タンス預金が減る理由とは?新紙幣と金利の影響

日本悩ます60兆円の「タンス預金」が減少。新札や金利上昇で2兆円が動き出す | Business Insider Japan

長年、日本の課題となっていた「タンス預金」が減少しています。背景にあると見られるのが、7月3日に迫った新紙幣の発行です。

「タンス預金」という言葉を知っていますか。
おうちにお金を置いておくことを「タンス預金」といいます。銀行などに預けずに、家のタンスなどにお金をしまっておくことです。

最近、日本ではこのタンス預金が減っているのです。その理由が新しいお札が出ることや、銀行の金利が上がることと関係していることを見てみましょう。

タンス預金とは?

タンス預金は、お金を銀行に預けずに家の中に保管することです。これは、何かあったときにすぐに使えるお金を手元に置いておきたいという理由でされています。でも、タンス預金が多すぎると、お金が世の中に出ていかなくて、経済があまり動かなくなってしまうという問題があります。

どうしてタンス預金が減っているの?

最近、日本ではタンス預金が減ってきています。その理由の一つは、2024年7月に新しいお札が発行されるからです。新しいお札が出ると、古いお札を持っている人は「いつまでつかえるのかな?」と不安になります。だから、古いお札を使うためにお金を出すことが多くなるんです。

金利が上がるとどうなるの?

もう一つの理由は、銀行の金利が上がることです。金利が上がると、銀行にお金を預けるともっと利息がもらえるようになります。だから、家にお金を置いておくよりも、銀行に預けた方が得になるので、タンス預金が減るんです。

新NISAって何?

今年2,024年1月から始まった新NISA(少額投資非課税制度)もタンス預金が減る理由の一つです。この制度を使うと、株などに投資をして、もうけが出たときにかかる税金を払わなくていいのです。だからタンス預金を投資に回す人が増えるんです。

例えば、新NISAを使って株を100万円分買ったとします。その後、その株が値上がりして150万円になったときに売ります。

150万円 - 100万円 = 50万円 もうけ

普通はこれに税金 20.315%がかかるのです。

50万円 x 20.315% = 101,575円 税金

だから50万円もうけても、
500,000円 - 101,575円 = 398,425円 もらえるお金

この約10万円の税金がかからないので、新NISAだと50万円がそのまま受け取れます。

その他、配当金といって、会社によっては、会社がもうかったときには株を持っている人にもうけの一部を払ってくれます。これにも税金がかかりますが、新NISAだと配当金にも税金はかかりません。だからタンスにお金をおいておくよりも、株式投資をして増やしたほうがいいと思う人が増えてきたのです。

※株式投資をして、かならずもうかるとは限りません。買ったときよりも株の値段が下がることも当然あります。

まとめ
  • タンス預金は家にお金を置いておくこと
  • 新しいお札が出ることでタンス預金が減る
  • 銀行の金利が上がるとタンス預金が減る
  • 新しいNISA制度でタンス預金を投資に使う人が増える

お金は社会とつながっています。世の中に出回るお金が多くて、経済が活発になることが景気が良くなる理由の一つです。タンス預金が世の中に出ていくことで、日本の経済に良い影響を与えることが期待されています。おうちの方に、自分の家にタンス預金があるか聞いてみてはいかがでしょう。(教えてくれないかもしれませんけどね…)

新紙幣になることに関する「ウソ」のニュースが広がっているので、こちらも読んでくださいね。

https://kidsnomics.space/newsforkids/fake-news-on-new-banknote/

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記事作成者

清水 裕矢 | Shimizu Yuya
清水 裕矢 | Shimizu YuyaProgress CFO / こども未来投資プロジェクト 代表理事
山口県防府市出身。大学卒業後に学習塾講師、パソコンインストラクター/営業を経て、外資系産業ガス企業に入社。以降、複数企業・複数業種の財務経理責任者・CFO歴任。こどもの金融リテラシー講座 CA$H! 講師/カリキュラム・テキスト作成。
「会計・IT・英語があれば、仕事に困らない」がポリシー。nine inch nailsやMetal Coreを愛聴。