毎月16万円のベーシックインカム実験:お金だけでは幸せになれない?

ある調査で毎月約16万円が支給されるも、暮らしや健康の向上に効果ナシ | ギズモード・ジャパン

夢のベーシックインカム、全然ダメだった...。OpenAIのCEOサム・アルトマンはベーシックインカムの提唱者としても有名です。おそらく、人工知能が数百万の仕事を排除し、労働年齢人口の大部分を労働力から追い出すというアルトマンのビジョンを正当化できるからというのも理由かもしれません。ただ、アルトマン自身が資金提供した研究で、ベーシックインカムはアルトマンが望んでいたことを実際にはできない可能性が

ベーシックインカムって聞いたことはありますか?働いていても、いなくても、毎月決まったお金がもらえる制度です。でも、それが本当に生活や健康に役立つのでしょうか。今回はアメリカで行われた実験について紹介した記事です。

ベーシックインカムの実験とは?

OpenAIの社長、サム・アルトマンさんはベーシックインカムの提案者として有名です。OpenAIはChatGPTを開発したことで有名です。

彼が支援した研究では、2020年から2023年にかけて、アメリカの貧しい家庭の人たちに日本円にすると約16万円を毎月渡して、その影響を調べました。対象は1000人で、比較対象として別の2000人には毎月8000円が支給されました。

期待した効果はなかった?

この研究では、毎月のお金が生活費や食べ物に使われた一方で、良い仕事を得るための助けにはならなかったと分かりました。また、教育や訓練に使われることも少なく、ベーシックインカムが期待されたような効果を発揮しなかったのです。

起業への関心も増えず

研究によると、お金をもらったことで起業しようとする人もいましたが、実際に成功した人は少なかったです。お金だけでは起業に必要なすべての要素をカバーできなかったのです。

労働時間の減少も

ベーシックインカムを受け取った人たちは、働く時間が減ったという結果もありました。お金があることで、仕事をせずに休むことができたからです。

健康改善にも影響なし

一部の受給者は医療費にお金を使いましたが、全体的な健康状態には大きな変化はありませんでした。調査によると、身体的健康や精神的健康の改善も見られなかったのです。

まとめ
  • ベーシックインカムは生活費の補助にはなったが、社会的地位の向上や仕事の質の向上にはつながらなかった
  • 起業への関心は増えたが、実際の成功には至らなかった
  • 労働時間が減少し、健康改善にも大きな影響はなかった

他の国でもベーシックインカムの実験が行われました。例えば、フィンランドでは全国民を対象にしたベーシックインカムの試験が行われました。詳しくは以下の記事を読んでみましょう。

今回の実験でわかったことは、少額のお金だけでは生活や健康を大きく改善するのは難しいということです。
ではどんな対策があれば貧困や健康の問題を解決できると思いますか?また、あなたなら毎月16万円もらえるなら、働きませんか?これをきっかけに、貧困や社会保障について、仕事をする意味や目的について一緒に話し合ってみましょう。

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記事作成者

清水 裕矢 | Shimizu Yuya
清水 裕矢 | Shimizu YuyaProgress CFO / こども未来投資プロジェクト 代表理事
山口県防府市出身。大学卒業後に学習塾講師、パソコンインストラクター/営業を経て、外資系産業ガス企業に入社。以降、複数企業・複数業種の財務経理責任者・CFO歴任。こどもの金融リテラシー講座 CA$H! 講師/カリキュラム・テキスト作成。
「会計・IT・英語があれば、仕事に困らない」がポリシー。nine inch nailsやMetal Coreを愛聴。