ネットの裏側:SNS投資詐欺・ロマンス詐欺の手口と防ぎ方
「もうかるよ」「結婚したい」--感情形成テクニックを使うSNS投資詐欺やロマンス詐欺 - CNET Japan
個人を狙うサイバー犯罪では、さまざまな詐欺的手法で金銭の窃取を狙うものが多い。情報処理推進機構の「情報セキュリティ10大脅威」選考会メンバーが解説してくれた。
SNSやチャットアプリを介した詐欺被害が急増しています。警察庁の発表によると、2024年のSNS型投資詐欺とロマンス詐欺の被害総額は約1,268億円、認知件数は9,265件に達しました。顔が見えない相手ほど危険が潜んでいます。
詐欺師の巧妙な手口や最新の事例、だまされないための具体的な対策を見てみましょう。ぜひネット上で安全に行動するコツを身につけましょう。
SNS型投資詐欺の仕組みと事例
手口の特徴
- 詐欺師がSNS広告やDMで「初心者でも安心」「絶対にもうかる」と投資話を持ちかける
- 最初に小額で利益を見せ、信頼させた後で大金を振り込ませる
- 実際には投資先が存在せず、出金はできない
最新の被害状況(2024年)
- 認知件数:5,939件(前年同期比+4,037件)
- 被害額:約794.7億円(前年同期比+569.8億円)
※SNS投資詐欺だけで、1日あたり約2.2億円が詐取されています。
実際の事例
- 40代男性が「暗号資産の短期取引」で700万円を送金
- インフルエンサーを装ったアカウントから勧誘を受け、数百万円を失ったケース多数
ロマンス詐欺の特徴と注意点
恋愛感情を利用した詐欺
- SNSやマッチングアプリで親しげに接し、信頼関係を構築する
- 「結婚したい」「困っている」など感情に訴えかけ、金銭を要求する
- 有名人や医師、実業家などを装うケースが多い
最新の被害状況(2024年)
- 認知件数:3,326件(前年同期比+1,921件)
- 被害額:約346.4億円(前年同期比+193.7億円)
主な被害事例
- 40代女性がイギリス在住を名乗る男性に500万円を送金
- 50代男性がネットショップ運営の儲け話で3,300万円を喪失
- 若年層(20~30代)の被害が全体の15%を占める
- 高齢者(65歳以上)の被害が約25%を占める

だまされないためのポイント
ゼロトラストを意識する
「この人は本当に信頼できるか?」と常に疑う習慣を持ちましょう。特にネット上の関係は一度リセットして考えることが大切です。
公式情報で確認する
投資話が出たら、必ず金融庁登録業者や公式サイトで登録状況をチェックしましょう。
セキュリティ対策を徹底する
- 複雑なID・パスワードを設定し、定期的に変更する
- 不審なリンクや添付ファイルは絶対に開かない
相談と報告をためらわない
- 家族や先生にすぐ相談する
- 詐欺に気づいたら、警察や消費者ホットラインに連絡する
関連ニュースと教育の重要性
- 2024年の特殊詐欺全体の被害額は約722億円で過去最悪を更新。SNS詐欺の影響が大きい。
- 金融庁も不正送金被害額が前年同期比で4倍に拡大と注意喚起。
- 学校や家庭でネットリテラシーと金融リテラシーを学ぶ機会が増えています。
まとめ
- SNS投資詐欺:「絶対にもうかる」と持ちかけ、安心させてから大金を奪う
- ロマンス詐欺:恋愛感情や信頼を利用し、金銭をだまし取る
- 2024年の被害額:SNS詐欺・ロマンス詐欺合計で約1,268億円
- 対策の基本:ゼロトラスト、公式確認、セキュリティ強化、相談・報告
ネットでお金や感情が絡む話が出たら、まず「本当に安全か」を自分で調べる習慣をつけましょう。投資や恋愛の話は、家族や先生、専門機関に相談してから行動することで、将来のビジネスや金融活動にも役立つリテラシーが身につきます。
疑問を感じたらすぐ相談し、安心してネットを活用できる力を養いましょう。