龍谷大学経営学部×GOOD NATURE MARKET:廃棄寸前のりんごが美味しいマドレーヌに!

龍谷大学藤岡ゼミ×GOOD NATURE MARKETが未利用資源を活用したアップサイクル商品を共同開発 | ニュース | 龍谷大学 You, Unlimited

龍谷大学経営学部藤岡ゼミナール(以下藤岡ゼミ)と、ビオスタイルが運営する複合型商業施設 GOOD NATURE STATION のオリジナルフードブランド「GOOD  NATURE MARKET」は、「GOOD CACAO」より日本茶に...

食品ロスは世界中で大きな問題となっています。
そんな中、龍谷大学経営学部の藤岡ゼミが、新しいアイデアで食品ロスを減らす取り組みを進めています。同ゼミの学生たちは、本来捨てられる運命にあった「摘果りんご」を活用し、新たな価値を持つ焼き菓子を開発しました。

このプロジェクトは食品ロス削減だけでなく、環境への負荷軽減や持続可能な社会の実現にも貢献しています。龍谷大学の取り組みを中心に、アップサイクル食品が食品ロス削減にどのようにつながるのかを考えてみましょう。

龍谷大学が開発した「摘果りんごのマドレーヌ」

未利用資源を活用した焼き菓子
龍谷大学藤岡ゼミと商業施設「GOOD NATURE MARKET」が共同開発した「摘果りんごのマドレーヌ」は、青森県弘前産の摘果りんごを使用した焼き菓子です。
摘果りんごとは、りんごの栽培過程で間引かれ、通常廃棄される未熟な果実のこと。このマドレーヌは日本茶と相性の良い爽やかな味わいが特徴です。

学生たちの取り組み
このプロジェクトでは、藤岡ゼミの学生6名が、食品ロスを減らすためにどんな工夫ができるかを調べ、次のような活動を行いました。

  • 食品ロスとアップサイクルの研究
  • 市場調査とターゲット分析(「おうち時間を楽しむ女性」をメインターゲットに設定)
  • パッケージデザインと価格設定(消費者視点での工夫)
  • SNSを活用したプロモーション活動

結果として、保存期間が1年間と長く、環境にも優しい商品が誕生しました。

環境問題への取り組み

この「摘果りんごのマドレーヌ」は、単においしいお菓子というだけでなく、環境問題について考えるきっかけにもなります。
捨てられていたものを活用することで、食品ロスを減らし、資源を有効活用する。そんな「アップサイクル」の考え方を、お菓子を通じて広めようとしているのですね。

過去の取り組み:「アラビアン ナッツ&スパイス」

実は藤岡ゼミの学生たちは、2022年にも同様の取り組みをしていました。その時は「アラビアン ナッツ&スパイス」という調味料を開発しました。この調味料には、ふだん捨てられてしまう食材が活用されています。
例えば:

  • カカオハスク(カカオ豆の皮)
  • みかんの果皮(陳皮)
  • ぶどう山椒

これらの素材を使うことで、捨てられていたものに新しい価値を見出しています。

アップサイクルとは?

アップサイクルとは、廃棄されるはずだったものに新たな価値を加え、新しい製品として生まれ変わらせることを指します。食品業界では、規格外野菜や製造過程で発生する副産物を活用し、新しい食品として再利用する手法が注目されています。

例えば:

  • 規格外野菜を使ったスープ
  • 廃棄予定のパンを活用したクラフトビール
  • 酒粕を使用したグラノーラ

これらの事例は、食品ロスを削減しながら新たな食の可能性を広げています。

アップサイクル食品が食品ロス削減に貢献する理由

廃棄物の削減
規格外品や副産物を有効活用することで、食品廃棄物の量を減らせます。摘果りんごや野菜の皮などは通常捨てられますが、商品化することで無駄がなくなります。

CO2排出量とエネルギー消費の削減
新たな食材の栽培や輸送が不要になるため、生産過程でのCO2排出量やエネルギー消費を削減できます。地元の規格外野菜を活用すれば、輸送距離を短縮できるメリットもあります。

水資源の節約
アップサイクル食品は、新たな農作物を栽培する際に必要な水の使用量を減らせます。例えば、パンくずを再利用したビールでは、従来の製法よりも水の使用量が約50%少なく済むとされています。

他にもある!アップサイクル食品の例

以下は、アップサイクル食品の代表的な例です。

  • バナナの皮を使ったジャム:バナナの皮の甘みを活かし、新たなスイーツに。
  • 規格外野菜チップス:形が不揃いな野菜や果物を美味しいスナックに。
  • 酒粕を使ったグラノーラ:酒粕と豆類を活用した栄養価の高い朝食食品。

これらの商品は、環境負荷を抑えつつ、食の楽しみを広げています。

龍谷大学プロジェクトから学べること

藤岡ゼミの学生たちが取り組んだ「摘果りんごのマドレーヌ」の開発は、食品ロス削減の意識を高めるだけでなく、消費者にも環境問題への関心を広めるきっかけになります。このような活動は、持続可能な社会(SDGs)の実現に向けた重要なステップとなります。

まとめ
  • アップサイクル食品は、廃棄される食材に新しい価値を加えた商品
  • 食品ロス削減だけでなく、水資源やエネルギー消費削減にも貢献
  • 龍谷大学の「摘果りんごマドレーヌ」はその成功例

私たちも、日常生活でアップサイクルや食品ロス削減に貢献できます。

  • 家庭で余った食材を活用した新しいレシピに挑戦する。
  • スーパーで規格外品コーナーの商品を選ぶ。
  • アップサイクル食品を積極的に購入する。

こうした小さな行動が、大きな変化につながります。
例えば、家庭で余った野菜の皮をスープに活用したり、食品ロス削減に取り組む企業の商品を選んだりすることも、持続可能な社会への一歩です。「もったいない」を「新しい価値」に変える力は、私たち一人ひとりの手の中にあります!

龍谷大学

経済学部 上山 美香先生との

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