イラン戦争で原油高騰!肥料ショックが世界の食料価格を直撃する?

Iran news: Energy costs soar as Iran crisis disrupts global oil and gas

Global oil and gas prices jumped on Tuesday as the U.S.-Israeli war on Iran halted energy exports from the Middle East, with Tehran attacking ships and energy facilities, closing navigation in the Gulf and forcing production stoppages from Qatar to Iraq.

中東で起きているアメリカ・イスラエルとイランの軍事衝突は、戦場から遠く離れた国々の物価にも影響を及ぼし始めています。原油価格や天然ガス価格が急に動き、肥料の供給にも緊張が広がっていると海外メディアは報じています。
エネルギーの問題が、なぜパンや肉、卵といった身近な食べ物の値段と結びつくのでしょうか。国際政治と私たちの家計は、どのような仕組みでつながっているのでしょうか。

Q. 開戦後、世界の原油価格はどの程度上昇したと報じられているでしょうか。

A. 約5%

B. 約15%

C. 約25%以上

→正解は「C. 約25%以上」です。

報道によると、開戦後に原油価格は合計で2割を超える上昇になりました。背景には、ホルムズ海峡という重要な海上ルートの混乱や、中東からの供給が滞るリスクがあります。
この価格変化がどのように食料へ波及するのかを、これから見てみましょう。

石油の問題が肥料の問題にもなる

ロイターやアルジャジーラなどの報道では、開戦直後に原油価格が急騰し、その後25%超の上昇になりました。ホルムズ海峡は世界の石油・ガス輸送の大動脈であり、ここを通るエネルギーの量は世界供給の約2割に達すると報じられています。

SBI証券 WTI原油先物チャートより

天然ガスは窒素肥料の主原料です。そのため、ガス価格が上がると肥料の製造コストも上昇します。さらに、肥料そのものも中東から多く輸出されており、世界の肥料供給の約3分の1がホルムズ海峡を通過しています。供給の遅れと原料高が同時に起きることで、肥料価格は短期間で大きく動きました。

アメリカの農業専門メディアは、窒素肥料の価格が1トンあたり70ドル(約11,200円・1ドル160円換算)以上上昇したと伝えています。これは春の作付け前の農家にとって大きな負担です。

農家の選択が世界の価格を動かす

肥料や燃料、運ぶためのお金が急に高くなると、農家は難しい判断をしなければなりません。

  • 畑にまく肥料の量を減らす
  • 肥料を多く使う作物をやめる
  • ほかの作物に変える

たとえば北アメリカでは、肥料が届きにくくなった場合、トウモロコシから大豆へ変える動きが増えるかもしれないと報じられています。トウモロコシは肥料を多く使う作物だからです。
しかし、肥料を減らしすぎると、収穫できる量が大きく下がることがあります。作る作物が変われば、世界に出回る食べ物の量も変わります。つまり、農家の選択はその地域だけの話ではなく、世界の食料の量と値段につながっていくのです。

農場から食卓までの連鎖

エネルギーや肥料の問題は、すぐにスーパーの値札に出るとは限りません。ですが、時間がたつと「農場から食卓まで」のいろいろな場所で影響が広がります。その流れを整理すると次の通りです。

  • 原油・ガス高騰 → 肥料・燃料・電気料金が上昇
  • 肥料不足・値上がり → 農家のコスト増・施肥減少・作付け変更
  • 収量減少・供給不安 → 国際的な穀物・飼料価格の上昇
  • 飼料や植物油の高騰 → 肉・卵・乳製品・加工食品などの値上がり

たとえば、家畜のえさの値段が上がれば、肉や卵の生産コストも上がります。小麦の値段が上がれば、パンやめん類の値段も上がりやすくなります。こうして、戦争の影響が少しずつ私たちの食卓へ届いてきます。

実際に、ウクライナ戦争のあとには、エネルギーや肥料の値上がりがパンやパスタ、肉の値段上昇につながったと国際機関が説明しています。今回のイラン戦争でも、同じようなしくみで食料価格が押し上げられる心配があります。

世界経済にも広がる

原油価格が大きく上がると、食べ物だけでなく、世界経済にも影響が出ます。石油やガスを多く輸入している国では、エネルギー代が増えて、家計も企業も負担が重くなります。すると、物の値段が上がりやすくなり、景気の回復が遅れることがあります。

また、物価が上がると、中央銀行は金利を下げにくくなります。金利とは、お金を借りるときの負担の大きさです。金利が高いままだと、企業の投資や家のローンにも影響が出ます。つまり、戦争による原油高は、食料だけでなく、お金の流れや働き方にも関わってくるのです。

まとめ
  • 原油価格は開戦後に25%超上昇
  • ホルムズ海峡は石油と肥料の重要ルート
  • 肥料価格は短期間で大きく上昇
  • 農家の作付け変更が供給に影響
  • 食料価格とインフレへ波及
  • 金利政策や世界経済とも連動

戦争のニュースを見たとき、遠い国の出来事だと感じることがあるかもしれません。ですが、石油、肥料、食料、金利は世界の中でつながっています。だからこそ、国際ニュースを「自分とは関係ない話」で終わらせないことが大切です。

たとえば、原油価格のグラフと食料価格の動きを比べたり、日本の食料自給率や肥料の輸入先を調べたりすると、ニュースの見え方が変わってきます。次に国際ニュースを見るときは、「この出来事は食べ物の値段や生活費とどうつながるのか」という視点で考えてみてください。社会のしくみが、前よりはっきり見えてくるはずです。