【今週のビジネス解像度】ZOZO白書発表とデータ公開:責任主体を決め直す
ファッションは経済の鏡?ZOZOTOWN 9億点データで見る景気と消費の関係
ZOZOTOWNが公開した「ファッション通販白書 by ZOZOTOWN」は、約20年間で9億点以上の購買データを分析し、日本の気候、景気、働き方、地域差といった社会の変化を可視化したレポートです。Tシャツの売れる季節や […]
ニュース概要
ZOZOTOWNを運営するZOZOが、購買データをもとに「ファッション通販白書 by ZOZOTOWN」を発表しました。白書は、ZOZOTOWNのサービス開始からの購買データを分析し、気候・物価・景気・地域差などの変化を整理する枠組みです。
白書の内容は特設サイトで公開され、気候変動による販売ピークの変化や、価格帯の変化などが示されています。同白書は、対象期間を2004年12月15日から2025年7月31日とし、9億点以上の購買データを分析対象にしています。
ZOZOは、分析結果を通じて購買行動の変化をまとめたと説明しています。

経営判断で最初に見る3つの視点
- 判断材料は「流行」ではなく「前提が変わった合図」として読む必要があります。
- データは当て物に使うのではなく、社内の意思決定を早くするための“共通言語”として使うのが向いています。
- 一番の論点は、変化が起きたときに誰が何を決め、どこで止めるかという運用設計です。
変化に強い運用の作り方
まず、契約に「どのデータを根拠に、何を変更してよいか」を書き分けます。 次に、支払い・入金は「数値が変わったときに、条件が連動して動く範囲」を決め、上限と承認者をセットにします。 在庫や代替は「いつ切り替えるか」を日数で区切り、代替の候補と手配ルートを先に持ちます。
顧客対応は、説明文のテンプレを一つに寄せず、想定質問ごとに責任部署と回答期限を置きます。 未確認の話が混ざったときは動かず、確認できた事実だけを運用ルールに反映し、未確認は「確認待ちリスト」に残します。
最後に、数字の見方を固定するため、集計ロジックとダッシュボードの版管理を行い、変更時の履歴を残します。
CEO・CFOの視点から
CEO
データは強い武器ですが、社内外での誤解も同時に増えます。 経営者として守る線は、数字の意味が揺れた瞬間に「説明が一貫しなくなる状態」を作らないことです。
社内向けには、数値の定義と例外処理の扱いを一本化し、個別部署の都合で解釈が変わらないようにします。
社外向けには、公式コメントの範囲を先に決め、未確認の内容は口外しない運用にします。
不安になったら『説明責任の範囲』を基準にします。
CFO
最初に困るのは、数字が一人歩きして「請求の根拠」や「値引きの根拠」が部署ごとにズレることです。 次に起きるのは、照合や差戻しが増え、締め処理が遅れ、入金確認や支払承認が後ろ倒しになる連鎖です。 取引条件は、たとえば「実績連動のリベート」「値上げの適用開始日」「キャンセルや返品の受入条件」のように、データに寄せた形へ変わりやすくなります。
守る対象は、給与や外注費の支払い、返金対応の原資など、止めてはいけない支出です。 そのために、運用は区切りを先に置きます。例として、入金遅延は7日で一次対応、14日で条件見直し、30日で取引停止検討のように段階を作ります。
金額も同様に、例として単月1,000万円超の取引は例外承認、100万円超の返金は二重承認など、線を引きます。
データ活用は「見える化」で終わらせず、例外処理の回数を月次で集計し、作業が詰まる場所を先に潰します。

8大業界別 自社点検ポイント
メーカー

自社・業界で考えると
量産と在庫の意思決定は、データの読み違いがそのまま損失に直結します。 現場で最初に止まりやすいのは、需要見込みの更新が遅れて生産計画を変えられない状態です。 判断が遅れるほど、余剰在庫・値引き・廃棄の負担が積み上がります。 販売ピークの変化が起きたときは、モデル変更ではなく、出荷配分と販促の条件を先に切り替えます。
切り替え条件は「週次の回転率」「欠品率」「値引き率」のように、現場が同じ数字を見られる形にします。 区切りは、たとえば「2週連続で欠品率が一定を超えたら優先生産に切替」のように回数で置きます。
数字の根拠が未確認の段階では、生産条件は動かさず、検証枠だけを確保します。
自社・業界で使えるヒント
- 需要予測の更新責任の固定
例:週次更新は営業企画、翌営業日15時まで、未更新時は前週値を採用 - 生産切替の閾値の明文化
例:欠品率5%超が2週で増産、値引き率10%超が2週で減産、承認は工場長 - 在庫の上限設定
例:SKU別に在庫日数60日上限、超過時は販促へ自動エスカレーション、48時間で施策決定 - 代替部材の切替手順
例:納期遅延が14日超で代替Aへ切替、購買が担当、品質確認は3営業日以内 - 出荷条件の例外承認
例:特急対応は月3回まで、1回あたり追加コスト上限50万円、承認は事業部長
商社

