楽器メーカー・フェルナンデスが破産へ
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(株)フェルナンデス(戸田市)は7月11日までに事業を停止。「現在、複数の債権者に対して、相当額の債務を負担しており、誠に遺憾ながら事業の継続が不可能な状況」として破産手続きを弁護士に一任した。
みんなは音楽の習い事をしていますか。楽器を弾くのは好きですか?
日本の楽器メーカー、フェルナンデスが破産を申請したというニュースがありました。エレキギターと言えばフェルナンデスが思い浮かぶくらいの知名度や人気があった楽器メーカーでした。特に1980年代後半から1990年前半は「バンドブーム」もあって、楽器をはじめる若者も多かったと言われています。私もYAMAHAのギター(B'z 松本孝弘モデル)やフェルナンデスのエレキギターを持っていました。
どんな理由で経営が難しくなってしまったのでしょうか?
破産とは?倒産と違うの?
破産とは、会社や人が借金を返せなくなって、法律に基づいてお金の問題を整理することです。倒産は、会社がもう商売を続けられなくなることを意味します。破産は倒産の一種ですが、倒産には他にも会社が自ら解散する場合などがあります。つまり、破産は特に借金が返せないときに使う言葉です。
フェルナンデスの歴史
フェルナンデスは1969年に斉藤楽器としてスタートし、1972年にフェルナンデスに名前を変えました。エレキギターやベース、アンプなど、様々な楽器を作っていた会社です。
1990年に発売された、ゾウの形をしたアンプ内蔵のミニギター「ZO-3(ゾーサン)」は大人気でした。
また、X JAPANのhideやBUCK-TICKの今井寿など、多くのアーティストモデルのギターも手掛けました。
アーティストモデルの一覧
フェルナンデスが手掛けたアーティストモデルには、次のような有名なギタリストたちのものがあります。
- hide(X JAPAN、hide with Spread Beaver)
- 布袋寅泰(BOOWY、COMPLEX)
- ken(L’Arc~en~Ciel)
- TAKUYA(JUDY AND MARY)
- heath(X JAPAN)
- 今井寿(BUCK-TICK)
- 星野英彦(BUCK-TICK)
- CIPHER(D’ERLANGER)
- NAOKI(10-FEET)
- ロバート・フリップ(キング・クリムゾン)
- ジ・エッジ(U2)
- ブラッド・ギルス(ナイト・レンジャー)
- ビリー・ジョー・アームストロング(グリーン・デイ)
他の楽器メーカーの倒産例
フェルナンデスだけでなく、他の楽器メーカーも倒産しています。たとえば、アメリカのギブソンも一時期経営が危機的状況にありました。また、イギリスのHIWATTアンプのメーカーも困難な時期を経験しました。
楽器メーカーの営業不振の理由
楽器メーカーの経営が苦しくなったり、倒産したりが増えてきたのは、次のような理由が考えられます。
- 中古市場の台頭
新しい楽器よりも中古楽器を買う人が増えた - 競争の激化
他のメーカーとの競争が激しくなった - 新製品の不足
新しい魅力的な製品を出せなかった - 市場の縮小
楽器を買う人、演奏する人が減ってきた - 経済の悪化
社会全体の経済状況が悪くなった - 材料代の高騰
新型コロナウィルス大流行、ウクライナ戦争、円安などで原材料費が高くなった - デジタルツールの広まり
本当の楽器ではなくても、パソコンなどでいろいろな楽器をプログラミングできるようになった
まとめ
- フェルナンデスは日本の有名な楽器メーカーで、多くのアーティストモデルを手掛けた
- 自己破産の原因は負債(借金や払わないといけないお金)の増加や原材料費高騰など
- 他の楽器メーカーも同様に経営困難な時期を経験している
楽器メーカーが経営に苦しむ理由を考えてみると、ビジネスのむずかしさがわかりますね。フェルナンデスのように、一時期とても人気も知名度もあった会社でも、世の中の流行が変わったり、その製品を必要とする人が減ったりすると、経営がうまくいかなくなることもあります。そこから次の手をどうするか、を考えて新しいお客を見つけられるように会社は日々考えているのです。
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