【One Health Economy labo #04】 動物と一緒に生きるって、どんなOne Healthになるんだろう?
はじめに
ペットとして一緒に暮らす犬や猫。
公園で見かける野良猫やカラス。
スーパーに並ぶ肉や卵、牛乳の向こう側にいる、たくさんの家畜たち。
わたしたちは、飼っていてもいなくても、いろいろな形で「動物」と関わりながら暮らしています。その関わり方は、人の心と体の健康だけでなく、動物のいのちのあり方や、環境、そして経済にもつながっています。
今回は、「動物と一緒に生きるって、どんなOne Healthになるんだろう?」という問いを、ペット・野良動物・畜産・お金の流れもふくめて、いっしょにたどってみましょう。
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ペットは家族?それとも「かわいい出費」?

ねえベアさん、ぴーちゃん。ワタシさ、犬とか猫の動画見るの大好きなんだよね。
正直、一度は「ワタシも犬飼いたい〜!」って本気で思ったことある。

ボクもです。
ペットは「家族」として心の支えになってくれる存在ですし、散歩の習慣ができて健康にも良さそうです。

そうそう。朝夕の散歩で運動にもなるし、子どもにもいい経験になりそうだし。
「かわいい+健康的な生活」って感じで、メリットだらけに見えるんだよね。

ただ、現実的には「お金」と「時間」の問題も大きいですよね。
エサ代、ワクチンや病院代、トリミング、ペット保険、ペットシッターやホテル代…。かなりの出費になります。

たしかに。
ワタシ、前にざっくり計算したことあるけど、中型犬1頭でも、何年も一緒に暮らすと100万円単位のお金が動きそうだなって思った。

それでも「この子がいてくれるから頑張れる」という人も多いですし、ペット産業全体で見れば、動物病院やペットフードメーカー、ペット関連サービスなど、大きな経済圏ができていますよね。

そうね。
ペットとの暮らしは、
- 心の健康:癒やし・孤独感の軽減
- 体の健康:散歩や外出が増える
- 経済:ペット関連のビジネスを支える消費
という意味で、まさに One Health Economy の交差点にあるの。
一方で、「なんとなく飼って、あとで手放してしまう」ケースが増えると、保護施設や自治体の負担が増え、税金や寄付の使われ方にも影響してしまうわ。

ペットを迎えることは、「かわいい」だけでなく、自分の時間・家計・街の仕組みもふくめた、長期の契約みたいなものでもあるわけですね。

ワタシ、「かわいい」テンションだけで考えてたかも。
ペットと一緒に生きるって、「心の健康」と「お金」と「責任」がセットなんだなあ…。
野良猫やカラス、街で出会う動物との距離感

ペットを飼ってなくても、街の中で動物に出会うことってあるよね。
公園の野良猫とか、ベランダに来る鳥とか、最近だとイノシシのニュースとかもあるし。

ボクの近所でも、地域猫のエサやりをめぐって、住民同士のトラブルになっているケースがあります。
エサをあげる人の気持ちは分かりますが、ふん尿や鳴き声、車との事故など、困っている人もいるんですよね。

カラスもさ、「ゴミ荒らされるからイヤだ」っていう気持ちも分かるけど、
よく考えたら「人間が出したゴミ」に集まってきてるだけなんだよな〜って思ったり。

そうね。街で出会う動物との距離感は、
- 感染症(フンや咬まれ傷など)
- 衛生(ゴミ・におい)
- 安全(交通事故・攻撃)
- 心の健康(癒やし・恐怖・イライラ)
みたいなものとつながっているの。
それに、野良猫やカラスの問題には、「誰がどこまでお金と手間をかけて対策するか」という、街のOne Health Economy の問題も潜んでいるわ。

たとえば、
- ごみステーションのネットやボックスの整備費用
- 地域猫の不妊去勢手術にかける費用
- 住民説明会やルールづくりに使う人件費
などですね。

なるほど。
ワタシたちが「ちょっとエサをあげる」「ゴミ出しを適当にする」っていう小さな行動が、あとで自治体の予算とか、近所づきあいとかにもつながっていくってことか。

そうなの。
街で出会う動物との距離の取り方は、「優しさ」だけではなく、人の健康・動物の福祉・環境・お金のバランスをどうとるか、というOne Health Economyのテーマでもあるのよ。
お肉や卵の向こう側にいる動物たち

