マライア・キャリーは「恋人たちのクリスマス」毎年いくら稼ぐ?クリスマスソングと音楽経済

マライア・キャリー「恋人たちのクリスマス」のスゴイ稼ぎ | Business Insider Japan

キャリーはこの曲をプロデューサーと一緒にわずか15分で作ったと伝えられている。

12月が近づくと、街やテレビ、動画アプリで必ず耳にする曲があります。マライア・キャリーの「All I Want For Christmas Is You(恋人たちのクリスマス)」です。
1994年に発売されたこの曲は、今も世界中で聴かれ続け、毎年安定した収益を生み出す“冬の定番ビジネス”として知られています。
なぜ30年以上前の曲が、今もこれほどお金を生み出し続けるのでしょうか。そこには、音楽と消費行動、ストリーミング時代の経済の仕組みが深く関係しています。クリスマスソングを通して、音楽が経済を動かす仕組みを見ていきましょう。

30年続くヒットが生む「毎年の収益」

「All I Want For Christmas Is You」は、発売から長い年月が経っても人気が衰えていません。この曲はストリーミング配信、CD売上、CMや映画での使用料(著作権収入)などを通じて、毎年数百万ドル規模の収益を生み出しているとされています。

推計では、
年間約600万〜1,000万ドル(約9億〜15億円・1ドル150円換算)
に達する年もあり、1曲としては異例の長期収益モデルです。

ポイントは「毎年必ず需要が戻ってくる」点です。新曲は流行が終わると再生数が落ちますが、クリスマスソングは季節が来るたびに再生数が一気に伸びます。この周期性が、安定した収益を生んでいます。

なぜクリスマスソングは強いビジネスになるのか

クリスマスソングには、他の楽曲にはない特徴があります。
まず、使用される場所が非常に多いことです。商業施設、飲食店、テレビCM、映画、SNS動画など、あらゆる場面で流れます。

さらに、SpotifyやYouTubeなどのストリーミングサービスでは、12月に入ると再生回数が急増します。再生されるたびに、権利者には少額でも収益が分配されます。
この「少額×大量再生」が積み重なることで、ヒット曲は大きな収入源になります。

同じ仕組みは、ワム!の「Last Christmas」や、ビング・クロスビーの「White Christmas」などにも当てはまります。古い曲でも再生され続ければ、経済的価値は下がらないのです。

日本やZ世代にも広がるクリスマス音楽市場

日本では、山下達郎の「クリスマス・イブ」が長年の定番曲です。CD全盛期からデジタル配信へと時代が変わっても、12月になると再び注目されます。

近年は、TikTokやInstagramの影響で、
アリアナ・グランデ「Santa Tell Me」
Stray Kids「Christmas Love」
といった比較的新しい曲も、Z世代を中心に広がっています。

SNSでの流行は、ストリーミング再生数を押し上げ、結果として音楽会社やアーティストの収益につながります。流行と経済が直結する時代になっているのです。

音楽が消費行動を後押しする理由

クリスマスソングは、気分を高める効果があります。
店内で音楽が流れると「今は特別な時期だ」と感じやすくなり、プレゼントや外食への支出が増える傾向があります。

実際、欧州のクリスマスマーケットでは、音楽演出も含めた「体験」が消費を支えています。音楽は単なるBGMではなく、消費を促す経済装置の一部なのです。

まとめ
  • クリスマスソングは毎年需要が戻る特殊な音楽商品
  • マライア・キャリーの楽曲は年間数億円規模の収益を生む
  • ストリーミング再生が収益の中心
  • 店舗や広告で消費行動を後押しする
  • SNS時代は若い世代の再発見が重要

私たちが何気なく聴いている音楽は、実は多くの人の仕事や収入につながっています。
「なぜこの曲は毎年流れるのか」「誰が、どこで、どんな形でお金を得ているのか」と考えると、音楽の見え方が変わります。

クリスマスソング以外にも、夏に必ず流れる曲や、CMでよく使われる音楽があります。それらはなぜ選ばれるのでしょうか。
身近な音楽をきっかけに、消費・価格・ビジネスモデルの仕組みを調べてみると、経済はもっと身近で面白いものになります。ーマについても考えてみませんか。

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