自社・業界で考えると
取引先ごとにデータの粒度が違うため、比較が難しくなりがちです。 最初に混乱するのは、同じ言葉でも「売上」「受注」「出荷」が混在し、会議で結論が出なくなる場面です。 判断が遅れると、発注の過不足が起き、スポット調達の割高コストや欠品対応が増えます。
外部データを使うときは、まず社内の共通指標に変換し、他社指標のまま意思決定しない運用が必要です。 切り替えは、数量ではなく「リードタイム」と「確保率」で区切るとブレにくくなります。 例として、確保率が一定を割ったら代替ソースを増やし、割戻し条件の再交渉に入る、と段階を作ります。
未確認の噂情報は仕入条件に直結させず、確認できた事実のみに紐づく手当てを優先します。
自社・業界で使えるヒント
- 指標の変換ルール
例:取引先の「出荷」を自社の「売上見込み」に変換、定義は営業管理、月初3営業日で更新 - 仕入先切替の条件
例:納期遅延が7日超で代替Bを追加、担当は購買、上限は月500万円まで - 与信と回収の連動
例:入金遅延10日で新規受注停止、20日で与信枠見直し、承認は財務責任者 - 価格改定の適用ルール
例:相場変動率5%超で再見積、期限は2営業日、未提示時は前回単価を暫定採用 - 顧客への代替提案テンプレ
例:欠品見込みが14日超で代替案提示、営業が担当、回答期限は当日中
小売

自社・業界で考えると
来店・EC・SNSの数字が並ぶほど、何を優先するかが曖昧になります。ボトルネックになりやすいのは、販促の評価指標が揃わず、値引き・広告・仕入の判断が後手になることです。
判断が遅れるほど、売れ残りの値引き幅が拡大し、粗利が削られます。季節の境目がズレる局面では、まず売場の切替日を「天候」ではなく「売上構成比」で管理します。
切り替え条件は、例として「カテゴリ売上比が一定を超えたら棚割を変更」のように置きます。 返品や交換は、データで理由を分類し、ルール変更は月1回など回数で区切ると現場が回ります。
未確認のトレンド情報を起点に仕入を増やさず、テスト販売の枠を先に設定します。
自社・業界で使えるヒント
- 棚割切替の条件
例:対象カテゴリ売上比25%超が2週で棚拡大、担当はMD、実施期限は翌週月曜 - 値引き判断の上限
例:初回値引きは最大10%、2回目は最大20%、承認は店長、回数は月2回まで - 返品理由の分類運用
例:返品入力を5分類に固定、CSが担当、週次で集計し翌週までに改善案提示 - 仕入のテスト枠
例:新トレンドはSKU数20まで、販売期間は14日、終了後に継続可否をMDが決裁 - 顧客告知の期限管理
例:価格改定や在庫切れは告知文を前日15時までに確定、責任は広報、未確定は掲載しない
金融

自社・業界で考えると
データの扱いは便利さと同時に、説明の難しさを増やします。審査やリスク判断に使う数字の定義が部門で割れ、案件処理が滞ることが起こりがちです。 判断が遅れるほど、顧客対応の時間が伸び、機会損失と苦情が増えます。
外部データを取り込む場合は、使判定の責任主体を決め、例外の扱いを先に定義します。 区切りは「何件」「何日」で置き、例として例外が月10件を超えたらルール見直しに入ります。 顧客説明は、数字の根拠を言える範囲に限定し、未確認の推測は含めません。
データ更新の遅延は事故につながるため、更新停止時のバックアップ判断も条件化します。
自社・業界で使えるヒント
- モデル・指標の版管理
例:版変更は月1回、承認はリスク管理、変更履歴を社内公開、当日から適用しない - 例外処理の上限
例:手動審査は1日20件まで、超過は翌営業日に回す、責任は審査責任者 - 顧客説明テンプレの範囲
例:説明は「利用データの種類」まで、詳細ロジックは非開示、広報が監修、四半期ごと更新 - 更新停止時の代替運用
例:外部データ停止で前月値を暫定採用、期間は最大7日、延長は役員承認 - 回収条件の連動
例:入金遅延7日で督促、14日で新規停止、30日で法的対応検討、担当と期限を固定
サービス

自社・業界で考えると
現場の品質は数字だけでは測れず、納得感が作れないと離脱が起きます。業務が滞りやすいのは、KPIが増えすぎて、現場が何を優先すべきか分からなくなることです。 判断が遅れるほど、クレーム対応の長期化や、解約の増加につながります。
データ活用は「現場が動ける粒度」に落とし、日次で追う数は絞ります。 区切りは、例として「予約キャンセル率が一定を超えたら当日施策を切替」のように置きます。 顧客対応は、一次回答の期限を決め、未確認の要因分析は後追いに回します。
契約や料金変更は、適用日と例外の扱いを明文化し、問い合わせ窓口の責任主体も固定します。
自社・業界で使えるヒント
- 日次KPIの上限設定
例:日次は3指標まで、週次で追加確認、責任はサービス責任者、変更は月1回 - 施策切替の条件
例:キャンセル率15%超が3日で価格表示見直し、担当は企画、実施期限は翌日 - 一次回答の期限
例:問い合わせは24時間以内に一次回答、未確認事項は「確認中」と明記、CSが責任者 - 契約改定の適用管理
例:適用日は月初固定、例外は月2件まで、承認は部門長、告知は7日前まで - 代替提供の手順
例:提供停止が2時間超で代替クーポン発行、上限は1人1,000円、担当はCS、当日中

