【One Health Economy labo #02】 今日の夕飯から考える、わたしたちのOne Health Economy
はじめに
「今日の夕飯、どうしようか。」
一日の終わりに、ほとんどの家庭で必ずと言っていいほど出てくるこの問い。
冷蔵庫の中身、仕事や保育園・学校の予定、今月の家計。
いろんな条件を頭の中で計算しながら、「まあ今日はこれでいっか」とメニューを決めている人も多いはずです。
でもその一皿は、ワタシたちの「健康」だけじゃなく、どこかの生産者の働き方や、動物のいのち、環境への負荷、そして未来の医療費や税金にも、少しだけつながっているかもしれません。
今回は、「今日の夕飯どうする?」という、超・日常の問いから、わたしたちの One Health Economy を、いっしょにのぞいてみましょう。
One Health 特集記事一覧
今日の夕飯、どう決めてる?

ねえベアさん、ピーちゃん。ワタシさ、平日の夕方になると毎回「今日の夕飯どうしよ…」ってなってるんだよね。
正直、「安い・早い・片づけラク」の三拍子がそろってたら、もうそれで合格って感じなんだけど。

ボクも似たようなところがありますよ。
仕事が長引いた日は、「栄養バランス」や「環境」まで頭が回らなくて、ついコンビニやスーパーのお惣菜コーナーに頼ってしまいます。

そうそう。「栄養バランス大事」とか言うけど、じゃあ今日のこの時間から全部手作りはムリでしょ、ってなるじゃん。
それに、安いほうが家計的には助かるしさ。

ただ、安さだけを優先してしまうと、「これを続けていって大丈夫かな」という不安も、どこかにありませんか。
塩分や脂質の取りすぎとか、加工品が多くなってしまうこととか、将来の健康への影響とか…。

「今日をどう乗り切るか」と、「これが何年も続いた先のワタシたちの健康」が、いつも綱引きしている感じね。
そこに、家計や時間の制約が重なってくるんだから、本当に綺麗ごとだけでは語れないわ。
だからこそ、「完璧な正解を目指す」んじゃなくて、今の暮らしを続けながら、ちょっとだけ視野を広げてみるところから始めてみたいのよね。
「安い」は、誰かのがんばりの上にある?

「安いのは正義」って、ワタシ、どこかで思ってるところあるんだよね。
同じようなお弁当が398円と598円だったら、とりあえず398円に手が伸びちゃうというか。

分かります。ボクも「この価格でこの量ならお得だな」と、ついコスパで見てしまいます。
でも、その「安さ」の裏側で、どんなことが起きているかは、あまり想像できていません。

裏側って、たとえばどんな?

たとえばですが、
- どこかの国で、かなり厳しい条件で働いている人がいるかもしれないこと。
- かなり詰め込まれた飼育環境で育てられた動物かもしれないこと。
- 農薬や化学肥料をたくさん使って、土地や水に負担がかかっているかもしれないこと。
そういう可能性ですね。

うーん…。
言われてみると、「こんな値段で出せるってことは、どこかで誰かががんばりすぎてるのかも」って気もしてくるなあ。

もちろん、「安い=すべて悪い」ではないの。
大量生産や物流の工夫で、本当に効率が良くなっているケースもあるし、企業努力で品質と価格を両立している例も少なくないわ。
でも、「安ければ安いほどありがたい」とだけ考えると、
・作る人の健康や働き方
・動物の扱われ方
・土や水や空気の負担
こういったものが見えにくくなってしまうのも事実なのよ。

つまり、「安さ」は誰かの工夫や努力の結果でもあり、場合によっては誰かの無理や、環境へのしわ寄せの上に成り立っているかもしれない。
そのどちらも、少し頭の片すみに置いておきたい、ということですね。

ワタシの「安いほうが助かる〜」って気持ちも、誰かの「しんどい」にちょっとだけつながってる可能性があるってことか。

そうね。
「じゃあ明日から全部高いものを買いましょう」と言いたいわけではなくて、
ときどき立ち止まって、「この安さは、どんな物語の上にあるんだろう?」と想像してみることが、One Health的な第一歩かもしれないわ。
「健康」と「家計」と「環境」、ぜんぶはムリ?

