中国が倹約令を強化!公務員と市民に広がる節約の波とは

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最近、中国で話題の「倹約令」は、公務員や市民に無駄遣いをさせないルールです。豪華な会食や高級品を控え、将来のためにお金を残す人が増えています。
しかし、節約ばかりだとお店の売上が減り、経済に悪影響が出ることもあります。中国以外でも、世界の国々で同じような節約政策が行われてきました。この倹約令の内容や背景、世界の事例を見てみましょう。
あなたは倹約をしていますか?

中国の「倹約令」とは?

公務員の無駄遣いを止めるために
中国政府は2025年に公務員の無駄遣いを防ぐため「倹約令」を強化しました。会食では酒や高級料理、たばこは禁止です。公用車の高級化やオフィスの豪華な飾りも制限されます。
背景には、過度な飲酒による公務員の事故が相次いだことがあります。違反した場合は厳しい罰を受けます。

若者や市民の節約ブーム
最近、中国では将来が不安でお金を使わずに貯める人が増えています。SNSではお弁当作りや買い物の工夫など、節約テクニックが共有されています。貯金アプリの人気も高まっています。「お金を使わず、未来に備える」という意識が強まっています。

節約が経済に与える影響

消費が減るとどうなる?
人々がお金を使わないと、お店や企業の売上が減ります。その結果、働く人の給料が減ったり、経済全体の成長が遅くなったりします。中国政府はお金を使ってほしいと考えていますが、不安から「とにかく貯金」という人が多いのが現状です。

銀行や地方政府も節約中
銀行や証券会社では社員の給料やボーナスが減らされています。高級な服や時計も職場で禁止です。地方政府もお金が足りず、公務員の給料を減らしたり支払いを遅らせたりしています。国全体で「お金の使い方を見直す」動きが進んでいます。

世界の節約ルールの例

ヨーロッパやアメリカの緊縮政策
中国だけでなく、過去にも多くの国が節約政策を行ってきました。1920〜30年代の大恐慌や2008年のリーマンショックの後、イギリスやドイツなどは政府の支出を大幅に削り、福祉や教育の予算を減らしました。公務員の給料カットや増税もありました。

まとめ
  • 中国の倹約令は公務員の無駄遣いを禁止するルール
  • 若者や市民も将来の不安から節約している
  • 節約が続くと経済の成長が鈍る
  • 世界の多くの国も緊縮政策を行ってきた
  • 政府の支出を減らすことで得と損の両面がある

中国の厳しい倹約令には「やりすぎ」という声もあります。3人以上の公務員が一緒に食事をできないルールなど、SNSで議論されています。また、若者の節約ブームが経済の元気をなくすのではないかと心配されています。

中国や他国の倹約令は、社会全体のお金の流れに影響します。お金を使えばお店が儲かり、働く人の給料も増えますが、無駄遣いは減らした方が良いこともあります。自分がどこでお金を使い、どう貯めるのかを考えることはとても大事です。家族や友達と「どうやって上手にお金を使うか」について話してみてください。そして、世界の経済ニュースにも目を向けてみましょう。