしょうか。それは、雇用機会の集中や教育・交通の利便性、取引先や人材へのアクセス、ビジネスインフラの充実といった「都市の魅力」が依然として強く、分譲価格の高騰や投資需要によって賃貸市場の需給バランスが変化しているという経済的な仕組みがあるからです。

まとめ
  • 東京23区のファミリー向け家賃は25万円台に達した
  • 家賃が可処分所得の4割前後を占める世帯がある
  • 地方都市でも家賃上昇は見られるが水準は低い
  • 東京のオフィス賃料は前年比7〜8%上昇した
  • 2024年の本社移転企業数は363社で過去最多

東京23区の家賃動向を見ていくと、「家賃は手取りの3割まで」という昔からの目安と、実際の家賃水準との間に大きなギャップが生まれていることがわかります。家賃が高くなっても都市に人が集まり続けるのは、仕事や教育、生活の利便性など、他の要素が「高い家賃でも選ばれる価値」として働いているからだと指摘されています。
一方で、家計に占める住居費の割合が高まると、貯蓄や教育費に回せるお金が減り、将来の選択肢に影響する可能性があるという点も、多くの調査や記事で問題として取り上げられています。
企業にとっても、オフィス賃料の上昇は利益を圧迫し、本社立地や拠点分散の戦略に影響を与え始めています。

東京の家賃の問題は、単に「高いか安いか」ではなく、働き方、都市政策、家計管理、企業戦略など、さまざまな経済のテーマとつながっています。
ニュースや統計データを手がかりに、自分だったらどのような暮らし方や都市のあり方を選びたいのか、ぜひ一歩踏み込んで調べ、考えてみてください。