ソフトウェア・通信

自社・業界で考えると
ログや利用データが豊富なほど、社内で解釈が割れやすくなります。問題が起きやすいのは、障害や品質問題が起きたときに、原因の切り分けと説明が同時に求められる場面です。判断が遅れるほど、顧客の運用が止まり、違約金や解約に波及します。
データ活用は、障害対応とプロダクト改善を混ぜず、運用の責任主体を分けます。区切りは、例として「復旧見込みが2時間を超えたら代替手段を提示」のように時間で置きます。 契約はSLAや免責の範囲を明確にし、通知のタイミングと承認者を決めます。
未確認の推測で外部告知を行わず、確定した事実だけを段階的に更新します。
自社・業界で使えるヒント
- 障害対応の段階運用
例:30分で一次報告、2時間で代替提案、24時間で報告書、責任はSRE、期限固定 - 外部告知の承認ルート
例:初報は広報、原因確定は技術責任者承認、未確定は「調査中」表現に限定 - データ定義の統一
例:MAUや解約率の定義を1つに固定、版変更は四半期1回、担当はPMO - 請求条件の切替
例:SLA未達は自動減額、上限は月額の20%、例外は役員承認、翌月請求に反映 - 代替の準備
例:障害時の迂回手順を事前配布、更新は月1回、担当はCS、未更新時は配布を止める
マスコミ

自社・業界で考えると
数字は編集判断を助けますが、数字が先行すると信頼を失います。PVや視聴時間の指標が増え、企画の評価軸が揺れることが問題となりやすいです。 判断が遅れるほど、修正が後手になり、炎上や訂正対応の工数が増えます。
データ活用は、編集の自由度を守るために「数字で変えてよい範囲」を先に決めます。区切りは、例として「公開後24時間の反応で見出しだけ見直す」のように回数と期限で置きます。顧客対応は、訂正や注記の判断責任主体を一本化し、未確認情報は掲載しない運用にします。
広告やタイアップは、計測条件と成果の定義を契約に明記し、後から揉めない形にします。
自社・業界で使えるヒント
- 企画評価の軸の固定
例:主要KPIは2つまで、変更は月1回、責任は編集長、週次会議で共有 - 修正の段階運用
例:24時間は見出しのみ修正可、本文改稿は48時間以内、承認はデスク、回数は2回まで - 訂正判断の責任主体
例:誤り指摘は法務・編集の二重確認、2時間以内に一次対応、担当は編集責任者 - タイアップの計測定義
例:成果はクリック数と滞在時間に限定、計測期間は30日、例外は営業責任者承認 - 未確認情報の扱い
例:一次情報未確認は掲載不可、確認中は書かない、判断は編集長、期限は当日中
官公庁・公社・団体

自社・業界で考えると
公開データは説明の基盤になりますが、誤読が起きると信頼が落ちます。現場が回らなくなるのは、データ更新の責任が曖昧で、問い合わせ対応が部署間でたらい回しになるときです。判断が遅れるほど、現場の運用がズレたまま広がり、訂正や再周知の負担が増えます。
データ活用は、公開と運用を分け、更新停止や遅延時の扱いを先に決めます。 区切りは、例として「毎月○日更新」「遅延は最大7日」など、日数で置くと現場が迷いません。 顧客対応は、FAQの更新期限を決め、説明文は版管理します。
未確認の推測は公式文書に入れず、確認できた事実だけで説明します。
自社・業界で使えるヒント
- 更新責任と期限の固定
例:毎月10日更新、責任は統計担当、遅延は最大7日、延長は部長承認 - 問い合わせ窓口の一本化
例:問い合わせは一次窓口に集約、48時間以内に一次回答、担当は広報、未回答はエスカレーション - FAQの版管理
例:版更新は月1回、緊急は当日、承認は課長、履歴は公開ページに残す - 公開停止時の代替
例:データ欠損時は前月値を明記して掲載、期間は最大1か月、延長は役員承認 - 訂正の手順
例:誤り発覚で当日中に訂正文案、翌営業日までに再周知、責任は主管課、回数を記録
おわりに
データ活用で一番差が出るのは、分析の巧さより運用の設計です。まず条件を言葉にし、どの数字で切り替えるかを決めます。次に切替手順を作り、承認者と期限を置きます。上限設定で事故を小さくし、代替を先に確保して止まり方を制御します。
今回の白書は「購買データを社会変化の読み解きに使う」例ですが、現場に落とすときは責任主体の設計が最初の仕事になります。
出典
- https://corp.zozo.com/news/20251210-007427/
- https://zozo.jp/event/fashion-ec-whitepaper/
- https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/menu_di.html
- https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/di3.html
- https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/ccj/2025/html_honpen/cc2025_honpen_4.html
- https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/000940698.pdf



