減っていく図書館…電子時代に図書館は不要なのか?
進む図書館の統廃合 各地で何が? 新たな図書館の役割は? | NHK | WEB特集 | 教育
【NHK】「近くの図書館がなくなる…」NHKの情報提供窓口「ニュースポスト」に届いた1件の投稿。私たちの身近にある図書館にいったい…
日本全国で図書館の閉館が進んでいます。財政難や利用者の減少により、多くの市や町で統廃合が行われています。
しかし、図書館は単なる本の貸し出し施設ではなく、地域の文化や学びの中心として重要な役割を果たしています。では、現在の図書館はどのように変化しているのでしょうか?そして、これからの読書文化はどこへ向かうのでしょうか?
増える図書館の統廃合
東京都清瀬市では、市内の図書館の一部を閉館し、機能を他の図書館に集約する計画が進められています。この決定には「説明不足」「決定プロセスが不透明」といった反対の声も上がっています。同様の動きは全国的に広がっており、自治体の財政状況によってはさらに加速する可能性があります。
また、愛知県常滑市では、建物の老朽化と地震対策の必要性から、市立図書館本館が閉館しました。市民グループは存続を求めましたが、市長は「建物の安全確保が困難」と説明し、図書館の閉館を決定しました。
長野県塩尻市の市民交流センター「えんぱーく」では、大規模修繕のため2024年7月から2025年1月末まで長期休館が決まりました。月平均4万4,327人が訪れる施設だけに、市民の生活への影響が懸念されています。
図書館の経済的影響
直接的な経済損失
図書館は地域に大きな経済的価値をもたらしています。
例として、アメリカの話になりますが、サウスカロライナ大学の調査によれば、サウスカロライナ公共図書館は年間3億4,700万ドルの価値を産出し、1ドル当たり4.48ドルの投資対効果(ROI)をもたらすことが報告されています。
間接的な経済損失
図書館の閉館は、以下のような間接的な経済損失をもたらす可能性があります。
- 情報アクセスの格差拡大: 無料で情報にアクセスできる場所が減ることで、経済的弱者の情報格差が広がり、結果的に経済機会の不平等につながります。
- 地域の文化的レベルの低下: 図書館の利用者が多い地域は文化的水準が高く、住みやすい環境を形成するとされています。文化的レベルの低下は、長期的には地域の魅力や不動産価値の低下にもつながる可能性があります。
- 教育機会の損失: 図書館は特に子どもたちの教育に重要な役割を果たしています。教育機会の損失は将来的な人的資本の低下を招き、地域経済に悪影響を及ぼす可能性があります。

図書館の役割と進化
全国の公共図書館の数は1993年の2,118館から2023年には3,310館へと増加しました。しかし、近年は増加が停滞し、財政難から縮小の動きが進んでいます。
図書館の主な役割は以下のとおりです:
- 地域の資料を保存する
- 誰でも情報を得られる場所を提供する
- 子どもや高齢者が集うコミュニティの場となる
- 地域の文化レベルを向上させる
文部科学省は2025年1月に「図書館・学校図書館の運営の充実に関する有識者会議」を開催し、電子図書館サービスの導入状況について話し合いました。現在、日本の公共図書館419館が電子図書館サービスを導入しており、総所蔵数は約150万点、1館あたり平均3,666点となっています。今後、さらなる拡充が求められています。
まとめ
- 全国で財政難や利用者減少により、図書館の閉館・統合が進んでいる
- 図書館は、地域の文化拠点としての役割を持つ
- 図書館の閉館は、直接的・間接的な経済損失をもたらす可能性がある
- 成功している図書館は、利用者目線のサービスと快適な空間づくりに注力している
図書館は、無料で情報を得られる貴重な場所です。あなたの地域の図書館はどのような状況でしょうか?もし図書館がなくなるとしたら、どのような影響があるでしょうか?
これからの図書館のあり方について、一緒に考えてみませんか?

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