ヒューマンメイド上場!BAPE創業者NIGOが挑む世界市場

著名デザイナーNigo氏創業のヒューマンメイド、東証に来月27日上場へ - Bloomberg

著名デザイナーのNigo氏が創業した日本発のストリートファッションブランドHUMAN MADE(ヒューマンメイド)」(東京都渋谷区)は、日本のポップカルチャーに対する関心の高まりを商機と捉え、東京証券取引所グロース市場へ新規上場(IPO)し、公募による新株発行と売り出しで160億円強を調達する。

日本発のストリートファッションブランド「HUMAN MADE(ヒューマンメイド)」が、2025年11月27日に東京証券取引所グロース市場へ新規上場予定です。
創業者NIGO(ニゴー)氏の歩みと「A BATHING APE(BAPE)」の歴史、アパレル企業の上場事例などを見てみましょう。

日本カルチャーと経済の接点を探る

近年、日本発ファッションやアニメなど「ポップカルチャー」が国内外で高い注目を集めています。2025年11月にはNIGO氏の「ヒューマンメイド」が上場。背景には、ブランドが企業として資本市場で評価される時代、そして円安やインバウンド(訪日客需要)という大きな経済の潮流があります。
「アパレル=上場しても成長できない?」といった疑問もよく聞かれます。今回は事実に基づいて、ブランド・市場・生活者をつなぐ経済のリアルを見つめてみましょう。

NIGOとBAPE:ストリートカルチャーを世界へ

NIGO(ニゴー、本名:長尾智明)は1970年群馬県生まれ、1993年に「A BATHING APE(ベイシングエイプ/BAPE)」を創業しました。裏原宿のNOWHERE(ノーウェア)を拠点に、“猿の惑星”やアメリカンカルチャーをモチーフとしたカモ柄やロゴデザインで瞬く間に熱狂的支持を獲得します。​

ブランド名は「ぬるま湯につかる猿」に由来し、90年代の日本の若者文化を反映。当初は数量限定・インフルエンサー中心の戦略で希少価値と話題性を生み出しました。やがて、ファレル・ウィリアムスやカニエ・ウェストなど海外アーティストも着用し、世界的な知名度を確立。​

NIGO氏はその後も「HUMAN MADE」を2010年に創設し、日本のヴィンテージや職人技にこだわる新たな世界観を発信。2021年にはフランス「KENZO」のアーティスティック・ディレクターに就任し、グローバルに活躍を続けています。​

Human Made 新規上場申請のための有価証券報告書より

上場の現実:アパレル企業はなぜ株式市場へ?

アパレル企業の上場例は、ファーストリテイリング(ユニクロ)、ワークマン、yutoriなど多岐にわたります。最近では2018年創業のyutori社が2023年に最短で上場を果たした事例も話題となりました。​

しかし、アパレル業界は流行や在庫リスク、原価高など課題も多く、全ての企業が安定成長するわけではありません。在庫やコスト管理、ブランド力、D2Cモデル(メーカー直販型ビジネス)など成功のカギは多様で、ユニクロはSPA方式(製造小売一体)で急成長を続けています。​

上場の意義は、多額の資金調達で事業拡大や海外出店を加速できること、経営の透明性や社会的信頼を高めること。一方、市場から「成長性・独自性・社会的価値」を常に問われる側面もあります。

インバウンドや為替が生む新たな波

2020年代半ば、円安進行と訪日外国人客数の増加でインバウンド消費が伸長し、アニメ・アパレル・雑貨など日本カルチャー産業が国内経済を支える柱の一つとなりました。観光庁によれば、2025年秋はコロナ前を超える客数を記録しています。​

ヒューマンメイドもアジア各国への出店や海外売上比率の拡大を見込んでいます。

世界で通用するブランド力:経済への波及

ファッションに限らず、漫画、アニメ、ゲームも含め「Jカルチャー」が世界市場で勢いを増しています。こうしたブランドが株式市場へ進む背景には、「文化×経済」の拡張性があります。NIGO氏もKENZOやLOUIS VUITTON、adidasなど海外ブランドと数多くコラボし、日本発のストリートを“ビジネス”にまで押し上げています。​

まとめ
  • ヒューマンメイドが2025年11月27日に東証グロース市場でIPO予定
  • 90年代から日本ファッションの“裏原文化”をリードし、ポップカルチャーの象徴に
  • アパレルの上場例にはユニクロ、ワークマン、yutoriなどがある
  • 上場とは資金調達・信頼性向上・グローバル展開の重要な手段でもある
  • インバウンドや円安が消費を押し上げ、文化と経済が結びついている
  • ポップカルチャーの経済インパクトが日本の成長戦略にも影響

ヒューマンメイドやBAPEのように、カルチャーやファッションが世界的ビジネスや経済市場と直結しつつあります。「自分の好きなものが国境や業界を超えて、“価値”になるとすれば?」――そんな視点で日常のモノやサービス、お店を見直してみましょう。
大切なのは、「なぜそのブランドや商品が支持を集めているのか」「企業はどのように資金や信頼を集め、成長していくのか」を知ることです。身近なアイテムや流行も、社会や経済の大きな動きとつながっています。
家族と「好きなブランドやキャラクターが突然大きなニュースになる理由」「もし自分なら、どんなアイデアで世界へ発信する?」というテーマで話し合うのもおすすめです。調べてみた疑問や気づきが、将来の学びや挑戦のヒントになるかもしれません。