はじめに
教育資金の話は、「いくらかかるのか」「何を選べばいいのか」から考え始めると、かえって不安が大きくなりがちです。
この特集では、貯金・学資保険・投資・習い事といった個別の手段を比べる前に、教育とお金をどう整理して考えるかを、会話を通じて掘り下げていきます。
全10回を通して、家庭ごとの価値観や家計に合った「教育資金の考え方」を見つけることを目指します。それぞれの家庭において「納得できる」判断軸をつくるための特集です。
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【特集:教育資金】#03 学資保険の安心 ― 貯金との違いと「守り」の役割
教育資金を考え始めると、多くの家庭が最初に思い浮かべるのが学資保険です。毎月コツコツ積み立てて、決まった時期に教育資金を受け取れるため、将来の見通しが立てやすいと感じる人も多いでしょう。一方で、貯金でも同じように備えられるのではないか、学資保険ならではの安心とは何なのか、と迷う声もあります。
この回では、学資保険の「安心」の中身を分解し、貯金との違いを整理しながら、教育資金づくりにおける「守り」の役割を考えていきます。
学資保険って、どこが安心なの?

教育資金って聞くと、やっぱ学資保険ってイメージが強いよね。周りでも入ってる人が多いし、とりあえずやっておけば安心って空気がある。

ボクも同じです。「大学まででこれくらいボクもそう思っていました。ただ、貯金でも積み立てはできますよね。
学資保険の安心って、具体的にどこにあるのかが分からなくて、何となくで選ぶのは怖い気がします。

ワタシも、安心って言われると気になるけど、何がどう安心なのか説明できないかも。貯金と何が違うんだろう。

そこを整理するのが今日のテーマなのよ。学資保険の安心は、気持ちの問題だけではなくって、仕組みとして「守り」を作っているから、安心につながるの。
学資保険と貯金の違い

まずは、貯金と学資保険って何が違うのかをざっくり知りたいな。

大きく言うと、貯金は「自分で守る仕組み」、学資保険は「仕組みで守られる部分がある」ことが違いなのよ。
この表に違いを整理したから、見てみて。
| 比較ポイント | 貯金 | 学資保険 |
|---|---|---|
| 使い道の自由 | 高い | 低め(教育資金向けに固定されやすい) |
| いつでも引き出せるか | できる | できない場合がある(契約による) |
| 受け取る時期・金額 | 自分で調整 | あらかじめ決まる |
| 万一のときの備え | 別で考える | 保険料払込免除などがある場合 |

なるほど。自由なのは貯金だけど、学資保険は決め打ちで守る感じなんだね。
学資保険の「安心」① 使ってしまいにくい

たしかにさ、貯金って「使おうと思えば使える」んだよね。教育費のために貯めたのに、生活費が足りない月があると取り崩してしまいそう。

ボクもそこは不安です。急な出費があると、教育費用に貯めたお金でも「少しだけなら」と手をつけてしまいそうです。
気づいたら目標に届かない、というのが一番怖いです。

学資保険の安心の一つ目はそこなのよ。学資保険は教育資金として「別枠」にしやすい。使い込みにくい仕組みがあるから、結果として守りになりやすいの。
学資保険の「安心」② 受け取りのルールが決まっている

たしかに、いつ、いくら受け取れるかが決まってると、計画は立てやすいね。

貯金だと、自分で積み立てを続ける必要がありますし、途中で止めても誰にも止められません。
続ける自信がない人にとっては、ルールがあるほうが助かるかもしれません。

そうなのよ。教育費には「山」があるって話をしたよね。学資保険は、受け取る時期を教育費の山に合わせて設計しやすい。これも「守り」の一部なの。
学資保険の「安心」③ 万一のときに教育資金が守られる

あと、学資保険って保険だから、もしものときも関係あるんだよね?

そこが、貯金と決定的に違う部分かもしれません。

学資保険の安心の核はここなのよ。契約によっては、親に万一のことがあった場合に保険料の支払いが免除されて、それでも教育資金は予定通り受け取れる仕組みがあるの。
貯金だけだと、この部分は別の対策が必要になるわ。
学資保険にも注意点がある

ここまで聞くと学資保険って良さそうだけど、やっぱ注意点もあるよね。

はい。ボクが気になるのは、途中でやめたら損をするかもしれないという点です。家計が変わったらどうなるのかも心配です。

そこは大事よ。学資保険は「守り」を作る代わりに、柔軟性が下がりやすいの。代表的な注意点を整理するとこうなるわ。
- 途中解約すると元本割れすることがある
- 家計が変わっても簡単に組み替えにくい
- 大きく増えることは期待しにくい

つまり、安心の代わりに「動きにくさ」が出るんだね。

はい。守りが強いほど、自由は減る、ということですね。
学資保険が向く家庭・向きにくい家庭

じゃあ結局、どんな家庭が学資保険に向くんだろう。

ボクは、絶対に教育資金を確保したい家庭だと思います。多少増えなくても、確実に守りたい、という人です。

その理解でいいのよ。整理するとこうね。
学資保険に向く家庭
- 教育資金の一部は必ず確保したい
- 途中で使ってしまうのが不安
- もしものときの備えも教育資金と一緒に考えたい
学資保険に向きにくい家庭
- 途中で方針が変わる可能性が高い
- お金の使い道を柔軟にしたい
- 途中解約リスクを避けたい

合う家庭なら、学資保険は「守りの柱」になりそうだね。

はい。逆に合わない家庭が無理に入ると、後で苦しくなる可能性があるんですね。
今回のまとめ
- 学資保険の安心は「守りの仕組み」によるもの
- 貯金は自由度が高い一方、守りは自分で作る必要がある
- 学資保険は「使い込みにくい」「受け取りが決まる」「万一でも守られる」が強み
- ただし柔軟性が下がり、途中解約の注意点もある
- 大切なのは、家庭の考え方と相性で選ぶこと

学資保険の安心は、気持ちだけではなく「仕組みの守り」なのよ。貯金は自由で扱いやすいけれど、その分、守りを自分で作る必要があるの。
どちらが正しいかではなく、どの安心が必要かを選ぶことが大切だわ。
次回予告「教育資金をNISAで準備?」

安心って、ちゃんと中身があるんだね。

はい。これなら「なんとなく」ではなく、自分の家計に当てはめて考えられそうです。

次回は、NISAで教育資金を準備する考え方です。守りとのバランスも含めて考えていきましょう。

