【One Health Economy labo #01】 One Healthってなに?
はじめに
「気候変動」「感染症」「物価高」…。
ニュースでは毎日のように、ちょっとこわくて、ちょっと遠いような言葉が飛び交っています。
でも、今日の夕飯をどうするか、週末どこに出かけるか、どんな働き方を選ぶか。
わたしたちの小さな選択も、じつは人の健康、動物のいのち、自然環境のゆくえと、どこかでつながっているのかもしれません。
この連載「One Health Economy labo」は、人・動物・環境の健康をまとめて「ひとつの健康資本」と見て、暮らしや仕事、お金の流れとあわせて、ゆっくり考えていく“ちいさな実験室”です。
第1回では、これから一緒におしゃべりしていく3人といっしょに、「One Healthってなに?」「One Health Economy laboってなに?」を、まずはやわらかく確かめてみましょう。
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One Healthって、ぶっちゃけなに?

ねえベアさん、ピーちゃん。
「One Health Economy labo」って名前、カッコいいけどさ。
そもそも「One Health」ってなに?ってところから、正直ぜんぜん分かってないんだけど。

そうですよね。「ワンヘルス」と言われても、日常会話ではあまり聞き慣れない言葉です。
なんとなく「人間の健康」だけじゃなくて、動物や環境もまとめて考えるんだろうな、くらいのイメージはありますが。

ニュースで「動物と人のあいだでうつる病気」とか、「自然破壊で新しい病気が増える」みたいな話は聞くけどさ。
でも、正直「それって専門家が考えることでしょ?」って、どこかで思ってたかも。

ええ、その感覚はすごく自然だと思うの。
One Healthって、一言でいえば「人の健康・動物の健康・自然環境の健全さは、別々じゃなくてひとつのつながったものとして守りましょう」という考え方なのよ。
たとえば、森がどんどん削られていくと、野生動物のすみかが狭くなって、人が暮らす場所に近づいてくるわよね。
すると、動物が持っている病原体が人にうつりやすくなったり、自然災害が増えて、人の暮らしも不安定になったりするの。

ああ、あの「新しい感染症は、森の奥から人間社会にやってきた」みたいなやつか。

環境を壊すことが、結果的に人の病気や生活の不安につながる、ということですね。
逆に、人が動物の扱い方を変えたり、環境を守る取り組みをしたりすると、人の健康にもいい影響が返ってくる、という意味合いもありそうです。

そうなのよ。だからOne Healthは、「人の健康だけ良ければいい」という考え方から一歩進んで、「人と動物と自然が一緒に元気でいられる状態を目指しましょう」という、ちょっと広めの健康観なのよね。
健康とお金って、切り離せる?

でもさ、「健康」とか「環境」とか言われると、急にまじめモードになるじゃん。
ぶっちゃけ、目の前の生活だと「お金足りるかな」とか、「今日も仕事でヘトヘト」とか、そっちのほうがリアルなんだよね。

分かります。理想は大事ですが、家計や仕事のプレッシャーも切実ですからね。
「健康のために、環境のために」と言われても、まずは目の前のお財布と時間が気になってしまいます。

そうそう。「オーガニックがいい」とか「再エネがいい」とか言われても、高かったら続かないしさ。
結局、「お金がある人の余裕のある選択」みたいに見えちゃう。

うん、その違和感もとても大事だと思うの。
わたしたちの生活って、「健康」と「お金」と「環境」が、いつも同時に関わっているのに、会話の中ではバラバラに語られがちなのよね。
たとえば、安い加工食品ばかりだと、短期的には家計が助かるけれど、長い目で見ると自分や家族の健康リスクが高まって、医療費が増えるかもしれない。
逆に、少しだけ地元の野菜や旬の食材を選ぶと、生産者や地域経済が元気になって、環境負荷も減ることがあるわ。

つまり、「健康」と「お金」と「環境」は、トレードオフだけではなく、うまく組み合わせると、全部にとって悪くない方向もありうる、ということですね。

「どっちかを極端に選ぶ」じゃなくて、「まあ、このくらいならできるかも」っていうバランスを探す感じか。

そうそう。この連載「One Health Economy labo」では、そんなふうに「健康」と「お金」と「環境」のつながりを、暮らしや仕事、街の話を通して一緒に見ていきたいの。
One Health Economy laboって、どんな場所?

でさ、「One Health」はなんとなく分かってきたんだけど。
この連載のタイトルに「Economy」とか「labo」とかついてるのは、どういうノリなの?

