はじめに
教育資金の話は、「いくらかかるのか」「何を選べばいいのか」から考え始めると、かえって不安が大きくなりがちです。
この特集では、貯金・学資保険・投資・習い事といった個別の手段を比べる前に、教育とお金をどう整理して考えるかを、会話を通じて掘り下げていきます。
全10回を通して、家庭ごとの価値観や家計に合った「教育資金の考え方」を見つけることを目指します。それぞれの家庭において「納得できる」判断軸をつくるための特集です。
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【特集:教育資金】#09 習い事、続ける?やめる? ― 「もったいない」を整理する
塾や習い事の話になると、多くの家庭が同じところで立ち止まります。「このまま続けていいのか」「見直したほうがいいのか」。そして必ず浮かぶのが、「ここまで払ってきたのに、やめたらもったいない」という気持ちです。
この回では、学校外教育費をめぐる判断を難しくしているこの感覚を整理し、続けるにしても、見直すにしても、納得して選べる状態を目指します。
「やめたい」より、「決めきれない」が本音

正直に言うとさ、「やめたい!」って強く思ってるわけじゃないんだよね。ただ、このままでいいのか分からなくなる瞬間がある。

ボクも同じです。成果がはっきり見えないときに、「続ける意味はあるのか」と考えてしまいます。でも、簡単にやめるのも違う気がして…。

それ、とても健全な迷いよ。ほとんどの家庭は、「やめたい」よりも「判断の根拠があいまい」な状態に不安を感じているの。
「もったいない」は、悪者ではない

「もったいない」って、よくない感情みたいに言われがちだけど、実際どうなんだろう。

悪者じゃないわ。これまで払ってきたお金や時間を大切に思うのは、自然な感覚よ。
ただし、その感覚が強くなりすぎると、「今どうするか」を考えにくくなるの。

つまり、「もったいない」そのものが問題じゃなくて、それだけで判断してしまうことが問題なんですね。
判断が揺れやすくなる3つの場面

塾や習い事などの「学校外教育費」について、判断が曖昧になりやすいのは、だいたい次のようなときです。
- 成果が見えにくい時期が続いたとき
- 周りの家庭と比べてしまったとき
- 教育資金全体の話をしばらくしていないとき

塾って特に、短期間で結果が出るものじゃないから、揺れやすいよね。

はい。だからこそ「やめる」「続ける」を感情で決めたくなくなります。
「続ける」選択も、立派な判断

ここで大事なのは、「やめるかどうか」ではなく、「続ける理由を今の言葉で説明できるか」なの。

続ける理由、ですか。

ええ。たとえば、勉強の習慣づくりのため、基礎を固めるため、本人が前向きに取り組んでいるから。
そうした理由が今も当てはまっていれば、続ける判断は十分に意味があるわ。

なるほど。「続けている」じゃなくて、「続けると決めている」状態にするんだね。
見直すときも、「失敗」にはしない

じゃあ、もし見直すとしたら、それは失敗になるのかな。

ならないわ。見直しは、状況が変わったことへの対応よ。
大切なのは、過去を否定しないこと。あの時点では意味があった、でも今は別の選択肢を考える。それでいいの。

続けるにしても、見直すにしても、「理由を更新する」ことが大事なんですね。
家計の視点で確認したいポイント

学校外教育費を続けるかどうか考えるとき、家計の側からも一度立ち止まります。
- 教育資金全体の設計(貯金・NISAなど)を壊していないか
- 無理をして他の大事なお金を削っていないか
- 「なぜ今も続けているか」を家庭で共有できているか

ここを確認できていれば、続ける選択にも自信が持てそう。

はい。「なんとなく続けている」状態からは抜けられそうです。
今回のまとめ
- 「もったいない」は自然な感情
- 問題は、それだけで判断してしまうこと
- 続けるなら、今の理由を言葉にする
- 見直すなら、過去を否定しない

塾や習い事は、「続けるか」「やめるか」で考えるものではありません。今の家庭と子どもにとって、意味のある選択かどうかを考え続けること。
それができていれば、続ける選択は立派な教育投資ですし、見直す選択も前向きな判断になります。
次回予告「判断が揺れる3つの分かれ道」

続けるにしても、ちゃんと考え直すだけで気持ちが違うね。

はい。「続けていい理由」を持てると安心します。

これまで、こどもの教育費を中心に考えてきたけど、次回は教育費と老後資金をどう両立するか、家計全体のバランスから整理していくわね。

