はじめに
教育資金の話は、「いくらかかるのか」「何を選べばいいのか」から考え始めると、かえって不安が大きくなりがちです。
この特集では、貯金・学資保険・投資・習い事といった個別の手段を比べる前に、教育とお金をどう整理して考えるかを、会話を通じて掘り下げていきます。
全10回を通して、家庭ごとの価値観や家計に合った「教育資金の考え方」を見つけることを目指します。それぞれの家庭において「納得できる」判断軸をつくるための特集です。
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【特集:教育資金】#02 教育費のピーク ― いつ・どこで一番きつくなるのか
教育資金を考えようとすると、多くの人が最初に「総額はいくらかかるのか」を調べ始めます。しかし実際に家計を圧迫するのは、合計金額そのものよりも、「いつ」「どれくらいの重さで」教育費がのしかかってくるかです。
この回では、教育費が一気に重くなるタイミング、いわば「教育費の山」を整理します。そして、なぜその山を先に知っておくことが、教育資金を考えるうえで重要なのかを考えていきます。
なんとなく不安、の正体

教育費って、合計で何百万円とか何千万円とか言われるじゃん。でも正直、その数字だけ見ても実感がわかないんだよね。
今すぐ払うわけじゃないし、遠い未来の話すぎて、どう備えればいいのか分からなくなる。

ボクも同じです。「大学まででこれくらい」と言われても、それが今の家計とどうつながるのかが見えません。
結局、今いくら貯めればいいのかも判断できず、不安だけが残ってしまいます。

そうそう。だから、とりあえず毎月いくらか貯めよう、ってなるんだけど、それで足りるのかどうかは分からないままなんだよね。

それは、「総額」から考えようとしているからなのよ。教育費は、ずっと同じ重さで続くものじゃない。
ある時期に、はっきりとした「山」として現れるの。その山の形を知らないまま準備しようとすると、不安が大きくなるのよ。
教育費には、いくつもの「山」がある

山、か。確かに、ずっと同じペースでお金が出ていくわけじゃないよね。

でも、具体的にどこに山があるんでしょうか。小学生のうちは、そこまで大変じゃないと聞くこともあります。

多くの人がそうなの。でも、この二ついいところに気づいたわね。教育費の山は、学年が上がるにつれて少しずつ高くなっていくの。ざっくり整理すると、こんなイメージになるわ。
- 小学生:比較的なだらかな山。給食費や習い事が中心
- 中学生:塾代や部活関連費で、山がはっきりし始める
- 高校生:授業料と塾代が重なり、山が一段高くなる
- 大学生:学費が最大の山。入学時の一時金も大きい

こうして見ると、大学が一番高いのは分かるけど、高校の時点でも結構きつそうだね。

しかも、このタイミングで収入が急に増える家庭は、あまり多くないですよね。
兄弟姉妹がいると「山の数」が増える

あとさ、これ兄弟姉妹がいると話が変わってくるよね。上の子の高校の山を登ってる最中に、下の子の中学の山が来る、みたいな。

確かに…。一人分の山を順番に登るならまだしも、並行して登る感じになりますね。家計としては、同じ時期に二つの山が立つイメージです。

そうなのよ。一人っ子じゃない家庭は、「山が高くなる」というより「山が重なる期間が長くなる」ことが多いの。だからこそ、総額よりも「いつ重なるか」を先に把握することが、さらに重要になるわ。
一番きついのは「山の重なり」

大学の山だけ越えればいい、って話でもないよね。

はい。高校と大学の山が続くと、息をつく間もなさそうです。

多くの家庭が見落としがちなのが、「山と山が重なる瞬間」。高校の授業料や塾代を払いながら、同時に大学入学の準備が始まる。
この時期が、家計にとって一番きつい登りになることが多いの。

入学金とか、最初にまとめて払うお金があるもんね。

一気に大きなお金が出ていくのは、精神的にもかなり負担になりそうです。
大事なのは「一番高い山」より「一番きつい登り」

ここまで聞いて思ったけど、教育費って「いくらかかるか」より、「どの山が一番きついか」を知るほうが大事かも。

はい。総額が分かっても、どのタイミングで大きな負担が来るのかを知らないと、準備の仕方が見えてきません。

教育資金を考えるときに大切なのは、「一番高い山」ではなく、「一番きつい登り」を先に知ること。その登りに合わせて、どう備えるかを考えるのが、教育資金の考え方なの。
今回のまとめ
- 教育費は一定ではなく、時期ごとに「山」として現れる
- 小・中・高・大で、山の高さは大きく違う
- 高校から大学にかけて、山が重なる時期が最もきつい
- 兄弟がいる家庭は、山が重なる期間が長くなりやすい
- 総額よりも「どの登りが一番きついか」を知ることが重要

教育費は、静かに少しずつ積み上がって、ある時期に大きな山になるの。その山の形を知らないまま準備すると、不安だけが先に立ってしまう。
でも、先に山の高さと登りを知っていれば、登り方は選べるわ。兄弟姉妹がいる場合は、山が重なる期間が長くなりやすいから、なおさら「いつきつくなるか」を先に見ておくことが大事よ。
次は、その登りにどう備えるかを、具体的に考えていきましょう。
次回予告「学資保険」

教育費って、ただ高いんじゃなくて、山の形を知ることが大事なんだね。

はい。これなら、何から考えればいいのかが少し見えてきました。

次回は、多くの家庭が最初に考える「学資保険」。安心と引き換えに、何を選んでいるのかを整理してみるわ。

