もう安いだけじゃ生き残れない?フォーエバー21が2度目の破産!
米ファストファッションの「フォーエバー21」、2度目の破産申請 - Bloomberg
米ファストファッションチェーン「フォーエバー21」の運営会社が、デラウェア州で連邦破産法11条に基づく破産申請を行った。裁判所の文書で明らかになった。
安くておしゃれな服が手に入るファストファッション。特に「フォーエバー21」は、若者を中心に人気のブランドでした。
しかし2025年3月、フォーエバー21が2度目の破産申請を行ったというニュースが報じられました。なぜ、かつて世界中で愛されたブランドが経営に行き詰まったのでしょうか?
フォーエバー21の破産理由を振り返りながら、ファストファッション業界が直面している課題や、私たち消費者にできることについて考えていきます。
フォーエバー21とはどんなブランド?
1984年にアメリカで誕生したフォーエバー21は、「安くて流行の服が買える」ことを強みに若者から人気を集めました。全盛期には世界で800店舗以上を展開し、日本でも多くのファンがいました。しかし、成功の陰には見えにくい課題がありました。
1回目の破産申請(2019年)の理由
2019年、フォーエバー21は初めて破産申請を行いました。主な理由は以下の通りです。
- 競争の激化:ZARAやH&Mに加え、ASOSやBoohooといったオンライン専業ブランドの台頭に対応できませんでした。
- 店舗の過剰拡大:一等地に多くの大型店舗を展開し、家賃や運営コストが経営を圧迫しました。
- オンライン戦略の遅れ:ネット通販の波に乗り遅れたことで、顧客を奪われました。
- 経営戦略の失敗:メンズや化粧品への事業拡大が失敗し、在庫が増加しました。
その後、買収されて再建を目指しましたが、十分な回復には至りませんでした。
2回目の破産申請(2025年)の背景
2025年3月、フォーエバー21は再び破産申請を行いました。今回は以下の要因が重なりました。
- 中国系通販との競争:SHEINやTemuなど、中国発の格安通販サイトの勢いに押され、価格競争で不利になりました。これらは「デミニミス・ルール」という仕組みを活用し、低価格を実現しています。
- インフレによるコスト上昇:世界的な物価上昇で、生産や店舗運営にかかる費用が増え、利益が圧迫されました。
- 消費者の意識の変化:「使い捨て」ではなく、「サステナブル(持続可能)」な選択を重視する消費者が増えました。オンラインへの対応も遅れました。
- 財務の悪化:2024年には約600億円の赤字を出し、債務が積み重なりました。
ファストファッション業界が抱える3つの課題
フォーエバー21の破綻は、業界全体の課題を浮き彫りにしています。
- 環境問題:大量生産と大量廃棄が環境に大きな負担をかけています。
- 労働問題:安価な服を作る背景には、低賃金や過酷な労働環境があります。
- 消費者意識の変化:品質や環境配慮を重視する声が高まり、単なる「安さ」では支持されにくくなっています。

私たちにできることは?
このニュースを通じて、私たち消費者にもできることがあります。
- 必要な分だけ買う:本当に必要な服だけを選ぶ習慣を身につける。
- リユースやリサイクルを心がける:不要になった服を再利用する方法を考える。
- 環境に優しいブランドを選ぶ:サステナブルな取り組みをしている企業を応援する。
まとめ
- フォーエバー21は2019年と2025年に2度破産申請を行った
- 1回目は経営の失敗、2回目は外的要因(インフレ、競争激化など)が影響
- ファストファッション全体が環境・労働・価値観の面で課題に直面している
- 私たち消費者の意識が、業界の未来を左右する
安くてすぐ流行が終わる服と、高くても長く使える服、あなたはどちらを選びますか?最近では、古着をおしゃれに取り入れるスタイルも注目されています。自分の消費行動が社会や環境にどう影響するかを考えることが、新しいビジネスのヒントになるかもしれませんね。

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