はじめに
教育資金の話は、「いくらかかるのか」「何を選べばいいのか」から考え始めると、かえって不安が大きくなりがちです。
この特集では、貯金・学資保険・投資・習い事といった個別の手段を比べる前に、教育とお金をどう整理して考えるかを、会話を通じて掘り下げていきます。
全10回を通して、家庭ごとの価値観や家計に合った「教育資金の考え方」を見つけることを目指します。それぞれの家庭において「納得できる」判断軸をつくるための特集です。
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【特集:教育資金】#04 教育資金 × NISA ― 「増やす」をどう使うか
教育資金の準備といえば、貯金や学資保険が定番でしたが、最近はNISAで積み立てて準備する家庭も増えています。一方で、教育費は減ったら困るお金でもあり、投資に回すことに不安を感じる人も少なくありません。
この回では、NISAという選択肢が広がっている背景を整理し、教育資金の中で「増やす」をどう位置づけると無理がないのかを考えていきます。
増やすって言うけど、教育費に使っていいの?

学資保険の回で「守り」の話をしたけどさ、その反動なのか、最近は「教育費はNISAで積立してる」って聞くことが増えたんだよね。
ワタシとしては、守りだけで固めると安心だけど息苦しい感じもあるし、時間があるなら少しは増える可能性も取りに行きたい気持ちもあるんだ。

ボクはそこが引っかかります。教育費は、必要なときに必ず払うお金ですよね。増える可能性がある一方で、減る可能性もあるなら、結局は貯金のほうが安心なのではないかと思ってしまいます。
増やすより、確実に守るほうが大事なのではないでしょうか。

うん、その気持ちも分かる。減ったら困るお金を、わざわざ上下するところに置くのって怖いよね。ただ、貯金だけで全部を用意しようとすると、教育費の山が来たときに取り崩しのスピードが速くて焦りそうだし、そもそも「時間を使えるお金」って何なのかを一回整理したいんだ。

ここで大事なのは、NISAを「教育費そのもの」に使うかどうかではなく、教育資金の中のどの部分に「増やす役割」を持たせるか、なのよ。守りと増やすを混ぜると不安になるけれど、役割を分ければ判断はラクになりやすくなるわ。
なぜNISAという選択肢が出てきたのか

NISAが広がってるのって、制度が変わったからって理由もあると思うけど、教育資金で使う人が増えたのは、もっと生活感のある理由がありそうだよね。
ワタシの感覚だと、「教育費って思ったより長距離」だって気づいた人が増えたのかなって。

長距離、というのは分かります。子どもが小さいうちは山がまだ低いですし、大学の山はかなり先です。ただ、先が長いからといって、価格が上下するものに任せてよいのかは、やはり不安です。

背景は複数あるわ。特に大きいのは、この3つね。
- 教育費の山が来るまで10年以上ある家庭が多い
- 毎月の積立なら、価格変動の影響を抑えやすい
- 貯金だけでは増えにくいという現実が意識されやすくなった

つまり、長い時間があるなら、その時間を「増やす側」に使ってみる家庭が増えた、ってことか。貯金だけだと安心はあるけど、先が長いと「本当にこのペースで足りる?」って不安が残るのも分かる気がする。

ボでも、増えにくいからといって、減るリスクを取るのは違う気もします。教育資金は、生活防衛と同じくらい大事なお金ですし、失敗したくないです。
NISAは「一回で決める」ものではありません

投資って聞くと、タイミングを当てるみたいな印象があるけど、教育資金でNISAを使う人って、実際は「毎月積立」って言うことが多いんだよね。ワタシはそこがポイントだと思ってて、一気に入れるんじゃなくて、毎月同じ額なら家計としても設計しやすい。

確かに、一括で入れるよりは怖さが減ります。ただ、それでも下がる可能性は消えませんよね。積み立てている途中で下がったら、結局は損をするのではと考えてしまいます。

下がる局面はあるよね。ただ、下がったときに「終わり」じゃなくて、積立だとその価格でも買い続けることになる。結果として平均的な買い値に近づきやすい、って考え方があるって聞いたことがある。

その理解でいいのよ。毎月少しずつ積み立てると、高いときも安いときも買うことになるので、特定のタイミングに左右されにくくなるの。これを時間分散と呼ぶわ。
ただし、分散しても元本割れがゼロになるわけではないわ。だからこそ「どのお金に使うか」が重要なの。
教育費でNISAを使うなら、最初に決める3つの前提

じゃあ、教育資金の中でNISAを使うときのコツって何なんだろう。ワタシとしては、怖さを減らすルールがあるなら知りたい。

ボクもです。使うなら、せめて「やってはいけないこと」を先に知りたいです。

大前提として、次の3つは決めておくといいわ。
- 使う時期が近いお金はNISAに入れない
- 教育資金専用として目的を分けて管理する
- 元本割れの可能性を理解したうえで金額を決める

つまり、教育資金全部をNISAに置くんじゃなくて、時間を使える部分だけを担当させる感じだね。

そう考えると、貯金と役割が競合しない気がします。むしろ、貯金が守ってくれる範囲を決めた上で、それ以外をどうするか、という順番が大事なのかもしれません。
貯金・学資保険・NISAは「役割」で並べると分かりやすい

第3回で学資保険は守りの仕組みって整理したけど、NISAは守りじゃなくて増やす担当。貯金は自由度が高い守り。
こうやって並べると、どれが正解って話じゃなくなるね。

はい。ボクはやはり貯金の安心感が土台に必要だと思います。その上で、学資保険のように「守りを固定する」選択肢もあり、NISAのように「時間を使う」選択肢もある、と整理できると落ち着きます。

その整理ができれば十分よ。比較するときは、商品名よりも役割で考えるの。すると、迷いが減るわ。
- 貯金:近い将来に使う教育費、急な支出、生活防衛
- 学資保険:教育資金の一部を確実に確保する守り
- NISA:時間を使える教育資金に「増やす役割」を持たせる

これなら「教育費にNISAって危なくない?」って議論も、どの部分の話をしてるかで整理できそう。
今回のまとめ
- 教育費にNISAが増えた背景には「時間を使える家庭が多い」ことがある
- NISAは一括ではなく、積立で時間分散しやすいのが特徴
- 教育資金の中でも、使う時期が近いお金には向きにくい
- 大切なのは、貯金・学資保険・NISAを「役割」で分けて考えること

NISAは、教育資金を増やすための道具なのよ。守りたいお金まで任せる必要はないけれど、時間を使える部分に役割を持たせれば、家計の助けになることもある。
怖さを我慢して使うのではなく、守りと増やすを分けて、納得できる範囲で使うことが大切です。
次回予告「教育資金をNISAで準備?」

貯金かNISAか、じゃなくて、増やす役割をどこに置くかって話なんだね。

はい。土台の守りを決めてから考えると、急に現実的になりました。

次回は、「貯金だけ」で教育資金を準備する場合のメリットとデメリットを、もう一段丁寧に整理していきましょう。