そういえばさ、ワタシ、焼き肉とか唐揚げとか大好きなんだけど…。
あれも当然、たくさんの動物のいのちの上に成り立ってるんだよね。

ボクもお肉は食べますが、畜産の現場では、飼育環境や労働環境、環境負荷(メタン、飼料、土地利用など)に課題もあると聞きます。

そこを考え始めると、「何食べたらいいの?」って詰んじゃいそうなんだよね。
全部ベジタリアンになれって言われたら、ワタシはたぶん続かないし…。

全部を急に変える必要はないわ。
でも、「お肉や卵の向こう側に、どんな動物とどんな人たちがいるのか」を、少し想像してみることはできるはずよ。
たとえば、
- ときどき産地や飼育方法をラベルで確認してみる
- 少し値段は上がるけれど、環境や動物福祉に配慮した商品を、月に一度だけ選んでみる
- 食べ残しを減らすことで、「いただいたいのち」を無駄にしない
こうした小さな選択も、One Health Economy の一部なの。

「どのお肉を買うか」「どれくらいの頻度で食べるか」という選択で、ボクたちは、畜産のスタイルや農家さんの経営にも、少しずつ影響を与えているわけですね。

ワタシたちの食費が、「どんな飼育のあり方を増やすか」「どんな農場を応援するか」にもつながってるってことか。
そう考えると、「たまにだけでもいい肉を選ぶ」のって、ちょっとワクワクする投資みたいだね。

ええ。「全部やめる」よりも、「少しだけ方向を変える」ほうが、現実的で続けやすいし、経済的にもムリが少ないと思うの。
動物と一緒に生きる、わたしたちのOne Health Economy

こうやって話してみると、ペットも、野良猫も、カラスも、お肉も、ワタシたちの暮らしのいろんなところに動物がいるんだなあって、改めて実感するよ。

そして、その関わり方は、
- 経済(ペット産業・畜産・自治体予算)
- 心の健康(癒やし・安心・ストレス)
- 体の健康(運動・感染症・食生活)
- 環境(ゴミ・気候・生態系)
と密接に結びついていることも、見えてきましたね。

ワタシたちの「かわいい」「なんとなく」「安いから」という選択の積み重ねで、どんなペットビジネスが伸びて、どんな畜産が続いて、どんな街の対策に税金が回るかも、ちょっとずつ変わってくるってことか…。

動物と一緒に生きるということは、
人の健康・動物の福祉・環境・お金の流れを、一緒にデザインしていくことでもあるの。
いきなり完璧にする必要はないけれど、
- ペットを迎える前に、「時間・お金・責任」を一度立ち止まって考える
- 街で出会う動物への関わり方を、地域のルールもふまえて話し合う
- お肉や卵を選ぶとき、「たまにだけ」裏側を意識してみる
そんな小さな実験から、わたしたちの One Health Economy が少しずつ変わっていくのかもしれないわ。
今回のまとめ

今日の話を聞いて、ワタシ、「動物と一緒に生きる=ペットを飼うかどうか」だと思ってたけど、それだけじゃないんだなって分かったよ。
街で見る野良猫も、お皿の上のお肉も、ワタシたちの選択とつながってるんだね。

ボクも、動物との関わりは「やさしさ」だけでなく、人の健康や街の衛生、税金や食費など、One Health Economy の視点で見直す必要があると感じました。

今日のおしゃべりから見えてきたことを、少しだけ整理してみましょう。
次に動物の動画を見て「かわいい!」と思ったときや、スーパーでお肉を手に取ったときに、今日の対話を、少しだけ思い出してもらえたらうれしいです。
- ペットとの暮らしは、心の健康だけでなく、長期的な時間とお金の負担、街の保護・行政コストともつながっている。
- 野良猫やカラスなど、街の動物との距離感は、人の衛生・安全と、自治体の対策費用・地域の関係性に影響する。
- お肉や卵の選び方・食べ方は、動物の飼育環境や農家の経営、環境負荷に対する「経済的なメッセージ」でもある。
- 動物と一緒に生きるとは、人・動物・環境とお金のバランスを、自分なりに探していく One Health Economy の実験でもある。
次回予告

ここまで話してみるとさ、「ワタシたちの動物との付き合い方」って、けっこう移動や通勤とも関係ありそうだなって思ってきた。
たとえば、車で送迎ばかりしてると、外の動物や自然を見る時間も減るし、運動不足にもなるし。

ボクも、通勤や買い物、子どもの送り迎えなど、「毎日の移動」が、健康や環境、お財布に与える影響は大きいと感じています。
どの交通手段を選ぶかも、One Health Economy のテーマですね。

それなら、次回のテーマは「移動のしかたで、わたしたちと地球の“健康”はどれくらい変わる?」にしましょう。
車・電車・自転車・徒歩、それぞれの良さと負担を見比べながら、わたしたちの One Health な移動のしかたを、一緒に考えていきたいわね。