「Economy」と聞くと、すごく経済学っぽくて、ちょっと難しそうにも感じますね…。
「labo」は実験室でしょうか。何かを一緒に試してみる、というニュアンスでしょうか。

そうそう。「オーガニックがいい」とか「再エネがいい」とか言われても、高かったら続かないしさ。
結局、「お金がある人の余裕のある選択」みたいに見えちゃう。

いいところに気づいたわね。
「Economy」は、ここでは「お金の流れ」や「仕組み」という意味で使っているの。家計、会社、街、国…いろいろなレベルで、健康とお金はいつも行ったり来たりしているでしょう?
たとえば、会社が働く人の健康に投資すると、医療費が減って生産性が上がることもある。
自治体が公園や歩道にお金をかけると、人が歩きやすくなって、健康づくりや観光にもつながるかもしれないわ。

なるほど。「健康ってコストじゃなくて、将来の元気を生む資本なんじゃない?」みたいな考え方か。

「健康資本」という言葉がしっくりきますね。
人・動物・環境の健康がちゃんと保たれていることが、結果的に経済の土台にもなる、という視点でしょうか。

そのとおり。
だから「One Health Economy labo」は、「人・動物・環境の健康」をひとつの健康資本としてとらえながら、暮らしや仕事、お金の話といっしょに考えてみる小さな実験室、というイメージなの。

laboっていうのは、「正解を知ってる先生が答えを教える場所」じゃなくて、「3人と読者で、あれこれ試しながら考える場所」って感じ?

まさにそれね。
もやもやしていることや、ちょっとした違和感、でも言葉になっていなかったことを、ブルさんとベアさんと一緒に、少しずつ言葉にしていく。
そんな「実験のノート」を、この連載で増やしていけたらいいなと思っているの。
One Health Economy laboで、何を話していく?

じゃあ、この先はどんな話をしていくの?
いきなり難しい政策とか、国際会議の話ばっかりだったら、ワタシ、途中でついていけなくなる自信あるよ。

ボクも、日々の生活の中でイメージしやすいテーマから入っていけるとありがたいです。
たとえば、食事やペット、通勤、子どもの遊び場など、身近なものからだと考えやすいですね。

もちろん、難しい専門用語の講義をするつもりは全然ないわ。
これからの回では、
「今日の夕飯をどう決める?」
「週末のおでかけ先は?」
「動物との距離感をどう考える?」
「移動や働き方、会社や街のお金は、どんなふうに健康とつながっている?」
そんな、わたしたちの日常そのものを入り口にしていくつもりよ。

お、なんかおもしろそうじゃん。
「今日何食べよう」とか「今週どこ行こう」みたいな話なら、ワタシ、いつも考えてるしね。

そうですね。自分の生活の延長線上で考えられるテーマなら、「自分ごと」としてOne Healthをとらえやすそうです。
そこから少しずつ、会社や自治体、国の政策にまで視野を広げていくイメージでしょうか。

ええ。
暮らしの小さな選択から、仕事や街、そして未来の世界まで、
人・動物・環境とお金のつながりを、一緒に見ていく旅みたいな連載にできたらと思っているの。
今回のまとめ

なんか、「One Health」って、最初は難しい横文字だな〜って思ってたけどさ。
人・動物・自然をまとめて「みんなの元気」って考えるって聞いたら、ワタシ、ちょっと親しみわいてきたかも。

ボクも、「健康」と「お金」と「環境」が一体になっている、という視点は新鮮でした。
家計のことを考えると、つい目の前の出費だけ見てしまいますが、長い目で見た健康資本という考え方は大事ですね。

今日のおしゃべりから見えてきたことを、少しだけ整理してみましょう。
- One Healthは、「人・動物・環境の健康はつながっている」という広めの健康観。
- 健康とお金と環境は、本当は日常の中でいつも一緒に動いている。
- One Health Economy laboは、そのつながりを暮らしや仕事、街の話から一緒に考える“小さな実験室”。
- 正解を押しつける場ではなく、「自分の生活からできる一歩」を探すための対話のノート。
次回予告

次はさ、もっと「日常ど真ん中」の話がいいなあ。
たとえば、毎日の「今日の夕飯どうする?」から、One Healthを考えてみるとかさ。

それは身近で、とても考えがいがありますね。
食費や時間のやりくり、健康のこと、環境負荷、生産者のことまで、実はいろいろな要素が詰まっていますから。

それなら、次回のテーマは「今日の夕飯から考える、わたしたちのOne Health Economy」にしましょう。
コンビニやスーパーで手に取る一品から、わたしたちの健康資本とお金の流れを、一緒にのぞいてみたいわね。

