日本の中央銀行である日銀は、本日6/16の会議で、大規模なお金を出す政策(金融緩和政策)を変えずに続けることを決めました。物価(モノの価値)が目標としている2%を大幅に上回っていますが、日銀は物価が上がり続けることが経済に良い影響を与えないと考え、景気を回復させるためにお金を出し続けることにしました。
この決定は全員の合意のもと行われました。日銀は、銀行が預けるお金にマイナスの利率を適用し、国の借金の利率も0%程度にする「長短金利操作」を現状のまま続けることにしました。
※日本にある銀行は余っているお金を日本銀行に預けることができるが、今は日本銀行に預けると利息を取られてしまう。だから銀行は余っているお金を、お金が足りなくて困っている会社などに貸し出して欲しいと日本銀行は考えている。
今回の会議は、4月に新しい総裁になった植田和男さんにとって2回目の会議でした。前の総裁が始めた「異次元のお金を出す政策」の悪い影響を減らすため、政策を変えるかどうかが大きな焦点でした。しかし、植田さんは5月の話し合いで、「物価目標の2%に近づいてきた、これまでの政策の成果をなくすのは大きなコスト」と言い、お金を出し続ける方針を示しました。
ウクライナの危機による資源価格の上昇や、円の価値が下がることによる輸入品の値上がりにより、4月の物価は前年同月比で3.4%上がり、去年の9月から8ヶ月連続で3%以上の上昇となりました。しかし、日銀が4月に示した予想では、物価の上がり方は今年の半ばまでに2%を下回り、その後再び上昇すると予想されています。植田さんは5月に行ったインタビューで、物価が安定する目標を達成するために、年の後半に物価がどう動くかを「じっくり見たい」と話していました。
植田さんは16日の午後に記者会見を行い、なぜお金を出し続けることを決めたのかを説明します。
みなさんに考えて欲しいポイント
- お金の役割:
日銀の金融政策は、景気を回復させるためにお金を出すことを意味します。お金の役割や経済の仕組みについて考えてみましょう。 - 物価の上昇:
日銀は物価上昇率を目標としていますが、安定的な上昇を目指しています。物価の上がり方が生活にどのような影響を与えるでしょうか。 - 経済に影響すること:
ウクライナ危機や為替の変動など、経済を左右する理由はさまざまです。世界の出来事が経済にどのような影響を及ぼすのかをニュースなどで知ることが大事です。 - 政策の意味:
日銀の政策決定は経済や国民の生活に大きな影響を与えます。日銀の方針決定の理由やその意味を考えて、社会の動きを気にしましょう。 - 将来への影響:
日銀の金融政策は将来の経済や物価にも関係します。自分たちの将来や社会全体の将来について考え、経済の動向に関心を持つことが重要です。
これらのポイントを考えることで、経済がどんな考え方で成り立っているかを少しでも知ることができ、将来の社会や自身の役割について考えるきっかけとなるでしょう。