外国人投資家がインド株から離脱?その背後にある経済の動き
アングル:インド株、外国人投資家離れが加速 中国シフト鮮明に | ロイター
外国人投資家のインド株離れが進み、過去最速ペースで売りが出ている。一方で中国株には盛んに買いが入っており、インドと中国はこの半年間で形勢が逆転した。
世界経済の中で注目を集めているインドの株式市場について考えてみましょう。最近、インドの株価が下がっているのですが、それはなぜでしょう。
インドの株式市場の動きと、その背景にある経済の変化、そして、私たちの生活とどのようにつながっているのかも見てみましょう。
インド株式市場の現状
株価が下がっている主な理由
インドの株価が下がり続けている理由は、大きく分けて3つあります。
- 経済成長の鈍化:経済の成長スピードが以前よりもゆっくりになっています。
- 企業収益の下方修正:多くの企業が「思ったより儲からなさそう」と発表しています。
- アメリカとの貿易摩擦:アメリカが関税を上げる可能性があり、輸出が不利になるかもしれません。
このような不安要素が重なり、投資家たちは株を売るようになりました。その結果、約192兆円もの価値が株式市場から消えました。これは日本の年間予算の約1.5倍にあたる巨大な金額です。
投資家たちの反応
株価が下がれば「安く買えるチャンス」と思うかもしれませんが、実際には多くの投資家が様子見の姿勢をとっています。
- 中国のAI関連株に注目が集まっている
- インド国内の消費が伸び悩んでいる
- 経済回復のはっきりした兆しが見えない
これらの要因から、投資家は慎重になっているのです。
インド経済の課題と背景
インド経済の成長率が落ちている背景には、以下のような要素が複雑に関係しています。
- 家庭の支出が減っている:特に富裕層以外の人たちの支出が減り、自動車や外食の売上が落ちています。
- 雇用の安定性が低い:働く人が多いのに仕事が少なく、給料が上がりにくい状況です。
- 農業が不安定:気候変動の影響で農業収入が減っています。
- 海外からの投資が減少:製造業に対する投資が少なくなっています。
- 物価上昇(インフレ):食料品などの値段が上がり、買い物がしづらくなっています。
- インフレ対策の金利引き上げ:お金の流れを抑えるために金利を上げた結果、消費や投資も控えられています。

インドの経済はこれからどうなる?
成長率の見通し
インド政府は、2025年度の経済成長率を6.5%と予想しています。これは4年ぶりの低さですが、世界全体と比べればまだ高い水準です。
投資家の見方と期待
一部の投資家は「今が買い時だ」と考えています。株価が下がっている今こそ、将来伸びる企業に投資するチャンスだという見方です。
関連ニュース(2025年3月・日経新聞より)
インドの中央銀行(RBI)は最近、政策金利を据え置くことを決定しました。これにより、消費の回復に期待が集まっています。ただし、エネルギー価格の上昇が続いており、物価への影響が懸念されています。
まとめ
- インド株価下落の原因は、経済鈍化・企業収益の不安・貿易摩擦
- 投資家は中国株など他の市場にも注目している
- 経済成長率は下がっているが、世界的にはまだ高水準
- 背景には消費減少、雇用問題、農業の不安定性、物価上昇などがある
- 長期的にはインドの成長に期待する声もある
スマートフォンの部品、洋服、ITサービス。私たちの身の回りの多くのものに、実はインドが関わっています。もしインド経済が元気になれば、日本の企業にもチャンスが広がります。逆に、調子が悪くなれば日本にも影響が出るかもしれません。
経済のニュースを読むときは、「これが自分の生活とどう関係しているのか」を考えながら読んでみてください。そうすることで、経済への理解がより深まり、将来の進路選択にも役立つかもしれません。

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