【One Health Economy labo #12】 これからの「One Health Economy」
はじめに
夕飯のメニューから始まって、週末のおでかけ、動物との暮らし方、移動のしかた、働き方、街のお金、豪雨やクマのニュース、1,000円でできること。
どれも日常の、ちょっとした話題に見えます。
でも、ここまでいっしょに歩いてきて見えてきたのは、これらが全部「人・動物・環境の健康」と「お金の流れ」でつながっているということでした。
この最終回では、「わたしたちの One Health Economy」を、これからどう育てていくのかを、あらためて考えてみます。
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One Health Economy が見えてきた

ここまでいろいろ話してきたけどさ、「One Health Economy って結局なんだったっけ?」って、もう一回整理しておきたいな。

ボクのイメージだと、
- 人の健康(からだ・こころ・生活)
- 動物の健康(ペット・家畜・野生動物)
- 環境の健康(空気・水・土・気候・生態系)
がぜんぶつながっていて、そこにお金や仕事の流れが重なっている、みたいな感じです。

そうね。もう少し言葉にすると
「人・動物・環境の健康を、“お金の使い方や仕事のしかた”を通じて、バランスよく育てていこうとする考え方」
と言えるかもしれないわ。

つまり、One Health(つながった健康)+ Economy(お金と仕事)= One Health Economy ってことか。

はい。そして、それは政府や企業だけの話ではなくて、夕飯の買い物、週末のおでかけ、働き方、1,000円の使い方みたいな、日々の小さな選択にも関わっている、というのがポイントですね。
見えてきた「3つの視点」

ここまでの回で、わたしたちはいろんな切り口から One Health Economy を見てきたわね。
ざっくり整理すると、こんな3つの視点になりそうよ。
- 日常の選択から見る One Health Economy
- 夕飯のメニュー(食べ物・生産者・環境)
- おでかけ先(モールか公園か、移動手段は何か)
- 1,000円クーポンの使い道(誰のどんな健康をえらぶか)
- 働き方・仕事・街のお金から見る One Health Economy
- 自分の仕事は、誰のどんな健康を支えているか
- 会社の「安さ・早さ」の裏にあるもの
- 街の予算や税金が、どんな健康を守るために使われているか
- 地球の変化やニュースから見る One Health Economy
- 豪雨・猛暑・感染症やクマの出没が、人・動物・環境と経済に与える影響
- 「不安」をどう「備え」と「対話」に変えていくか

たしかに。
「今日の夕飯」「今週末のおでかけ」「この1,000円」みたいな小さな選択の奥に、「10年後・30年後の世界」が、うっすらつながって見えてきた感じがするかも。
これからの選び方に、どんな“軸”を持つ?

じゃあさ、これからワタシたちは、具体的にどんな「軸」で選んでいけばいいんだろう?
全部完璧に One Health な選び方、なんて無理そうだし…。

もちろん、100点満点の選択だけをし続ける必要はないわ。
大事なのは、「自分なりの One Health の軸」を持っておくこと。
たとえば、こんな軸が考えられるわね。
- 人の健康を大事にする軸
「自分とまわりの人の、からだとこころの健康を最優先にする」 - 動物との共生を意識する軸
「ペットや家畜、野生動物への配慮がある選択を、できる範囲で増やす」 - 環境と未来世代を意識する軸
「10年後・30年後の世界を思い浮かべながら、資源や気候への負担を少しずつ減らす」 - バランスを意識する軸
「人・動物・環境のどれかだけに偏りすぎないように、少しずつバランスをとる」

これからは、完璧じゃなくてもいいから、『この選択は、誰のどんな健康につながっているかな?』と、ときどき立ち止まって考えてみようと思います。

ワタシは、「今日だけじゃなくて、10年後の自分がちょっと感謝してくれそうな選択かどうか」っていう軸にしようかな。
一人の選択と、みんなのしくみ

とはいえさ、個人の選択だけで世界中の問題が解決するわけじゃないよね?

