高校生が大学運営に!?立命館アジア太平洋大学の「特命副学長制度」応募開始

「大学運営」と聞くと、大人や専門家だけが関わるものと思うかもしれません。しかし、立命館アジア太平洋大学(APU)では、高校生が大学運営に参加できるユニークな制度を導入しています。それが「高校生特命副学長制度」です。
この制度では、高校生が大学運営の一部を担い、未来の教育について提案を行います。この制度の魅力や役割、さらに大学運営が直面する課題について見てみましょう。

立命館アジア太平洋大学(APU)とは?

APUは2000年に大分県別府市に設立された国際色豊かな私立大学です。日本国内の他の大学とは異なり、設立当初からグローバルな教育環境を重視しており、学生の約50%が世界100以上の国と地域から集まる留学生です。このため、多文化共生環境が整い、異なる文化や価値観に触れる機会が豊富にあります。
また、英語と日本語の二言語教育を採用しており、どちらの言語でも学位を取得可能で、国際社会で活躍できる人材の育成を目指しています。

学部紹介

  • アジア太平洋学部:国際関係や社会問題を学ぶ
  • 国際経営学部:ビジネスと経済を学ぶ
  • サステナビリティ観光学部:観光と環境問題を学ぶ

また、「Shape Your World」をスローガンに掲げ、多文化交流や実践的な学びを通じて、世界で活躍できる人材を育成しています。

立命館アジア太平洋大学キャンパス
ウェブサイトより
高校生特命副学長制度とは?

制度の目的
高校生特命副学長制度は、2024年にAPUが導入した新しい取り組みです。この制度では、高校生が大学運営に直接関わり、「未来の教育」について意見を述べたり、改善案を提案したりします。これは、APUの学長が掲げる「Leap Beyond Global」プランの一環で、多様な視点を取り入れることで新しい教育モデルを作ることを目指しています。

応募条件

  • 日本国内在住の高校1年生または2年生(2025年4月時点)
  • 教育や社会に変化をもたらしたいという強い意志を持つ人
  • 課題解決に取り組む意欲と未来志向を持つ人

活動内容

  • 大学運営への提言:高校生ならではの視点で「未来の大学像」を考える
  • 調査活動:他大学や企業との比較調査や社会ニーズの分析
  • 情報発信:提言内容や活動報告をイベントやメディアで発信
  • キャンパス訪問・オンライン会議:月1回程度の訪問やオンラインディスカッション

活動期間は2025年6月から2026年3月までで、平日の夜や休日、長期休暇期間に行われます。また、副学長として採用されると報酬も支払われます。

選考スケジュール

  • 募集期間:2025年2月3日(月)午前10時~2025年4月14日(月)午前10時
  • 選考期間:2025年5月
  • 活動期間:2025年6月~2026年3月
大学運営が直面する課題

1. 少子化による学生数減少
日本では少子化が進んでおり、多くの大学が学生確保に苦労しています。特に地方大学では、入学者の減少により収入が減り、学部の統廃合やキャンパスの縮小といった経営上の決断を迫られるケースも増えています。また、教育の質を維持するための教員確保や研究環境の充実が難しくなるなど、大学の持続可能性にも大きな影響を与えています。

2. デジタルトランスフォーメーション(DX)の遅れ
オンライン授業やデジタル化への対応が求められていますが、ICTリテラシーの不足やシステム導入コストなど、多くの課題があります。

3. 国際化と多文化共生
グローバル化に対応するため、留学生の受け入れ体制や多文化共生環境の整備が必要です。APUはこの分野で先進的ですが、日本全体では改善の余地があります。

4. 学生支援と教育内容の充実
学生一人ひとりに合った支援や、新しい社会ニーズに対応した教育プログラム作りも重要な課題です。

高校生が選ばれる理由

高校生は未来社会を担う世代であり、その視点は非常に貴重です。例えば、

  • 「オンライン授業をもっと充実させたい」
  • 「多文化交流プログラムを増やしたい」

など、実際に学ぶ立場だからこそ気づく点も多いでしょう。また、このような活動は、高校生自身にも大きな成長機会を提供するのではないでしょうか。

まとめ
  • APUは多文化共生環境と二言語教育を提供する国際大学
  • 高校生特命副学長制度は、高校生が大学運営に参加するユニークな取り組み
  • 現代の大学運営には少子化やDX推進など多くの課題がある
  • 高校生ならではの視点がこれらの課題解決に貢献する可能性がある

この制度は、高校生自身が「未来」を形作る貴重なチャンスです。応募することで、大学運営の実際を学びながら、自分の意見を社会に発信する機会を得られます。また、他の優秀な高校生や大学関係者と交流し、新たな視点を得ることもできます。
さらに、このような経験は進路選択にも役立ち、「自分ならどんな教育環境を作りたいか?」という問いから、新しい発見につながるかもしれません!

立命館アジア太平洋大学

国際経営学部 梁 晸宇先生との

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