とはいえさ、「健康にもよくて、環境にもやさしくて、生産者にもフェアで、しかも家計にやさしいご飯」なんて、そんなの理想高すぎない?
ワタシ、聞いてるだけで疲れてきたんだけど。

ボクもそう思います。
全部を満たそうとすると、「じゃあ結局何を選べばいいの?」と動けなくなってしまいそうです。

「オーガニックでフェアトレードで地産地消で…」って全部言われたら、それこそ「一部の意識高い人の世界」みたいに感じちゃうなあ。

そこも、とても大事なポイントね。
わたしたちはスーパーヒーローじゃないから、いつも100点満点の選択をし続ける必要はないの。
たとえば、こんな小さな工夫でもいいかもしれないわ。
- 大量に買って腐らせてしまうより、「少し少なめに買って、食べ切る」ことを意識してみる。
- いつもの買い物かごの中で、「今日は一品だけ、地元の野菜にしてみる」。
- 毎日は無理でも、「週に1回だけは、揚げ物を減らしてみる」。

「全部変える」のではなく、「一部を少し変えてみる」ですね。
それなら、ボクでも続けられそうな気がします。

ワタシも、「毎日完璧な献立」じゃなくて、「週1回だけ意識高めデー」を作るくらいなら、ちょっとやってみてもいいかも。

そうそう。
One Health Economy laboで考えたいのは、「理想どおりの正解」を押しつけることではなくて、
自分の暮らしの中で無理なく続けられる、一歩だけ良い選択を一緒に探してみることなのよ。
「今日の一皿」が、未来の健康資本になる?

でもさ、今日の夕飯一回分くらいで、世界はそんなに変わらないでしょ?
ワタシが唐揚げやめて焼き魚にしたところで、地球は救えない気がするんだけど。

たしかに、一回の夕飯はとても小さい単位ですね。
でも、それが毎日・毎週積み重なっていくと、自分の体調や将来の医療費、ひいては社会全体の医療費にも、少しずつ影響してくるかもしれません。

あー…。「健康診断で引っかかってから、あの頃の食生活を後悔する」みたいなやつか。

そうね。
一回の夕飯で世の中を劇的に変えることは難しいけれど、「夕飯の選び方のクセ」が、未来の自分や家族、社会の健康資本をつくっていく、という言い方はできると思うわ。
たとえば、
- 野菜や魚をとる日が少し増えると、生活習慣病のリスクが下がるかもしれない。
- 食べ残しが減れば、ごみ処理にかかるエネルギーやコストも少し減るかもしれない。
- 地元の食材を少し多めに買えば、その地域の農家さんやお店が続けやすくなるかもしれない。

つまり、ワタシたちの一皿一皿は小さくても、「積み重ね」と「みんなの分」を合わせると、かなり大きな健康資本や環境負荷の差になっていく、ということですね。

「ワタシ一人の一回分」って思うと小さいけど、「ワタシが10年続けた分」とか、「同じことをする人が全国に何万人もいたら」とか考えると、けっこうインパクトありそうだなあ。

そうそう。
だから、今日の夕飯を選ぶときに、「これは未来のワタシたちの健康資本への、ちいさな投資かもしれない」と、ほんの少しだけ思い出してもらえたらうれしいわ。
今回のまとめ

今日の話を聞いててさ、「夕飯って、ただお腹を満たすイベントじゃないんだな」って、ちょっと思ったよ。
ワタシの「安くて早くてラクがいい〜」にも、いろんなつながりがあるんだね。

ボクも、完璧な選択を求めるのではなく、「一品だけ」「週に1回だけ」といった小さな工夫でもいい、と聞いて、少し気がラクになりました。
それでも積み重ねれば、健康や環境、地域への影響は確かに変わってきそうですね。

今日のおしゃべりから見えてきたことを、少しだけ整理してみましょう。
- 夕飯の「安い・早い・ラク」の裏側には、生産者・動物・環境のストーリーが隠れている。
- 「健康」「家計」「環境」の全部を完璧に満たす必要はなく、「一部を少し変える」だけでもいい。
- 今日の一皿は小さくても、「続け方のクセ」が未来の健康資本や社会全体の負担を変えていく。
- One Health的な夕飯選びは、「理想の押しつけ」ではなく、「ワタシたちなりのバランスを探す小さな実験」から始められる。
次回予告

次はさ、ご飯の次に、週末の過ごし方とかどう?
ワタシ、ショッピングモールも好きだし、公園でダラダラするのも好きなんだけど、あれってOne Health的にはどうなんだろうって、ちょっと気になってきた。

いいですね。
屋内でお金を使って楽しむ過ごし方と、外の自然の中で過ごす時間では、心や体、環境への影響がだいぶ違いそうです。

それなら、次回のテーマは「週末のおでかけ先、どこに行く?モールと公園のあいだで」にしましょう。
ショッピングモールと公園、それぞれの良さを味わいながら、わたしたちのOne Healthな週末の過ごし方を、一緒に考えていきたいわね。

