黒字なのに約1万人削減!パナソニック最新戦略

https://www.sankei.com/article/20250622-P74PVRFUKZPCRC3IONM6CBBVYI/

パナソニックは2025年3月期に売上高8兆4,582億円、営業利益4,265億円を達成しました。それでも国内外で約1万人の人員削減を発表し、多くの注目を集めています。純利益は3,662億円(前年同期比17.5%減)と落ち込み、収益性強化が急務です。好調な業績企業がリストラを行う背景には何があるのか。創業者・松下幸之助の社員重視の経営と対比しながら、現代の働き方や企業戦略をわかりやすく解説します。

パナソニックのリストラ背景と業績のリストラ背景と業績

なぜ黒字なのにリストラ?
パナソニックは安定した売上・利益にもかかわらず、2025年度に世界で約1万人(全従業員の約5%)を対象に人員削減を決定しました。
背景には、間接部門の重複による固定費増大、老朽化したシステム維持の非効率、グローバル競争の激化、株主からの収益改善圧力があります。これにより2026年度には約1,300億円のリストラ関連費用を計上予定です。

2025年3月期の業績ハイライト 2025年3月期の業績ハイライト

  • 売上高:8兆4,582億円(前年同期比0.5%減)
  • 営業利益:4,265億円(18.2%増)
  • 純利益:3,662億円(17.5%減)

社長の楠見雄規氏は「効率的な組織を早期に確立し、将来投資を継続する」と述べ、自身報酬の返上も表明しました。

部門別の業績動向の業績動向

くらし・エナジー部門の好調

  • くらし事業:家電・住宅設備で売上3.29兆円を記録し、増収増益を続けています。
  • エナジー部門:電池・再生可能エネルギー関連の営業利益率は約10.2%と高く、今後も成長が見込まれます。

車載・産業部門の課題

  • オートモーティブ事業:PASの非連結化影響で売上は減少したものの、利益は徐々に回復中です。
  • インダストリー事業:中国市場での競争激化により減収減益。さらなる合理化が必要です。
松下幸之助の経営哲学と現代との対比の経営哲学と現代との対比

社員を守る経営
松下幸之助(1894–1989)は「会社は人をつくる場所」と語り、世界恐慌時には全社員を半日勤務にして解雇を回避しました。1965年には日本初の週休二日制を導入し、休養と学びの時間を確保することで社員の成長を支えました。

社会貢献と後進育成
PHP研究所や松下政経塾を設立し、企業活動を通じた社会貢献と次世代リーダー育成にも注力しました。この人間中心の経営が、長期的な企業力につながっています。

これからの働き方と企業の挑戦働き方と企業の挑戦

デジタル化による生産性向上
古いシステム刷新やAI・IoT導入で業務効率を高めることが急務です。パナソニックは製造ラインの自動化やデータ活用を進め、リモートワークやフレックスタイム制も取り入れています。

他社の動きと働き方の多様化
日産自動車は2024年度から2027年度にかけてグループ全体で約2万人の人員削減を計画しています。この「黒字リストラ」傾向は急速に広がっています。一方、在宅勤務や週休3~4日制など、多様な働き方も浸透中です。企業は効率性と社員の働きやすさを両立させる必要があります。

まとめ
  • 黒字決算でも約1万人のリストラを決断
  • 原因は固定費増、老朽システムの非効率、競争激化
  • 松下幸之助は社員重視の経営で週休二日制を導入
  • デジタル化と柔軟な働き方が企業にとっての鍵
  • 他社でも黒字リストラが増加中
  • 働き方多様化と効率化の両立が今後の課題

これからは、デジタルスキルや創造力、変化対応力がますます重要になります。みなさんはどの力を伸ばしたいですか?プログラミングやデータ分析、チームワークなど、自分の興味に合わせて学びを広げましょう。家族や友達と働き方改革について議論し、将来の進路選びに役立ててください。