もうすぐ閉幕!大阪・関西万博「未使用チケット」と「高額転売」問題

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250922/k10014929951000.html

2025年の大阪・関西万博では、10/13での閉幕が迫る中で「未使用チケット」が大きな問題になっています。すでに累計で2,186万枚以上のチケットが発券されましたが、実際の来場者数は2,000万人強にとどまり、140万枚以上が使われないまま残る見込みです。
一方で、人気が集中した日時には高額転売が横行しました。なぜ半年の開催期間があったにもかかわらず、このような事態が起きたのでしょうか。

万博で起きたチケット問題

大阪・関西万博では、2つの大きなチケット問題が発生しました。

1. 入場券の高額転売
日時指定制によって公式サイトの予約枠が満員となり、「どうしても行きたい」人々の間で転売が活発化しました。中には定価7,500円の1日券が約3万9,000円で売買されたケースも報告されています。協会は「正規ルート以外のチケットは無効」と警告しましたが、需要の高さが転売を後押ししたのです。

2. 大量の未使用券
累計で2,186万枚以上が販売された一方、実際に使われないまま残るチケットは少なくとも140万枚以上に達する見込みです。「買ったのに入場できなかった」「予定が合わなくなった」という人々が多く、問題は拡大しました。

なぜ未使用券が発生したのか

予約制と交通の制約
会場は大阪湾にある人工島「夢洲」に位置し、交通手段には限界があります。安全確保のために日時指定制が導入されましたが、枠がすぐに埋まり、チケットを持っていても予約ができない人が続出しました。

発券枚数の多さ
協会は来場目標2,820万人に合わせて大量に発券しましたが、輸送力や予約枠の上限を十分に考慮しなかったことが指摘されています。その結果、実際の来場可能数と販売枚数にずれが生じました。

払い戻し不可の仕組み
入場券は原則として払い戻しができません。そのため、「とりあえず買っておいたが使えなかった」というケースや、企業購入分が配布されずに余るケースが多く見られました。

閉幕直前の駆け込み需要と心理

半年の会期があったにもかかわらず、閉幕前に需要が集中したのは心理的要因が大きい可能性があります。

  • 希少性の心理:「もう終わる」と思うと特別感が増し、「今行かないと損」と考える。
  • FOMO(取り残される不安):SNSで他人の体験を見て、自分だけ参加できないことへの不安が高まる。
  • バンドワゴン効果:「みんな行っているから自分も行きたい」と流行に乗る心理が働く。

これらが重なり、閉幕直前に駆け込み需要が急増しているのではないでしょうか。

まとめ
  • 万博では高額転売と140万枚以上の未使用券が発生
  • 主な原因は予約制、交通の制約、払い戻し不可、発券枚数の多さ
  • 閉幕前の需要集中には「希少性」「FOMO」「バンドワゴン効果」が影響

今回の万博チケット問題は、「需要と供給」という経済の基本を学ぶ良い題材です。需要(行きたい人)が供給(入場枠)を超えると、価格高騰や未使用券の発生といった問題が生まれます。
今後の大規模イベントでは「価格を変動させる仕組み」「予約制度の柔軟化」「転売防止の技術導入」など改善の余地があります。家庭や学校でも「どうすれば公平で安心できる仕組みを作れるか」を考えることで、経済や社会の理解を深めるきっかけになるでしょう。