暗号資産急落でトランプ大統領の資産が大幅減少!暗号資産はなぜ乱高下する?
2025年秋、暗号資産(仮想通貨)の価格が急落しました。アメリカのドナルド・トランプ元大統領が保有していた暗号資産や関連企業の株価も値下がりし、純資産が大きく減ったことがニュースになりました。
価格変動の背景には、投資家の行動・金融政策・企業の財務戦略など、複数の要因が重なっています。暗号資産はなぜこれほど値動きが大きいのでしょう。政策と個人の保有が重なると何が問題になるのでしょう。
トランプ氏の資産に何が起きたのか
2025年11月、トランプ氏の純資産は約11億ドル減少し、62億ドルになりました。背景には、同氏が大株主であるトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ(TMTG)の株価下落があります。TMTGは2025年第3四半期の決算で、売上約1億5,000万円に対し85億円超の損失を計上しました。さらに、暗号資産市場全体の下落も資産に影響しました。トランプ氏は2024年にWorld Liberty Financial(WLFI)を共同創業し、自社トークン「$WLFI」を発行。発行直後に0.31ドルから0.158ドルへ下落し、資産価値が急減しました。こうした複数の値下がりが同時期に重なったことが資産減少の主因です。
暗号資産が下落した理由
2025年10〜11月にかけて、ビットコインやイーサリアムなど主要暗号資産の価格が急落しました。下落要因は複数のニュースで共通して報じられており、事実として以下が確認されています。
- 長期保有者(クジラ)が大量売却し、レバレッジ取引の精算が連鎖して売り圧力が強まった。
- 米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げに慎重姿勢を示し、投資家のリスク回避姿勢が広がった。
- 暗号資産を購入していた企業が買い増しを停止し、「現物ETF」への資金流入も鈍化した。
- 市場参加者が株式市場に比べ少なく、1つの注文やニュースでも価格が大きく動く特性があらためて表面化した。
同時期には、金融メディアが「流動性の低さが価格変動をさらに大きくしている」と指摘しました。
トランプ氏が暗号資産を保有する理由と政策の関係
トランプ氏は2024年以降、分散型金融(DeFi)事業への参入を進め、自社トークンを活用した事業拡大を公表してきました。この動きに合わせ、選挙活動でも暗号資産の規制緩和や支援策を発表し、業界団体から支持を集めていました。
一方で、米議会やメディアは「自ら保有する暗号資産と政策内容が連動している」と指摘し、利益相反に関する調査が進行中です。これは「政治家がどこまで資産を公開し、政策との関係を透明化すべきか」という国際的な議論とも重なっています。

暗号資産が大きく動きやすい理由
暗号資産は株式と比べて価格変動が激しい特徴があります。主な理由は次のとおりです。
- 株式市場や為替市場とは違い、市場の歴史が浅く、参加者が限られているため、大口取引の影響が直接価格に反映される。
- 法制度が発展途上で、規制や発表内容に即座に市場が反応しやすい。
- SNSで投資家心理が変わりやすく、有名人の発言が短時間で価格を動かす。
- 24時間取引されており、夜間の薄い時間帯で急激な値動きが起こりやすい。
まとめ
- トランプ氏の純資産は株価と暗号資産の下落で大幅減少
- 暗号資産の急落は大口売却・金融政策・需給悪化が要因
- WLFIトークンは発行直後に半値まで下落
- 政策と個人資産の関係で利益相反の調査が進行中
- 市場の未成熟さとSNSの影響で価格変動が大きい
今回のニュースは、「資産の値段は何で変わるのか」「政治や政策とお金の関係はどこまで透明であるべきか」を考える良いきっかけになります。
もし自分が国のリーダーだったとして、どんな資産を持ち、どのように公開すべきでしょうか。また、暗号資産のように値動きの大きい投資商品を持つことには、どんなリスクがあるでしょうか。家庭や学校で「価格はどんな情報で動くのか」「SNSの影響をどうとらえるべきか」など、経済の基礎につながるテーマを話し合ってみてください。
