はじめに

教育資金の話は、「いくらかかるのか」「何を選べばいいのか」から考え始めると、かえって不安が大きくなりがちです。
この特集では、貯金・学資保険・投資・習い事といった個別の手段を比べる前に、教育とお金をどう整理して考えるかを、会話を通じて掘り下げていきます。
全10回を通して、家庭ごとの価値観や家計に合った「教育資金の考え方」を見つけることを目指します。それぞれの家庭において「納得できる」判断軸をつくるための特集です。

【特集:教育資金】#06 教育資金の分け方 ― 役割と金額で考える設計図

教育資金の話になると、「結局どの商品がいいのか」という議論に流れがちです。けれど、多くの家庭が迷い続けてしまう本当の理由は、商品選びの前にある“整理不足”にあります。
この回では、教育資金を「貯める・増やす・動かす」という役割に分け、さらに金額まで落とすことで、家計の中でどう位置づければよいのかを具体的に考えていきます。

分かったはずなのに動けない ― 「で、いくら?」問題
ブルさん
ベアさん
ピーちゃん
教育資金の総額は「幅」で考える
ブルさん
ベアさん
ピーちゃん

だから断定しないの。教育費は進路で大きく変わるから、「幅」で置くのが基本よ。
例えば、大学までで考えると、だいたい1,000万円台から2,500万円台くらいまで、かなり差が出る。これは目安であって、ゴールを決める数字ではないわ。

ブルさん
役割で分けるとラクになる ― 守る・増やす・動かす
ブルさん
ベアさん
ピーちゃん

まず、教育資金を次の3つに分けて考えてみましょう。

  • 守るお金(貯金・学資保険):確実に残したいお金
  • 増やすお金(NISAなど):時間を使って育てるお金
  • 動かせるお金(流動資金):予定変更に対応するお金
ブルさん
ベアさん
ピーちゃん

それでいいのよ。大事なのは、どれかを否定することじゃなくて、「役割を分けて置く」ことなの。

割合の目安を先に考えてみる
ピーちゃん

次に、役割ごとの割合をざっくり決めます。ここでは一般的な目安として、次のように考えてみます。

  • 守るお金(貯金・学資保険):50〜70%
  • 増やすお金(NISA):20〜40%
  • 動かせるお金(流動資金):10〜20%
ブルさん
ベアさん
ピーちゃん

そう。ここで大事なのは、必ずしもこのとおりの数字を選ばなくていいということ。家庭によって割合は違っていいの。

月3万円なら、こう見える
ピーちゃん

ここで、具体的に月3万円を教育資金として回す家庭を考えてみるわよ。

安心重視の例

  • 守るお金(貯金・学資保険):18,000円(60%)
  • 増やすお金(NISA):7,500円(25%)
  • 動かせるお金(流動資金):4,500円(15%)
ベアさん

時間を活用する例

  • 守るお金(貯金・学資保険):15,000円(50%)
  • 増やすお金(NISA):10,500円(35%)
  • 動かせるお金(流動資金):4,500円(15%)
ブルさん
ピーちゃん

どちらも正解よ。大切なのは、「なぜその配分にしたのか」を自分の言葉で説明できることなの。

金額は「決めるため」ではなく「感じるため」に置く
ブルさん
ベアさん
ピーちゃん

その通り。それが数字の役割なのよ。完璧に当てにいくためのものじゃない。迷いを減らすための目印なの。
大事なのは、「この配分なら安心が崩れない」と言えるラインを見つけることなの。

そして、金額や割合は家庭ごとに違っていていいの。それぞれの家庭によって状況は違うから、誰にとっても正しい金額や割合はないのよ。

今回のまとめ
  • 教育資金は「守る・増やす・動かす」に分けて考える
  • 割合を先に決めると、商品選びに振り回されにくくなる
  • 月3万円でも、配分次第で考え方ははっきりする
  • 正解は一つではなく、「納得できる理由」があるかどうか
ピーちゃん

教育資金は、未来を当てにいく勝負ではありません。今の家計が無理なく続くかどうか、そのための設計なの。役割と金額が結びついたとき、不安はゼロにはならなくても、ちゃんと扱えるものになります。

次回予告「判断が揺れる3つの分かれ道」
ブルさん
ベアさん
ピーちゃん

それ、とても大事な感覚よ。教育資金は、一度決めても迷いが戻ってくるものなの。
次回は、ちゃんと考えたはずなのに判断が揺れてしまう理由を整理します。迷いが生まれる場所を知っておくと、家計はずっとラクになります。