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【特集:教育資金】番外編2 平均は参考になる? ― 教育費データの正しい読み方
教育費について調べ始めると、必ず出てくるのが「平均〇〇万円」という数字です。公的な調査結果で、信頼できる数字のはずなのに、多くの家庭はそれを見て安心するどころか、不安になります。
この番外編では、文部科学省などの公式データを使いながら、「なぜ平均がそのまま参考にならないのか」「どう読めば自分の家計に使えるのか」を整理していきます。
平均を見るほど、不安が大きくなる理由

教育費を調べると、まず出てくるのが「平均いくら」。
ワタシ、あれを見るたびに正直ちょっと構えちゃうんだよね。参考にしたいはずなのに、「そんなに用意できないかも」って、いきなり不安になる。

ボクも同じです。平均という言葉がついていると、「それくらいは必要」という基準に見えてしまう。でも冷静に考えると、平均っていろんな家庭を全部混ぜた数字ですよね。前提が違うのに、そこを目標にしてしまうのは危ない気がします。

その感覚は正しいわ。平均は「状況をざっくり知る数字」であって、「自分の家の答え」ではないの。
特に教育費は、家庭ごとの差がとても大きい分野なのよ。
【データ①】進路が違うだけで、15年間の総額はここまで変わる

まず見てほしいのが、文部科学省の「子供の学習費調査(令和5年度)」よ。この調査では、幼稚園から高校まで15年間の学習費を、進路別に単純合計したケースが示されています。

幼稚園〜高校までの学習費総額(15年間・目安)
- ケース1:すべて公立 … 約 614万円
- ケース2:幼稚園のみ私立 … 約 665万円
- ケース3:幼稚園+高校が私立 … 約 838万円
- ケース4:すべて私立 … 約 1,969万円

え!同じ「教育費」でも、公立か私立かなど選ぶ進路でここまで差が出るんだね。

「平均〇万円」と聞いても、自分がどのケースに近いかで、前提がまったく違ってしまいます。

そうなの。だから平均額だけ見ても意味がないし、前提を確認せずに見ると、実態とかけ離れた印象を持ってしまうの。
まずは、自分の家庭がどのケースに近いのかを考えないと、数字は意味を持たないのよ。
平均は「真ん中」ではなく、「混ざった結果」

こうして見ると、平均って「真ん中」でも「標準」でもないんだね。

はい。全部公立の家庭も、全部私立の家庭も、同じ平均に入ってしまう。そこを基準に「足りない」「多すぎる」と判断するのは、かなり乱暴な気がします。

教育費の平均は、「条件の違う家庭を全部混ぜた結果」。条件差が大きいほど、平均は判断材料として弱くなるの。
【データ②】学校外活動費は、学年とともに大きく跳ねる

ここで、もう一つデータを見てみましょう。文部科学省「子供の学習費調査」に掲載されている 学年別の学校外活動費 です。
このグラフでは、公立・私立それぞれについて、学年ごとの学校外活動費(塾・習い事・補助学習など)が示されています。


これ、すごく分かりやすいね。小学校の途中から、金額が一気に伸びてる。

公立でも、小学校高学年から中学にかけて明らかに増えています。私立だと、小学校段階からかなり高いですね。

このグラフが教えてくれるのは、「教育費はなだらかに増えるわけではない」ということ。特に学校外活動費は、学年が上がるタイミングで一気に跳ねやすいの。
総額より大事なのは「内訳」と「タイミング」

15年の合計金額だけ見てると分からないけど、こうして見ると「いつきつくなるか」が全然違うね。

はい。今は平均以下でも、受験期に一気に負担が増える家庭もありそうです。

だから大事なのは、平均総額ではなく、「どの時期に」「何が増えるのか」。特に学校外活動費は、家庭の選択で大きく変わる部分だから、ばらつきが大きいのよ。
教育費データの「正しい使い方」

ここで、教育費データを見るときの考え方を整理してみるわね。
- 平均額は目標にしない
- まず進路(公立・私立)という前提を確認する
- 総額より、内訳と時期を見る
- 自分の家庭条件に当てはめ直す

平均に合わせにいくんじゃなくて、材料として使う感じだね。

はい。数字そのものより、読み方のほうが大事だと感じました。
今回のまとめ
- 平均は「目標」ではなく、全体像を知るための数字
- 進路の違いだけで、教育費の総額は大きく変わる
- 教育費は年々少しずつではなく、学年が上がるタイミングで増えやすい
- 大切なのは、平均よりも「内訳」と「時期」を自分の家庭に当てはめて考えること

教育費のデータは、正しく読めば心強い味方になります。「平均に近づくこと」がゴールではなく、「自分の家庭に合った前提で考えること」が大切。数字に振り回されるのではなく、数字を使って考えられるようになると、教育資金の話はずっと落ち着いてきます。

