お年玉は使うより増やす?小学生60.6%に広がる投資意識

お正月目前!イマドキ小学生のお年玉事情を大調査!

今回のアンケートでは、男子小学生を中心とした読者を対象に「お年玉・投資」に関するアンケート調査を実施。お年玉の受け取り方、使える金額、使い道、投資・NISAを知っているかなどについて調査した結果を、『コロコロコミック研究所』 所長・小林浩一の分析とともに紹介します。~『コロコロコミック研究所』「お年玉・投資」アンケートトピックス~ • もらう総額は「1万1円〜2万円」、自…

お正月にもらうお年玉は、これまで「一時的なおこづかい」として受け取られることが多いものでした。しかし最近は、お年玉を「自分で管理し、育てるお金」として考える動きが広がっています。
コロコロコミック読者を対象にした最新アンケートでは、もらう金額だけでなく、「どこまで自分で使ってよいか」「投資やNISAに興味があるか」といった点まで調査されています。

では、小学生は実際にどれくらいのお年玉を手にし、家庭はどんなルールで管理しているのでしょうか。あなたなら「使う」「貯める」「増やす」をどう配分しますか。

まずはクイズで考えてみよう(正解は問題をクリック)

Q. 今回の調査で「お年玉を『増やす』ことに興味がある」と答えた割合について、最も近いものはどれでしょうか?

A. 約30%
B. 約60%
C. 約90%

→正解は「B. 約60%」です。お年玉を「増やす」ことに少しでも興味があると答えた子どもは、全体の60.6%でした。
この割合の背景や意味、数字の内訳については、本文の中で詳しく整理していきます。

「もらう」と「使える」は別モノ

調査によると、小学生がもらうお年玉の金額は「1万1円~2万円」が最も多く、全体の約3割を占めました。次いで「5,001円~1万円」が約19%、「2万1円~3万円」が約18%となり、およそ1万円前後が中心です。​

しかし、「もらった額」と「自由に使える額」はイコールではありません。
調査結果を整理すると、使える金額には厳しいルールがあることがわかります。

使える金額の範囲割合
3,001円 ~ 5,000円25.7%
1,001円 ~ 3,000円20.6%
5,001円 ~ 1万円19.3%
5,000円以内67.1%

このように、約7割の子どもが使える金額を5,000円以内に制限されています。また、すべて貯金などに回すため「0円」と回答した家庭も1割を超えており、家庭ごとの堅実な管理方針が見てとれます。​

お年玉の始まりは「年神様」のおもち

いまはお金のイメージが強いお年玉ですが、起源は「年神様(歳神様)」と鏡餅に結びついた行事だとされています。新年に各家庭へ来るとされる年神様に供えた鏡餅には、その年の「年の魂(としだま)」が宿ると考えられていました。

  • 年神様にお供えした鏡餅をおろし、家長が家族や奉公人に分け与える
  • この「年の魂」をあらわす餅を「御年魂(おとしだま)」と呼んだ
  • もともとは餅や米などの品物がお年玉だったとされる

その後、武家や町人のあいだで、太刀や扇、丸薬など身分に応じた品物を贈る「年玉」の慣習が広がりました。現在のようにポチ袋に入れた現金を子どもに渡す形が広く定着したのは、昭和30年代以降とされています。

ほとんど現金、でもキャッシュレスでお年玉も

「お年玉は何でもらいましたか?」という質問に対し、結果は圧倒的に「現金」でした。​

  • 現金:97.2%
  • 商品券(図書カードなど):5.1%
  • 銀行振込:1.8%
  • スマホ決済(PayPayなど):0.3%

お年玉については、今もほぼ現金で受け取る形が続いています。これは、年神様の餅を手渡しで分けるという起源を持つ行事であることとも重なります。

一方、日常のお小遣いや買い物ではキャッシュレス利用が広がっています。2025年の調査では、子どもの「お金の利用手段」としてキャッシュレス派が57.9%、現金派が41.6%となり、キャッシュレスが多数派になったと報告されています。
お年玉は現金で受け取り、その後の使い方で電子マネーやアプリを利用するケースも紹介されています。

投資・NISAに興味を持つ小学生たち

同じ調査で、「おうちの人から『投資』や『NISA』という言葉を聞いたことがありますか?」と質問したところ、次のように、約42%が「聞いたことがある」という結果でした。

  • 聞いたことがある:23.7%
  • 聞いたことはあるが、意味はよく知らない:18.0%

さらに、「お年玉を『使う』より『増やす』ことに興味がありますか?」という問いに対しては、約61%が興味があるという回答でした。

  • すごく興味がある:24.6%
  • 少し興味がある:36.0%

高校では2022年度から家庭科で「資産形成」が必修となり、預貯金だけでなく株式や投資信託などの特徴も学ぶようになっています。金融庁は学校向けの教材を公表し、金融経済教育を支える取り組みを進めています。
こうした社会全体の動きが、家庭での会話や子どもの関心に現れているのではないでしょうか。

使い道1位は「貯金」、でも遊びもしっかり

「増やす」ことに関心が高まっていますが、実際の使い道はどうなっているのでしょうか。ランキング形式で見ると、堅実さと子どもらしさが共存していることがわかります。​

  1. 貯金
  2. ベイブレード X
  3. コロコロコミック
  4. ポケモンカード
  5. クレーンゲーム

1位は「貯金」で、将来のために取っておく意識の高さがうかがえます。一方で、2位以下には人気ホビーやゲームが並びました。
「未来への投資(貯金)」と「今の楽しみ(消費)」のバランスを、子どもなりにとっている様子が浮かびます。​

まとめ
  • お年玉でもらう金額の中心は1万~2万円​
  • 自由に使えるのは5,000円以内が約7割​
  • 受け取り方法は現金が97.2%と圧倒的​
  • 投資やNISAという言葉を知っている子は4割超
  • お年玉を増やしたい意欲がある子は約6割

今回のお年玉調査からは、金額の大小だけでなく「お金をどう扱うか」という意識の変化が見えてきました。​
これからお年玉をもらう人も、あげる立場の人も、次の3つのボックスにお金をどう振り分けるか、計画を立ててみてはいかがでしょうか。

  1. 使うお金(今の楽しみ、欲しいもの)
  2. 貯めるお金(将来のために取っておく)
  3. 増やす・学ぶお金(投資体験や新しい挑戦への資金)

「増やすことに興味がある」と答えた小学生が6割いたように、お年玉は単なるお小遣いではなく、社会や経済の仕組みに触れる最初のチャンスかもしれません。ぜひこの冬は、お年玉袋の中身を数えるだけでなく、「そのお金をどう育てるか」まで家族で話し合ってみてください。​