【DEEP INSIGHT】会社に来ているのに働けていない?」 見えない損失“プレゼンティーイズム”とは ブルさん×ベアさんの深掘り討論

パソナのWellness Cloudで注目:健康経営が企業にもたらす変化とは
社員が出勤していても、頭痛や睡眠不足、強いストレスなどで本来の力を出せないことがあります。こうした状態は、欠勤より見えにくい一方で、企業の仕事の進み方や人材の定着に影響しやすいとされています。 2026年3月23日、パソ […]
📰 ニュースのポイント
パソナは2026年3月、従業員の健康データを一元管理する「Wellness Cloud」を開始しました。
健康診断やストレス、勤務時間などの情報を見える化し、企業が最適な健康施策を打てるようにするサービスです。
背景にあるのが「プレゼンティーイズム(Presenteeism)」という考え方です。
これは、出勤しているのに体調不良やストレスで本来のパフォーマンスを出せていない状態を指します。
調査では、体調不良時には仕事の効率が20〜30%低下することがあり、さらに企業の損失は欠勤よりも約2.8倍大きいとも言われています。

(楽観派)
これ、すごく重要なテーマだよね。
今まで企業は、“会社に来ているかどうか”を重視してきたけど、本当に大事なのは“どれだけ成果が出ているか”なんだ。
プレゼンティーイズムって、目には見えないけどすごく大きな問題で、それをデータで見える化できるのは大きな進歩だと思うよ。
しかも、ただの体調管理の話じゃないんだよね。
集中できない、ミスが増える、判断が遅くなる、気力が出ない。そういう小さな不調が積み重なると、本人だけじゃなくてチーム全体にも影響が広がる。
だから“健康管理”って、実は仕事の土台を整えることでもあるんだと思う。

(慎重派)
確かに重要な視点ですが、少し慎重に考える必要もあります。
健康データを企業が管理するということは、プライバシーの問題も出てきます。
それに、“健康=生産性”と考えすぎると、社員にプレッシャーがかかる可能性もあるのではないでしょうか。
たとえば、体調が悪いことや心の不調まで“会社に見られている”と感じる人もいるかもしれません。
また、数字で把握できることが増えても、その人がなぜつらいのか、なぜ集中できないのかまでは、簡単に見抜けるわけではありません。
ですから、便利な仕組みほど、使い方をていねいに考える必要があると思います。
🔍 POINT1:なぜ「見えない損失」が問題なの?
プレゼンティーイズムは、従来の「欠勤」と違って、見えにくいのが特徴です。
① 数字に表れにくい
出勤しているため、問題として認識されにくい
② 影響が大きい
集中力低下・判断ミス・作業遅延などが起きる
③ 組織全体に広がる
一人の不調がチーム全体の生産性に影響する

(楽観派)
ここが大事なんだよね。欠勤なら“今日は休み”ってすぐ分かるけど、プレゼンティーイズムは出社してるから見落とされやすい。
でも実際には、ぼんやりして作業が遅れたり、ミスが増えたりして、気づかないうちに大きなロスになってるかもしれない。

(慎重派)
はい。しかも、本人も“自分は働けているつもり”でいることがあります。
そのため、周りも上司も問題に気づきにくいのです。
見えにくいからこそ、後回しにされやすい。しかし、見えにくいからといって小さい問題とは限りません。
🔍 POINT2:「見える化」はなぜ注目されるの?

(楽観派)
見えないなら、見えるようにするしかないよね。
健康診断、ストレス、勤務時間みたいなデータをまとめて見れば、“どこに無理が出ているか”が分かりやすくなる。
ワタシは、これは企業が社員を管理するためというより、“無理がたまる前に気づくための道具”として大事だと思うな。

(慎重派)
見える化には意味があります。
ただし、数字が出たからといって答えが自動で出るわけではありません。
たとえば残業が多いからといって、必ずしも本人がつらいとは限りませんし、逆に勤務時間が短くても強いストレスを抱えていることもあります。
つまり、見える化は“入口”にはなりますが、“解決そのもの”ではありません。
🔍 POINT3:健康は「コスト」ではなく「投資」?

(楽観派)
このニュースの本質はここだと思う。
これまで健康管理は“福利厚生=コスト”と考えられてきた。でも今は違うんだ。
- 集中力が上がる
- 離職が減る
- 医療費が減る
つまり、健康は“利益を生む投資”という考え方に変わってきている。
ワタシはこれって、経営の考え方そのものが変わる話だと思うよ。
社員が元気に働けることは、ただ優しいだけじゃなくて、会社の力そのものにつながるんだ。

(慎重派)
その見方には納得できます。
ただ、健康を“投資”として見るときには注意も必要です。
投資という言葉だけが強くなると、“生産性が上がる人だけを大事にする”ような考えに傾くおそれもあります。
ですから、健康管理は経営に役立つとしても、同時に“人を大切にする”視点を失ってはいけません。
🔍 POINT4:データ化は万能ではない

(楽観派)
たしかに、数字で全部分かるわけじゃないよね。
でも、何も見えないよりはずっといいと思うんだ。
たとえば“この部署は残業が多い”“この時期にストレスが上がる”みたいな傾向が分かれば、会社も手を打ちやすくなる。
データは、人を追いつめるためじゃなくて、働き方を良くするヒントにできるはずだよ。

(慎重派)
その通りです。ただし、注意点もあります。
健康データを集めれば、すべてが解決するわけではありません。
たとえば、
- ストレスの原因
- 人間関係
- 仕事のやりがい
こういったものは、数字だけでは測りにくいです。
つまり、“データ+人間理解”の両方が必要ということです。
数値に表れない不安やしんどさを、会話や職場の空気から受け止めることも同じくらい大切だと思います。
🧠 今日のポイント
| 観点 | ブルさん | ベアさん |
|---|---|---|
| 健康管理の意味 | 生産性を高める投資 | プライバシーと負担に注意 |
| プレゼンティーイズム | 見えない損失を可視化できる | 数字だけでは不十分 |
| 企業の役割 | 健康を経営戦略に組み込む | 人間的な配慮も必要 |
🔍 みなさんはどう考えますか?
これまでの社会では、「長く働く=頑張っている」と考えられることもありました。
でもこれからは、「健康に働く=価値」という考え方に変わるかもしれません。
では質問です。
会社はどこまで社員の健康に関わるべきでしょうか?
健康と仕事の責任は誰にあるのでしょうか?
「頑張る」と「無理する」は何が違うのでしょうか?

(楽観派)
ワタシは、会社が社員の健康をもっと大事にするのは良いことだと思うんだ。
だって、元気に働けることって、本人にとっても会社にとってもプラスだからね。
“頑張る”っていうのは、自分の力をちゃんと出せる状態で前に進むことだと思う。でも、“無理する”は、自分をすり減らしながら続けることじゃないかな。

(慎重派)
ボクは、会社が健康に関わること自体は必要だと思います。
ただし、どこまで関わるかは慎重であるべきです。
健康はとても個人的なものでもありますし、会社が踏み込みすぎると、かえって息苦しく感じる人もいるかもしれません。
ですから、“支えること”と“管理しすぎないこと”のバランスが大切だと思います。
このような問いを考えることが、これからの働き方を理解するヒントになります。
そんな視点で考えると、健康は個人の問題だけではなく、会社のあり方や働き方そのものを映すテーマだと見えてきます。



