バズウィット原宿オープン!EC発Z世代ブランドがリアル店舗をつくった理由
株式会社アンドエスティHDのプレスリリース(2026年2月17日 09時30分)ついに画面を飛び出した!Z世代の“今”がリアルへ!30以上のECブランドを展開する株式会社BUZZWITが、初のブランド複合ショップ 「BUZZWIT原宿」を3月14日(土)にラフォーレ原宿にオープン
2026年3月、アンドエスティHDグループのバズウィット(BUZZWIT)が東京・ラフォーレ原宿に初の常設リアル店舗「バズウィット原宿」をオープンしました。これまで39のZ世代向けブランドをEC中心に展開してきた企業が、あえて家賃や人件費がかかる店舗を構えた背景には、どのような経済的な狙いがあるのでしょうか。
オンラインで売上を伸ばしてきた企業が、なぜ“店”を必要としたのか。若者ファッションの話題に見えて、小売ビジネス全体の変化を考えるヒントが含まれています。
Q. バズウィットのようなEC専業のファッション企業が、ラフォーレ原宿に初のリアル店舗を出した大きな目的のひとつとして、事実に近いのはどれでしょうか。
A. オンラインよりも大幅に高い値段で売るために、リアル店舗に販売を切り替えるため
B. 来店したお客さんの行動や好みを直接観察し、商品企画やブランド運営に生かすため
C. オンライン販売をやめ、リアル店舗中心のチェーン展開に一気に切り替えるため
→正解は「B. 来店したお客さんの行動や好みを直接観察し、商品企画やブランド運営に生かすため」です。
バズウィットは、Z世代向けのECブランドを39展開し、主な販路として大手ファッションECサイトを使ってきました。 一方で、短期間のポップアップだけでは、お客ごとの行動データが限られるため、「お客さまをより深く知る必要がある」として、ラフォーレ原宿に常設店を開く判断をしています。
店では、どのブランドに人が集まるか、どの価格帯が手に取られているかといった情報を、リアルな場で継続的に集められます。
バズウィットの成長とECモデル
バズウィットは2016年に事業を開始し、主に「ZOZOTOWN」などのファッションECサイトを通じて販売を拡大してきました。2025年2月期の売上高は前期比5.6%増の122億円と報じられています。
特徴のひとつは、社員自身がインフルエンサーとしてSNSで発信し、ブランドディレクターも兼ねる体制です。インフルエンサー社員は約15人とされ、顔が見えるブランド運営を行っています。一方で、特定の個人に依存しないブランドも展開し、売上構成の偏りを抑えています。
ECは在庫管理や全国販売に強みがありますが、画面越しでは来店客の動きや滞在時間までは把握しにくい面があります。そこで同社は、次の段階の成長を見据えた動きを取りました。
原宿店で集める「行動データ」
2026年3月14日に開業した「バズウィット原宿」は、売り場面積約105平方メートルで、39ブランドのうち10ブランドを編集して展開しています。商品構成はウィメンズ7割・メンズ3割で、アウター7,000〜15,000円、トップス3,500〜7,000円、ボトムス4,000〜8,000円という価格帯です。
店内にはメリーゴーランドやボクシングリング風のコーナーが設けられ、写真や動画を撮りやすい空間になっています。オープン初日には、ブランドディレクターであるインフルエンサーが店頭に立ち、館内の階段を一周するほどの行列ができたと報じられました。
リアル店舗では、
- どのブランドに人が集まるか
- どの価格帯の商品が手に取られるか
- 売り場の構成を変えたときに反応がどう変わるか
といった情報を継続的に観察できます。
なぜ、売上122億円まで成長しているにもかかわらず、こうした場が必要なのでしょうか。それは、売上数字だけでは「誰がどんな理由で選んだか」までは分からないからです。経済では、数量データと行動データの両方が意思決定に影響します。
スタッフにファンがつく時代 「人」が集客資源になる
バズウィット原宿では、ブランドディレクター兼インフルエンサーの来店イベントが告知され、日付ごとに参加予定スタッフが紹介されました。すでにSNS上で支持を集めているスタッフには、それぞれにファンがついています。
これは、集客の仕組みが変化していることを示します。従来は立地や広告が来店の主因でした。しかし現在は、「誰が売り場に立つか」が来店動機になります。服を買いに来るだけでなく、「その人に会いに来る」という行動が生まれています。
企業にとってスタッフは労働力であるだけでなく、集客資源にもなっています。どのスタッフの時間帯に人が集まるかといった反応は、今後のブランド戦略にも影響します。

株式会社アンドエスティHD プレスリリースより
インバウンドとの接点
バズウィットは越境EC(国をこえて海外の人にネットで商品を売ること)を行っていません。一方で、台湾を中心に海外フォロワーを持つブランドもあります。原宿は訪日客が多いエリアとして知られています。リアル店舗は、海外ファンが日本滞在中に商品を手に取る窓口にもなります。
国内のZ世代だけでなく、アジア圏の若者の購買行動も観察できることは、今後の商品企画や価格設定を考える材料になります。小売業にとって店舗は販売の場であると同時に、市場調査の場でもあります。

まとめ
- バズウィットは39のEC専業ブランドを展開
- 2025年2月期売上高は122億円で前期比5.6%増
- 2026年3月ラフォーレ原宿に初の常設店を開業
- 店舗は約105平方メートルで10ブランドを編集展開
- 目的は販売拡大だけでなく顧客行動の把握
- 訪日客との接点づくりも視野に入れている
オンラインで商品を買うことが当たり前になった時代でも、企業はなぜ店舗に投資するのでしょうか。あなたが利用しているブランドは、どのように顧客データを集めているのでしょうか。アプリの利用履歴、来店履歴、SNSでの反応など、企業は複数の情報を組み合わせて戦略を考えています。
今後、越境ECやインバウンド需要が広がったとき、リアル店舗の役割はどのように変わるでしょうか。ニュースを読むとき、売上数字だけでなく「企業が何を知ろうとしているのか」という視点でも考えてみてください。


