東京ばっかりズルい?子育て支援格差はなぜ起こる?
子育て支援で首都圏格差 東京の財政力背景、近隣県は反発:時事ドットコム
昨年7月の東京都知事選で300万票近くを獲得し3選を果たした小池百合子知事。0~18歳の都民に月額5000円を支給する「018サポート」事業や高校実質無償化など、巨額な財源が必要となる子育て支援策への支持を得た形で、今後も施策の充実が予定されている。近隣の埼玉、千葉、神奈川3県からは、都の豊かな財政力を背景に、首都圏で住民サービスに深刻な格差が生じているとの強い反発が出ている。
東京都の子育て支援策は、多くの家庭にとって魅力的な制度です。しかし、強力な財政力を背景に、埼玉、千葉、神奈川など近隣県との格差を生んでいます。東京都では医療費助成や保育無償化が充実しており、これが東京都以外の住民間の不満にもつながっています。
東京の子育て支援策
東京都は「018サポート」を通じて、0歳から18歳までの子どもに月額5000円を支給しています。また、高校の実質無償化や大学の給付型奨学金制度も計画されています。この施策は、税収が集まりやすい東京の財政力を活かしたものです。
2024年9月からは保育料無償化の対象を第1子に拡大予定で、多くの家庭が恩恵を受ける見込みです。
税収が少ない都道府県の背景
税収が少ない都道府県では、企業誘致が難しい背景があります。例えば、鳥取県では人口減少で消費が減り、企業が入りにくい状況です。島根県では交通網が十分でなく、物流コストが高いことが課題です。
企業が少ないと、企業が納める税金が少なく、その結果子育て支援に使えるお金も少ないのです。
- 人口減少と市場の縮小: 地方は人が減り、買い物をする人も少なくなっています。
- 交通やインフラ不足: 道や物流の仕組みが整わず、企業の効率が下がります。
- 高度な人材の不足: 専門スキルを持つ人が少なく、IT分野などで企業誘致が困難です。
- 地理的条件の制約: 雪や山が多い地域ではコストが増加します。
- 政策的な支援不足: 税優遇や補助金が都市部に比べて乏しいです。
税収上位と下位の子育て支援策の比較
東京以外の税収上位県の子育て支援策
税収上位県では、多額の財政を必要とする支援策が可能です。
- 神奈川県
子ども医療費助成制度: 中学校卒業までの医療費自己負担を全額助成
保育所整備: 待機児童解消のための施設拡充 - 大阪府
保育の無償化: 3歳から5歳、また0歳から2歳の非課税世帯対象
住宅支援: 子育て世帯が住宅を取得する際の補助金 - 愛知県
保育士処遇改善: 保育士の給与向上
子育て支援情報提供: 必要な情報を簡単に取得できる仕組み
税収下位3県の子育て支援策
税収下位県では、独自の工夫で支援策を展開しています。
- 鳥取県
子育て王国とっとり: 保育料の軽減と医療費助成
応援パスポート: 地域企業と連携した優待サービス - 島根県
多子世帯支援: 第3子以降の保育料軽減
相談窓口: 子育て情報の提供 - 高知県
地域団体との協力: 持続可能な支援
住宅補助: 子育て世帯への住宅改修支援
支援策の違い
税収上位県は医療費助成や保育無償化など大規模な施策を実現しています。一方、下位県は地域密着型の支援が中心で、財政力に応じた工夫をしています。
格差解消に向けた議論
地方間の格差を解消するには次の取り組みが求められます。
- 税制改正: 企業が集中する都市部の税収を適正化
- 自治体間の協力: 資源や支援の共有
- インフラ整備: 地方の交通や物流環境の改善
例えば、下位県の多子世帯支援を全国展開する補助金制度や、上位県の医療費助成を他地域にも広げる仕組みが有効ではないでしょうか。
まとめ
- 東京都は豊かな財政力で多様な子育て支援策を実施
- 大企業が多く、税収も多いことから子育て支援にも税金を多く使える
- 東京都とそれ以外の道府県の格差がある
- 地方では人口減少やインフラ不足が課題
税収の差で子育て支援にも違いが生まれる現状について、自分の地域ではどのような取り組みが行われているのか考えてみましょう。
また、それが不公平だと感じるか、あるいは仕方がないことなのか、さらに格差を埋めるためにどのような方法があるのかを話し合ってみてください。
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