2025年の米が安くなる!? イオンの備蓄米と物量作戦

備蓄米 販売の動き加速 コメ全体の値下がりにつながるかが焦点 | NHK | 小売業

【NHK】随意契約で売り渡された備蓄米の店頭での販売が大手スーパーなどで始まり、今週以降、さらに販売する店舗が増えていく見通しです…

日本のスーパーで「備蓄米」が山のように積まれて販売される光景が話題になりました。イオンでは、5キロ1980円という安さでこのお米を大量に販売し、多くの人が朝から列を作りました。
イオンの「物量作戦」がどんな心理に働きかけているのか、また備蓄米と新米の違い、これからのお米の価格にどう影響するのかを見てみましょう。

備蓄米とは?なぜ今大量販売されているのか

備蓄米の正体
備蓄米は、災害や不作などに備えて国が数年間保管しているお米です。2025年は米の価格が高く、家計に大きな影響を与えています。そこで政府は、備蓄米を市場に放出することを決定し、イオンなどのスーパーが大量に仕入れて販売を始めました。

イオンの大規模販売
イオンは、東京都や名古屋市などの店舗で、数千袋単位の備蓄米を販売しました。買い占めや転売を防ぐため、1世帯1袋までと制限がありましたが、開店前から多くの人が並び、すぐに完売する店舗もありました。

イオンの「物量作戦」とは?

心理に働きかける売り方
イオンの「物量作戦」は、店頭に商品を大量に並べることで、消費者に安心感を与える販売方法です。2020年のトイレットペーパー不足のときにも同じ方法が使われ、不安による買い占めを防ぎました。今回の備蓄米も、山積みにされた様子がSNSで広まり、「これなら安心」と感じた人も多かったようです。

備蓄米と新米のちがい

見た目・味・香りのちがい
新米はその年に収穫されたばかりで、水分が多く、ふっくらもちもちしています。一方、備蓄米は数年間保管されていたため、水分が少なめでややパサつくことがあります。ただし、保管は国がしっかり管理しているため、品質は安定しています。

おいしく食べるコツ
備蓄米は、水を多めに入れて炊いたり、長めに水につけることで美味しく食べられます。チャーハンやお寿司のような料理にも向いていて、工夫しだいで新米に近い味わいになります。

備蓄米で米の価格は下がるの?

現在、米の価格は5キロで4000円を超えることもあります。備蓄米はその半額ほどで販売されているため、家計の助けになります。しかし、全体の米価を大きく下げるには至っていません。農協や卸業者が出す米の量を調整しているため、価格はまだ高いままです。今後、新米がたくさんとれれば、価格が下がる可能性もあります。

関連ニュースとこれからの動き
  • 2025年6月、イオンは政府と契約し、2万トンの備蓄米を全国に販売する計画を進めている
  • 他のスーパーやディスカウントストアでも備蓄米の販売が始まった
  • 秋に向けて新米の収穫が増えれば、米の価格が下がるかも
まとめ
  • 備蓄米は国が保管していたお米で、イオンが大量販売を始めた
  • イオンの物量作戦は、消費者の不安を和らげる戦略
  • 備蓄米と新米は水分量や食感に違いがある
  • 炊き方を工夫すれば備蓄米も美味しく食べられる
  • 備蓄米で家計の負担は減るが、米価全体はまだ高止まり

スーパーの売り方や商品の価格には、たくさんの工夫と経済のルールがかかわっています。「なぜ急にお米が安くなったのか」「どうして同じお米でも値段がちがうのか」といった疑問から、経済のしくみを学ぶことができます。買い物をするときに、商品の並べ方や価格に注目してみると、商売や流通の工夫が見えてくるかもしれません。おうちの人と、「どんなときにまとめ買いする?」「値段の変化に気づいたことある?」など話してみましょう。