そうですね。
One Health の世界では、「個人の選択」と「社会のしくみ」の両方が大事だと言われています。

ええ。たとえば、
- 個人の選択:何を食べるか、どう移動するか、どんな商品やサービスを応援するか
- 社会のしくみ:税金や予算の配分、法律やルール、インフラへの投資、企業のビジネスモデル
両方がかみ合うことで、「人・動物・環境の健康をバランスよく育てる経済」が形になっていくのよ。

つまり、ワタシたちが日々お金をどう使うかは、「どんな会社や活動に“いいね”を押すか」と同じで、少しずつ社会のしくみにも影響していく、ってことか。

逆に、社会のしくみが変わることで、個人が One Health に配慮した選択を「しやすくなる」こともありますよね。
たとえば、電車やバスが便利になれば、車以外の移動もえらびやすくなる、など。

「個人の選択」と「社会のしくみ」の両方をつなぐキーワードが、まさに One Health Economy なのかもしれないわね。
これからの「わたしたちの One Health Economy」へ

ここまで話してみて、「One Health Economy」って、すごく大きなテーマのようでいて、実は「今日の晩ごはん」「次の休みにどこへ行く」「この1,000円をどう使う」っていう、足もとの選択から始まるんだなあ…って、あらためて思ったよ

ボクも、
- 小さな選択や声が、長い時間をかけて「しくみ」を少しずつ変えていけること
- 人・動物・環境の健康は、本当に一つの線でつながっていること
- 経済(お金と仕事)は、その線を太くしたり細くしたりする“血流”みたいなものだということ
を感じました。

これからの「わたしたちの One Health Economy」をつくるのは、遠くのどこかの専門家だけではなく、ここにいる一人ひとり。
- 今日の自分や、大切な人の健康
- 目の前や画面の向こうにいる動物たち
- 10年後・30年後の世界を生きる誰か
その全部を、頭の片すみに少しだけ置きながら、
お金の使い方や働き方、暮らし方を選んでいくことが、これからの時代の「当たり前」になっていくのかもしれないわね。

ここまで話してきて、いろんなテーマを回ってきたけどさ。
結局、ワタシたちのOne Health Economyって、どんな旅をしてきたんだろうね? 一回まとめて振り返ってみたいな。

ボクも、第1回の「One Healthってなに?」からの話が、自分の中でどうつながったかを整理してみたいです。
次の一歩を考えるためにも、振り返りは大事ですね。

これからの「わたしたちの One Health Economy」をつくるのは、遠くのどこかの専門家だけではなく、ここにいる一人ひとり。
- 今日の自分や、大切な人の健康
- 目の前や画面の向こうにいる動物たち
- 10年後・30年後の世界を生きる誰か
その全部を、頭の片すみに少しだけ置きながら、
お金の使い方や働き方、暮らし方を選んでいくことが、これからの時代の「当たり前」になっていくのかもしれないわね。
One Health とわたしたち

この特集で見えてきたポイントを、あらためて整理してみましょう。
- One Health は、「人・動物・環境の健康はつながっている」という考え方。
感染症、気候変動、食の安全、動物との共生など、どれもこの3つを切り離しては語れません。 - One Health Economy は、そのつながった健康を「お金と仕事の流れ」から考える視点。
何を買うか、どこで働くか、税金や予算をどう使うかが、誰のどんな健康を支えているか、という問いにつながります。 - わたしたちの小さな選択も、この経済の一部。
夕飯の食材、週末のおでかけ先、移動手段、働き方、1,000円の使い道…それぞれが、人・動物・環境のどこかを少しずつ動かしています。 - 個人の選択と、社会のしくみは、おたがいに影響し合う。
一人ひとりの声や行動が企業や行政の動きに影響を与え、逆に制度やインフラが変わることで、One Health に配慮した選択がしやすくなります。

これからの時代、「正解の行動」を一つに決めることは難しいかもしれません。
でも、「この選択は、誰のどんな健康につながっているかな?」と、ときどき立ち止まってみることはできます。
それぞれの場所で、それぞれのやり方で。
わたしたち一人ひとりの中にある、小さな One Health Economy の物語が、少しずつつながっていきますように。

