なぜ暗号資産取引所は狙われる?コインチェック X乗っ取り事件
Xアカウント(coincheckjp)の不正ログインについて ※4/28 12:30更新, 14:30更新, 15:50更新,17:30更新, 18:40更新 |コインチェック株式会社
2025/4/28 18:40更新【全サービス再開のお知らせ】Coincheckにおける全てのサービスの一時停止について Coincheckにおける全てのサービスの再開が完了しましたので、お...
「コインチェック」という名前を聞いたことはありますか?日本で有名な暗号資産(仮想通貨)の取引所で、2025年4月に公式X(旧Twitter)アカウントが乗っ取られる事件が起きました。サービスが一時停止し、多くの利用者に不安が広がりました。
実は過去にも大規模な流出事件を経験しており、暗号資産業界はサイバー攻撃の標的になりやすいと言われています。なぜこの業界が狙われるのか?そして、私たちはどうすれば自分の資産を守れるのか?
コインチェックの事例をもとに、暗号資産とセキュリティの今を考えてみましょう。
コインチェックとはどんな会社?
コインチェックは、ビットコインやイーサリアムなどの暗号資産を売買できる取引所を運営する日本の企業です。2012年に設立され、初心者でも使いやすいスマートフォンアプリが特長で、国内でも利用者が多いことで知られています。
提供されている主なサービス
- 貸暗号資産:保有資産を貸し出し、利息を得る仕組み
- Coincheckつみたて:毎月決まった金額で暗号資産を自動購入
- NFTマーケットプレイス:デジタルアートなどのNFTの売買が可能
- IEO:新しい暗号資産プロジェクトへの投資支援
- Coincheckでんき・ガス:電気やガス料金の支払いとビットコイン獲得が可能
さらに、金融庁の登録を受けた正式な暗号資産交換業者であり、2018年以降はマネックスグループの一員としてセキュリティ対策にも力を入れています。
2025年:SNSアカウント乗っ取り事件の発生
2025年4月28日、コインチェックの公式Xアカウントが不正アクセスを受け、偽の情報や危険なリンクが投稿されました。これにより、利用者がフィッシング詐欺の被害にあう可能性があると判断され、サービスを一時的に全面停止しました。
被害状況と対策
幸いにも、資産の流出はなく、システム本体も無事でした。コインチェックはすぐに不正投稿を削除し、セキュリティ対策を徹底したうえで当日中にサービスを再開しました。この出来事から、SNSのセキュリティがいかに重要かが明らかになりました。
実は以前にも…2018年の大規模ハッキング事件
2018年1月、コインチェックは約580億円相当の暗号資産「NEM(ネム)」をハッキングにより失うという、歴史的な大規模流出事件を経験しました。原因はセキュリティの甘さにあり、ホットウォレットでの管理やマルチシグネチャ未導入などの問題が指摘されました。
事件後の改善策
- 資産の大部分をコールドウォレットで管理
- マルチシグネチャの導入
- 社内セキュリティ体制の強化
これにより、信頼回復と業界全体のセキュリティ意識の向上につながりました。
世界で続発する暗号資産の不正アクセス
コインチェックに限らず、国内外の多くの暗号資産取引所がハッキングの被害を受けています。
最近の主な事例
- DMMビットコイン(日本/2024年):約482億円相当の流出
- Bybit(海外/2025年):2200億円規模の被害、史上最大級
- リキッド(日本/2021年):約110億円の損失
- KuCoin(海外/2020年):約281億円の流出
こうした攻撃の背景には、高度化する技術や国家的規模のサイバー攻撃集団の存在があります。

暗号資産を安全に使うためにできること
暗号資産の利便性と魅力は大きい一方で、利用者にも責任ある行動が求められます。
取引所側の対策
- コールドウォレットによる管理
- マルチシグ導入
- 24時間体制での監視
- サイバー保険への加入
ユーザーができる基本対策
- 二段階認証(2FA)の設定
- 強固で複雑なパスワードの使用と管理
- フィッシング詐欺を見抜く力をつける
- ソフトウェアを常に最新に保つ
- 金融庁に登録された信頼性の高い取引所を選ぶ
まとめ
- コインチェックは暗号資産取引所の一つ
- 2025年のSNS乗っ取り事件では資産流出はなかった
- 2018年の大規模流出事件以降、セキュリティ対策を強化
- 国内外の取引所で不正アクセスが続発しており、対策が不可欠
- ユーザーも自ら情報リテラシーを高め、安全な運用を心がけること
暗号資産だけでなく、私たちの日常生活においてもオンライン上のセキュリティは不可欠です。SNS、オンラインバンキング、ネットショッピングなど、あらゆるサービスで不正アクセスのリスクは潜んでいます。企業にとっては顧客の信頼が、私たちにとっては大切な資産がかかっています。
今一度、自分のスマホやパソコンの設定を見直してみませんか?未来のデジタル社会を安全に生きるために、今日からできることを始めましょう。