デジタル庁がGDPダッシュボードを公開!日本経済の「今」を見てみよう
GDPの四半期別速報に関するダッシュボード|デジタル庁
デジタル庁は、デジタル社会形成の司令塔として、未来志向のDX(デジタル・トランスフォーメーション)を大胆に推進し、デジタル時代の官民のインフラを一気呵成に作り上げることを目指します。
日本政府が2025年11月に公開した「GDPダッシュボード」は、日本の経済状況をだれでも視覚的に確認できる新しい仕組みです。
国内総生産(GDP)は、国内で一定期間に生まれたモノやサービスの付加価値を合計した指標で、景気や政策判断の土台となります。これまでは専門的な統計ページでないと細かな内訳が確認しづらい状況でしたが、新ダッシュボードによって、学生や社会人が自分の目でデータを確認し、社会の動きを理解しやすくなりました。
同じテーマでは、政府の「ガバメントダッシュボード」(2025年10月公開)も動向が注目されています。
GDPとは何を示す指標か
GDP(Gross Domestic Product)は、国内で新しく生まれた付加価値の合計です。パン、病院のサービス、自動車、アプリなど幅広い活動が含まれ、経済の"体温"を測る指標とも言われることがあります。ニュースで耳にするGDP成長率は、前期や前年からどれだけ増えたかを示し、経済の勢いをつかむ手がかりになります。
GDPが増えると雇用や所得が伸びやすく、逆に伸びが小さい時期は企業や個人が投資・消費を控える傾向があります。
ダッシュボードがもたらす透明性と社会的意義
デジタル庁と内閣府は、四半期GDP速報値や民間消費・投資・政府支出・輸出入などの内訳を、グラフやヒートマップで簡単に確認できるよう公開しました。これにより、学習者はもちろん、企業や自治体も政策判断の根拠を共有しやすくなっています。
さらに、解説ページや意見募集機能を設け、データを「共通言語」として使えるよう環境整備を進めています。こうしたオープンデータ化の動きは、財政統計を公開する米国政府など海外でも進んでおり、日本でも同様の取り組みが広がりつつあります。

世界と比べて見える日本の位置づけ
2025年の名目GDP(ドル換算)はアメリカが最大で、日本は世界5位となっています。
以前は日本が2位でしたが、その後は中国、インドに抜かれています。順位の変化自体は為替レートの影響も受けますが、長期的にみると、他国の成長スピードが速いことが背景にあります。日本経済の規模が縮小したわけではないものの、世界全体の成長と比べると相対的な存在感が薄くなっています。
| 順位 | 国名 | 名目GDP(億ドル) |
|---|---|---|
| 1位 | アメリカ | 305,072 |
| 2位 | 中国 | 192,317 |
| 3位 | ドイツ | 47,448 |
| 4位 | インド | 41,870 |
| 5位 | 日本 | 41,863 |
日本のGDPが伸び悩む要因
日本は1990年代以降、「失われた30年」と呼ばれる長期停滞が続いています。複数のデータから確認できる要因として、次の点が挙げられます。
- 高齢化と人口減少による労働力人口の縮小
- 生産性向上の停滞
- 新産業への投資不足
- 賃金の伸び悩みと消費の弱さ
また、企業の内部留保が増える一方で、設備投資や人材投資が進みにくい状況も指摘されています。これらの複合要因が、長期的な伸び悩みにつながっています。2025年には欧州でも成長率の鈍化が報じられており、先進国全体が課題に直面している点も比較材料となります。

まとめ
- GDPは国内で生まれた付加価値の合計で、経済を測る重要指標
- GDPダッシュボードにより、国内経済を誰でも視覚的に確認可能
- 日本は現在世界5位で、他国の成長スピードが速い
- 停滞要因は人口減少・生産性停滞・投資不足など複合的
- データ公開が進み、政策や景気を客観的に判断しやすくなっている
GDPダッシュボードを開いて、家族で実際の数字を確認してみてください。「日本のGDPはどの部分が伸びているのか」「自分たちの消費行動は経済にどう影響するのか」など、日常生活と経済がどうつながっているかを考えるきっかけになります。
世界の国々がどの分野で成長しているのか比較すると、将来学びたい分野や興味のある産業を見つけることにもつながります。ニュースを読みながら、自分の暮らしと世界の動きを結びつける視点を育ててみてください。

